ビットコイン(BTC)は5月25日午前8時時点で7万6800ドル付近で推移しています。5月23日夕方にトランプ大統領がイランとの和平合意が「概ね妥結した」と発表したことを受け、いったん7万4000ドル台まで沈んだ価格が一気に7万7000ドル台まで切り返しました。
短期的にはこのイラン和平発言と、それに伴うショートスクイーズが市場の最大の関心事となっています。一方で本日5月25日は米国がメモリアルデーで休場となるため、機関マネー不在の薄商いが上値追いを抑える地合いも意識されています。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間の高値は7万7216ドル、安値は7万6053ドルで、値幅は約1100ドルにとどまりました。米時間5月22日深夜から5月23日未明にかけては中東情勢の悪化懸念から一時7万4000ドル台まで下押しする場面がありましたが、5月23日夕方のトランプ大統領のSNS投稿を受けて短時間で7万7000ドル付近まで急回復しています。
直近24時間に絞ると、その反発局面が一巡したあとの7万6000〜7万7200ドルでの保ち合いに終始しており、市場は7万7000ドルのラウンドナンバーと7万7200ドルの戻り高値を意識しながら、下値では7万6000ドル台前半の押し目買い需要を確認する展開となっています。
相場を動かした背景
イラン和平合意の進展と大規模ショートスクイーズ
最大の材料は、米時間5月23日夕方にトランプ大統領がTruth Socialへ投稿した米国とイランの和平合意進展の発言です。投稿では「合意は概ね妥結しており、最終的な確定を残すのみ」とした上で、「ホルムズ海峡が開放される」ことが合意内容に含まれると言及されました。中東リスクのピークアウトが急速に織り込まれたことで、原油や株式と並んでBTCにもリスクオンの買いが入り、価格は7万4192ドル付近から7万7000ドル台へとV字回復しています。
この急反発の過程ではデリバティブ市場でのショートポジション解消が値動きを増幅させました。クリプト全体の清算額は約5億4000万ドルに達し、うち約4億4000万ドルがショート側の清算と報じられています。清算されたトレーダー数は約16万9000人にのぼり、週末の薄い板の中で踏み上げが連鎖したことが、短時間での値幅拡大につながったとみられます。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足は5月中旬のPPIショックを起点とした調整局面の延長線上にあります。価格は7万4000〜7万7000ドル台で下値を切り上げる動きを見せていますが、200日移動平均線には届かず、5ヶ月連続で200日線を下回る状況が続いています。日足RSIは46前後と中立圏で、強い方向感は出ていません。
中長期の上値メドは7万8000ドル台後半から200日線が走る8万2000ドル台、下値メドは7万5000ドルとその下の7万3500ドル付近です。200日線を明確に上抜けるまでは、戻り売り優勢のレンジ相場として捉えるのが妥当な水準です。
4時間足チャート分析

4時間足はイラン和平発言を受けた7万4000ドル台から7万7000ドル台へのV字反発のあと、7万6000〜7万7200ドルでの保ち合いに移行しています。直近の戻り高値である7万7216ドルを更新できておらず上ヒゲが残る形のため、ここから先は7万7200ドルを抜けて7万8000ドル台に乗せられるかが第一の判断材料となります。
押し目買いの目線は7万6000ドル台前半までのフラッグ的な保ち合い、戻り売りの目線は7万7200ドルを抜けられないままの上ヒゲ更新失敗が判断軸です。中期の上値メドは7万7200ドル、抜ければ7万8100ドル台、下値メドは7万6000ドル、その下で7万5000ドルとなります。
1時間足チャート分析

