ビットコイン(BTC)は5月7日、8万2000ドル前後で推移しています。直近24時間では1.6%の上昇となり、5月6日には3カ月ぶりの高値となる8万2400ドル付近まで到達しました。
市場でとくに意識されたのは、米イラン間の戦争終結に向けた覚書(MoU)に関する進展報道と、それを受けた原油急落によるリスクオンの広がりです。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間の高値は8万2400ドル付近、安値は8万800ドル付近でした。アジア序盤は8万0900ドル前後で推移していましたが、欧州〜NY午前にかけて買いが強まり、200日EMAが位置する8万2000ドル台まで一気に押し上げられました。
8万2400ドル付近では一旦上値を抑えられ、現在は8万1400〜8万2300ドルのレンジでもみ合っています。下値8万0500〜8万1000ドル、上値8万2300〜8万2400ドルが短期で強く意識される価格帯です。
相場を動かした背景
米イラン戦争終結報道で原油急落、地政学リスク剥落でリスクオン拡大
今回の上昇の引き金となったのは、米国とイラン間で戦争終結を目指す覚書(MoU)に向けた交渉が進展したとの報道です。イラン側は14項目からなる和平案を提示したと伝えられ、WTI原油は1バレル95.28ドルまで6%急落、Nasdaq先物は1%超の上昇となりました。
3月のイラン停戦崩壊以降、ホルムズ海峡周辺の地政学リスクが原油高や実質金利上昇を通じてBTCの上値を抑えてきましたが、その圧力が一時的に後退した格好です。
トランプ大統領が5月3日に発表した「Project Freedom」によってホルムズ海峡で米軍護衛による商船航行が再開されたことも、リスクプレミアム剥落の流れを後押ししました。
テクニカル分析
日足チャート分析

日足は3月以降の下落チャネルを5月5日の終値で抜け出した形となっており、4カ月続いた下降トレンド終了の試金石を迎えています。価格は200日EMAが位置する8万2000ドル台の直下で揉み合っており、ここを終値で明確に上抜ければ中期トレンド転換シグナルとなります。
中長期の上値メドは8万4766ドル、8万9479ドル、心理節目の9万ドル、その先は9万7000ドル付近の本格抵抗帯です。下値メドは8万ドル(21週EMAと心理節目が重なる水準)、その下は7万8932ドル付近となります。
4時間足チャート分析

4時間足では8万0500〜8万2400ドルの狭いレンジで揉み合いが続いていますが、押し目を浅くしながら下値を切り上げており、買い意欲が確認できる状況です。
上方向では8万2400ドル抜けで8万4766ドルが意識されやすく、下方向では8万ドル割れで7万8932ドル方向への戻り売りが入りやすい構図です。
1時間足チャート分析

1時間足は8万0800〜8万2300ドルでの高値もみ合いです。直近24時間で反発したラインは8万0800ドル付近、上値を抑えられたラインは8万2300〜8万2400ドル付近です。短期トレーダーが本日見るべきラインは、上抜け方向では8万2400ドル、下方向では8万ドルの2点となります。
デリバティブ動向
OI・清算動向
4月後半以降、BTCの未決済建玉(OI)は価格上昇を伴って積み上がる展開が続いています。5月6日の8万2000ドル超えでは合計約5460万ドル規模の清算が発生し、うち約6600万ドル相当がショート側に集中しました。
5月4日には24時間で計約3億7000万ドルの清算が発生し、そのうち約3億190万ドルがショートからの焼却です。資金調達率は4月のほぼ全期間でマイナス基調を維持しており、機関投資家のヘッジショートやベーシス取引によるものとみられます。
短期トレード上は、ショート過多とマイナスファンディングが重なる環境では上抜け方向で連鎖清算が起きやすい一方、突発的に8万ドルを割るとレバロングの巻き戻しで下げが拡大しやすい点に注意が必要です。
注目清算ライン

特に意識される清算ラインは、Hyperliquidの大口40倍ショート(想定元本2032万ドル)の8万2236ドル付近です。8万2400ドル超えでこのラインを巻き込むと、連鎖的なショート踏み上げが発生し上方向の値動きを加速させる可能性があります。逆に8万ドル割れでは、5月以降に積み上がったレバロングの解消による下押しを警戒する必要があります。
ETF動向
米現物BTC ETFは5月以降、5月1日+6億3000万ドル、5月4日+5億3240万ドル、5月5日+4億6738万ドルと4営業日連続の流入が続いています。月初からの累計流入は16〜17億ドル規模となり、4月単月の24.4億ドルに続いて5月も力強いスタートを切りました。
総AUMは1000億ドルを突破し、BTC価格の戻りとETF流入の連続日数はほぼ一致しています。需給ベースで上昇を支える主要な原動力として機能している格好です。
本日のデイトレ注目材料
本日(5月7日)の米国市場では、日本時間21時30分に米新規失業保険申請件数とQ1非農業部門労働生産性(速報値)、23時30分にEIA天然ガス在庫が予定されています。市場を一気に動かす一次イベントは見当たらず、メインは引き続き米イラン和平交渉の続報、ホルムズ海峡関連報道、5月6日分の米ETFフロー速報の3点となります。
短期市場テーマとしては、200日EMA8万2000ドル台の攻防が最大の焦点です。上方向では8万2400ドルが日中高値・200日EMAクラスター上限・Hyperliquid大口ショートの清算ライン(8万2236ドル)が重なる強い関門となり、ここを抜ければ8万4766ドル、続いて8万9000〜9万ドルが意識されます。下方向では心理節目の8万ドル、続いて7万8932ドルが第一の防衛線です。
短期トレーダーにとっては、1時間足ベースで8万2400ドル上抜けまたは8万ドル下抜けが確認できるまで、8万0800〜8万2300ドルのレンジ取引が機能しやすい場面となりそうです。
まとめ
BTCは米イラン和平交渉の進展による地政学リスク後退と、米現物ETFの連日流入に支えられて200日EMAの8万2000ドル台を試す段階に入りました。
短期的には、和平報道の続報・ホルムズ海峡情勢・ETFフローの3点を起点に、200日EMAを終値で上抜けできるかが今日のBTC相場における最大の判断ポイントとなりそうです。
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