2016年のHongCoin ICOでコントラクト内に閉じ込められていた1003.62 ETHが、2026年5月31日に解放されました。金額は約200万ドル、日本円で約3.2億円に相当します。返金不能の原因になった会計バグとは別の旧式バグをホワイトハット研究者が逆手に取り、48人の投資家が資金を請求できる状態になりました。
返金失敗で止まっていたICO資金が9年後に動いた理由
HongCoinは2016年、分散型ベンチャーファンドを掲げて実施されたICOです。目標額に届かなかったため、参加者にETHを返す仕組みが想定されていましたが、返金機能に不具合があり、一部資金がコントラクト内に残ったままになっていました。
問題は、返金処理のたびに内部のトークンカウンターが減少し、実際の保有残高との整合が崩れたことです。その結果、大口保有者の残高が返金条件を満たさない扱いとなり、ETHを引き出せなくなりました。資金は失われたわけではなく、鍵のかかった金庫に入ったまま、開ける条件だけが壊れていた構図です。
この状態が動いたのは2026年5月31日です。ホワイトハット研究者の0xflorent.ethが、オリジナルの管理者と連携し、1003.62 ETHの解放を完了したと明らかにしました。これにより、当時の投資家48人が資金請求の対象になりました。
今回の事例は、古い休眠コントラクト全般に当てはまる話ではありません。識別可能なコードが残っていること、有効な管理権限が維持されていること、過去の取引記録を追えること、そして回収するだけの価値が残っていることがそろって初めて成立した特殊なケースです。HongCoinの1003.62 ETHは、失敗したICOの残骸ではなく、条件がそろったことで9年越しに返金手続きへ戻された資金になりました。
参考元:coindesk
画像:shutterstock
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