5月11日から12日にかけての暗号資産市場は、ビットコイン(BTC)が1月末以来の強い始値を付けながらも、その後利益確定売りに押されて反落する展開となりました。週末にかけてのリスクオン地合いを引き継いだものの、12日の米4月CPI発表と15日のFRB議長交代を控え、3銘柄そろって上昇分を吐き出しています。
新議長候補のケビン・ワーシュ氏が金融引き締めに前向きとの見方が広がるなか、強い始値直後から利食いが優勢となり、市場全体が様子見モードへと傾く格好となりました。
BTC、8万2164ドルから8万ドル台前半へ反落

BTC/USDT 1時間足チャート
ビットコインは5月11日に8万2164ドルで取引を開始しました。1月31日以来となる強い始値水準で、週末の地政学リスク後退とドル軟化を背景にリスク資産買い直しの流れがBTCにも波及した形です。
しかし9時台から利益確定売りが厚みを増し、8万971ドル付近まで下押す場面が見られました。5月12日午前11時時点では8万817ドル付近と、始値から1300ドル超の下落幅となっています。下値は8万ドル割れ回避、上値は8万2000ドル再奪回が焦点です。
ETH、2369ドルから2330ドル台へ後退

ETH/USDT 1時間足チャート
イーサリアムは5月11日に2369ドルで始値を付け、年初来の戻り基調を維持する形で取引が始まりました。レイヤー2の利用拡大期待が背景として意識される局面でした。
ただBTCに連れる形で利食い圧力が強まり、9時台には2330ドル台まで後退しています。日中は2339ドル付近への戻りもあったものの勢いを欠き、2400ドル回復が次の節目として意識されます。
XRP、1.50ドル目前で頭打ちとなり1.46ドル台へ

XRP/USDT 1時間足チャート
リップルは5月11日前半に1.45ドルを上抜け、1.50ドルの大台を試す動きとなりました。米現物XRPのETF資金流入観測などが買いを誘った格好です。
しかし1.50ドル手前でベアの抵抗が強まり、1.46〜1.47ドル付近まで切り返されています。CLARITY Actの可決オッズが62%へ低下したことも上値の重しとして意識されました。
米CPIとFRB議長交代を控えた利益確定が市場全体の重しに
5月11〜15日は、市場関係者の間で「2026年で最も重要なマクロウィーク」と位置づけられています。12日に米4月CPI、13日にPPI、14日に小売売上高と、米国の物価・需要動向を測る指標が連続して発表される日程です。
加えて15日にはパウエルFRB議長が退任し、後任にトランプ大統領が指名するケビン・ワーシュ氏を据える上院投票が予定されています。同氏はインフレ抑制のため金利を高めに維持することを志向するタカ派と目されており、リスク資産には逆風として警戒されています。強い始値で迎えた3銘柄に利益確定売りが集中したのも、こうしたマクロ転換点を控えたポジション調整と見られます。
米CPIからパウエル議長交代まで重要イベントが連続
直近で確認されるのは、まず5月12日の米4月CPIです。事前予想を上回れば追加利下げ観測が後退し、新FRB体制下のタカ派バイアスが強化される可能性があります。
14〜15日にはTrump-Xi北京会談と新議長就任を巡る上院投票も控えており、地政学・金融政策の両面で大きな変動材料が連続します。BTCは8万ドル割れ回避、ETHは2400ドル奪回、XRPは1.50ドル突破がそれぞれ次の方向性を示すラインとなります。
