JAN3のサムソン・モウCEOが6月28日、ビットコインについて「底は付いた」との見方を示しました。2025年10月の過去最高値約12万6,000ドルから約50%下落し、足元は約6万ドル前後で推移しています。モウ氏は2024年4月の半減期前に最高値を更新した点を根拠に挙げます。一方で、4年サイクルはなお続くとして底値形成を2026年終盤とみる声もあり、相場の時間軸の捉え方で評価が分かれています。
モウ氏はXで「The bottom is in」と投稿しました。主張の中核は、2024年4月の半減期の37日前に価格が最高値を更新した点です。半減期を起点に数年単位で値動きを捉える見方は根強いものの、モウ氏はそのリズム自体が前倒しで進んでいるとみています。半減期「後」ではなく「前」の最高値更新は、市場の反応が従来より早まった証拠だという整理です。
この見方に立てば、価格の山だけでなく谷も早く訪れます。最高値から約半値まで下げた現在の水準は、テンポの速まったサイクルの底にあたる、というのがモウ氏の論理です。
ただし、これは共通認識ではありません。暗号資産(仮想通貨)アナリストのベンジャミン・コーウェン氏は5月26日のXで、4年サイクルはまだ終わっておらず、底値は2026年終盤に形成される可能性があるとの見方を示しました。両者の違いは価格水準よりも、時間の進み方をどうみるかにあります。
現物ETFの拡大が価格サイクルの前提を揺らす
この論争が相場観の違いにとどまらないのは、市場構造が変わりつつあるためです。2026年初頭のFidelity Digital Assetsのリサーチでは、ビットコイン現物ETFが流通総量の約6.4%を保有するとされました。長期保有を前提とする資金が流通分を吸収すれば、売買の回転や需給の偏りに変化が生じます。
モウ氏のサイクル加速論は、この構造変化と相性がよい見方です。ETF経由の早い資金流入が半減期前の最高値更新につながったと考えれば、従来の時間軸がずれる説明になります。一方で、保有主体が変わっても半減期による新規供給の減少という仕組みは変わらず、コーウェン氏はこの供給サイクルの影響がなお大きいとみています。
足元の約6万ドルを、モウ氏は「底打ち後の反転準備」、コーウェン氏は「4年サイクルの途中にある下落」と捉えます。同じ価格を前に結論が割れる背景には、半減期に加えて現物ETFという新たな資金の流れが相場を動かし始めた構造変化があります。
参考元:coindesk
画像:Shutterstock
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