JPモルガンのアナリストチームが、イーサリアムとアルトコインは当面、ビットコインに対して劣後しやすいとの見方を示しました。市場回復局面でも、現物ETFへの資金流入はビットコインに偏り、イーサリアムは回復の勢いで大きく見劣りしています。
暗号資産(仮想通貨)市場で資金がどこに集まりやすいかを示す材料として、機関投資家の選好の違いが改めて浮き彫りになりました。
ETFと先物が示すビットコイン優位の回復
米The Blockが5月14日に伝えた内容では、Nikolaos Panigirtzoglou氏率いるJPモルガンのチームは、イーサリアムとアルトコインのビットコインに対する劣後が2023年から続いており、その流れは足元でも変わっていないと整理しました。
回復局面で差が表れたのが、現物ETFへの資金流入です。ビットコイン現物ETFは、前回の流出分のおよそ3分の2を取り戻した一方、イーサリアム現物ETFの回復は約3分の1にとどまりました。
この差は、単なる価格変動ではなく、機関資金がどの資産を優先しているかを映しています。ETFは上場株と同じように売買できるため、大口投資家にとっては暗号資産への入り口になりやすい商品です。その資金の戻り方に差があることは、市場が不安定な局面を経た後でも、資金の受け皿としてビットコインが選ばれやすい構図を示しています。
先物市場でも同じ傾向が確認されています。CMEのビットコイン先物では、ビットコイン優位のポジションが回復しており、機関投資家の売買が現物ETFだけでなくデリバティブ市場でもビットコイン中心に傾いていることがうかがえます。
ネットワーク活動の弱さがETHとアルトコインの信頼回復を鈍らせる
JPモルガンは、価格や資金流入の差だけでなく、ブロックチェーン上の実需にも弱さが残るとみています。Panigirtzoglou氏のチームは「ネットワーク活動、DeFi、リアルワールドアプリケーションにおいて意味のある改善が見られない限り変わらないだろう」と指摘しました。
イーサリアムのDeFi市場シェアは、2025年初めの63.5%から2026年5月時点で53%前後まで低下しました。預かり資産総額は約455億ドルとなお大きいものの、市場全体に占める比率は縮小しています。かつてDeFiの中心だったイーサリアムが、絶対額では大きくても相対的な支配力を落としている形です。
アルトコイン全体では、流動性の薄さやハッキング被害も重荷になっています。JPモルガンは、こうした要因がアルトコインのエコシステム全体への信頼を損ない、新規資金の流入を妨げてきたとみています。
参考元:theblock
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