エリック・トランプ氏が関わる米American Bitcoin(NASDAQ: ABTC)は、2026年7月時点で8000BTC超を保有していることを明らかにしました。保有額は約5億400万ドルにのぼり、公的保有企業の上位に入る規模です。
一方で株価は1年安値圏で推移し、Nasdaqの最低株価基準を維持するため、7月2日の取引終了後に15対1の株式併合を実施しました。ビットコイン保有の積み上げと株式市場での評価が食い違う構図が鮮明になっています。
同社のビットコイン準備高は、2025年末の5401BTCから2026年3月31日時点で7021BTCに増えました。第1四半期中の増加分は1620BTCで、このうち817BTCを採掘で確保し、803BTCを購入しています。
エリック・トランプ氏は7月7日の投稿で、8000BTC到達について「到達できてうれしい」としたうえで、第1四半期の採掘粗利益率が52%だったことを示し、「積み増しは続く」と述べました。American Bitcoinの公式アカウントも、Nasdaq上場後にビットコイン準備高と1株当たりのサトシ保有量がともに約3倍になったと発信しています。
8000BTC超の保有拡大と15対1併合後も続く株価低迷
事業面では採掘効率の改善も進んでいます。第1四半期の1BTC当たり採掘コストは約3万6200ドルまで低下し、販管費の比率も低く抑えているとしています。ビットコインを掘って増やす事業と、市場から調達した資金で買い増す戦略を並行して進めている形です。
それでも株価は持ち直していません。15対1の株式併合は、Nasdaqが求める最低株価基準への対応が主目的でした。効力は7月2日取引終了後に発生し、7月6日から併合後の新株で取引が始まりましたが、その後も下落が続き、併合後の水準から38%下げたとの報道も出ています。
株価の重しになっているのは、保有資産の大きさだけでは企業収益の不安を打ち消せていないためとみられます。第1四半期には約8180万ドルの純損失を計上し、このうちデジタル資産関連の損失は1億1720万ドルに達しました。暗号資産(仮想通貨)を多く持つ企業では、保有量の拡大がそのまま株主価値の上昇につながるとは限らず、会計上の損失や上場維持リスクが株価に強く反映される場面があります。
American Bitcoinはビットコイン保有企業としての存在感を急速に高めた一方、株式市場では採掘収益性、評価損、上場基準対応が同時に問われる局面にあります。今回の15対1併合は、そのねじれを数字で示す出来事となりました。
参考元:Bloomberg
画像:Shutterstock
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