1時間足は7万6000ドルから7万7200ドルの狭いレンジ内での方向感のない値動きが続いています。当日の短期トレーダーが見るべきラインは、上抜けトリガーとなる7万7200ドル、保ち合いの下限となる7万6000ドル、そして中期下値支持の最終ラインとなる7万5000ドルの3本です。
本日は米メモリアルデーで板が薄くなりやすいため、レンジ抜けに飛び乗ると振り落とされる可能性が高くなる点に留意が必要です。明確なブレイクが出ても、出来高を伴うかどうかをワンクッション置いて確認する姿勢が短期戦では有効と考えられます。
デリバティブ動向
OI・清算動向
BTC先物の総OIは約540億ドル規模で、直近24時間の清算額自体は約5100万ドルと小規模にとどまっています。ただし1営業日前のイラン和平発言時には、クリプト全体で約5億4000万ドルの清算が一気に発生し、そのうち約4億4000万ドル(全体の81%)をショート側が占めました。
ここから読み取れるのは、過剰に積み上がっていたショートポジションが既に大規模に整理されたという事実です。同じ規模のショートスクイーズがすぐにもう一度起きる可能性は相対的に低くなった一方、今度は逆に新規ロングが踏み上げ後の高値圏で増えやすい局面に入っています。本日のような薄商いでは、その新規ロングが下方向の清算カスケードを引き起こす可能性に注意が必要です。
注目清算ライン

上方向では7万8000ドル台にショート側の清算ラインが意識されやすく、7万7200ドルを明確に上抜けると一段の踏み上げが入りやすい状況です。下方向では7万3800ドル以下に約12億9000万ドル規模のロング清算ゾーンが控えていると報じられており、7万5000ドルを割り込んだ場合に下方向のカスケードが意識されます。
短期トレーダーとしては、7万7200ドル抜けでの上方向のショート炙り出しと、7万5000ドル割れでの下方向のロング解消の両サイドを警戒する必要があります。レンジ中央の7万6000〜7万7000ドル付近で待機しながら、どちらのラインが先に抜けるかを見届ける戦い方が現実的です。
ETF動向
米現物BTC ETFは5月中旬以降、流出基調が続いています。直近確認できた範囲では5月21日にマイナス1億0090万ドル、5月20日にマイナス7040万ドル、5月19日にマイナス8億5620万ドル、5月18日にマイナス2億0770万ドルと、主要営業日のほぼ全日でマイナスフローとなっています。
イラン和平発言での先物主導の反発があっても、現物ETF経由の機関買いが戻らない限り、上値追いの持続性は限定されやすいとみられます。本日は米メモリアルデーで休場のためETFの新規フローは発生しませんが、明日5月26日(火)以降の数値が再び流出となるか、それともセンチメント改善とともに流入転換するかが、今週後半の方向感を左右します。
本日のデイトレ注目材料
本日5月25日(月)は米メモリアルデー休場のため、米国発の重要経済指標および要人発言は予定されていません。明日5月26日(火)21時30分にPhilly Fed非製造業景況指数、同10時(日本時間23時)に米消費者信頼感指数が控えています。
さらに5月28日(木)にはGDP改定値、新規失業保険申請件数、耐久財受注が、5月29日(金)にはFedが重視するPCEデフレーターの発表が予定されており、週後半に向けて指標イベントが集中する流れです。
短期市場テーマとしては、イラン和平合意のフォロー報道が出るかどうか、そしてETF流出が止まる兆しが出るかどうかの2点が中心となります。上方向の焦点は7万7200ドルで、ここを明確に上抜ければ7万8000ドル台のショート炙り出しを通じて8万ドルの心理的節目、その上で200日線が控える8万2000ドル台が視野に入ります。
下方向の焦点は7万6000ドルで、ここを割り込むとイラン和平発言前の安値である7万4000ドル台、さらに7万5000ドルを下抜けると7万3500ドル付近の中期サポートまでの下押しリスクが意識されます。短期トレーダーが本日特に注目すべきラインは、7万7200ドル(上抜けトリガー)、7万6000ドル(保ち合い下限)、7万5000ドル(最終下値支持)の3本です。
まとめ
本日のBTC相場は、米時間5月23日のイラン和平発言で生じた7万4000ドル台からのV字反発が一巡し、7万6000〜7万7200ドルの保ち合いに収斂した状態で日本時間の朝を迎えています。
米メモリアルデー休場で機関フローが途切れるため、レンジ抜けの動きが出ても追随しにくい薄商いの一日となる可能性があります。週後半に控えるPCEデフレーターまでの数日間は、7万7200ドル抜けか7万5000ドル割れか、どちらのレンジ境界が先に崩れるかを冷静に見極める局面と言えそうです。
