5月1日8時時点で、ビットコイン(BTC)は7万6528ドル付近で推移しています。前日にかけて一時7万4937ドルまで下落したものの、その後反発し、24時間では約+0.7%の小幅上昇となりました。市場では、4月30日に発表された米Q1 GDPとコアPCEが示す「成長鈍化+インフレ加速」のスタグフレーション的な環境が強く意識されています。
値動きの振り返り
直近24時間のBTCは、7万4937〜7万6528ドルのレンジで推移しました。日本時間4月30日未明のFOMC発表直後に7万6200ドルから7万5000ドル付近まで急落。その後7万5400ドルで下げ止まり、米国株時間帯に入って買い戻しが進みました。日本時間5月1日早朝に7万6528ドルまで回復し、4月月間では約+13%の上昇で着地する見通しです。下値では7万5000ドル付近で買いが入った一方、7万6500〜7万7000ドルでは戻り売りが優勢となっています。
相場を動かした背景
Q1 GDP予想下振れとコアPCE加速、スタグフレーション懸念の浮上
4月30日にBEAが発表したQ1 GDP速報値は年率+2.0%で、前期+0.5%からは回復したものの市場予想+2.3%を下回りました。同時発表の3月コアPCEは前年比+3.2%に加速(2月は+3.0%)、GDP内のPCEデフレーターも+4.5%(前期+2.9%)と急上昇しています
イラン紛争による原油高がエネルギー物価を通じて消費者物価全体に波及した形です。「成長は予想に届かない一方、インフレは加速する」という組み合わせがFRBの利下げ余地をさらに狭め、CME FedWatchでは年内利下げの織り込みがほぼ消失しています。
米30年債利回り5%到達と原油高、リスク資産への逆風
米30年債利回りが5%に到達し、2025年7月以来の高水準となりました。トランプ大統領がイラン港湾封鎖延長を検討との報道でブレント原油は一時125ドル/バレルを超え、リスクフリーで5%の利回りが得られる債券との競合がBTCの上値を抑えています。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足では、4月を通じて約13%上昇し、2025年10月のATH(約12万6000ドル)からの下落トレンドの中で反発局面が続いています。MA50は上昇中で現在価格の下方に位置しており、中期的なサポートとして機能しているとみられます。
一方でMA200は3月末以降下降傾向にあり、価格の上方に位置していることから、中長期的な弱気構造はまだ解消されていません。MA50とMA200の位置関係からは依然としてデッドクロスの状態が続いており、日足レベルでの本格的なトレンド転換には7万8000〜8万ドルの供給ゾーンを明確に上抜ける必要があります。下値メドとしては7万3500ドル、さらにその下の6万8000ドル付近が意識されます。
4時間足チャート分析

4時間足ではEMA50(7万6750ドル付近)が直近のレジスタンスとして機能しており、価格がこのラインに接近するたびに上値を抑えられる展開が続いています。一方でEMA200(7万4150ドル付近)が下方のサポートフロアとなっており、FOMC後の急落時にもこの水準手前で反発が確認されました。現在はこの2本の移動平均線に挟まれたレンジ内での推移が続いており、EMA50を明確に上抜ければ7万8000ドルへの再挑戦が視野に入ります。
逆にEMA200を割り込んだ場合は7万3500ドルまでの下落余地が生まれるため、本日はこのレンジのどちらに抜けるかが中期方向を占うポイントとなります。
1時間足チャート分析

1時間足ではFOMC後の急落で7万4937ドルまで下落した後、反発に転じて7万6500ドル付近まで回復しています。20日移動平均線(7万5827ドル付近)を一時割り込みましたが再び上方に浮上しており、超短期的には回復基調です。
ただし戻りの勢いは鈍く、7万6500ドルを超えた水準では売りが出やすい状況が続いています。短期トレーダーが本日見るべきラインは、下方向が7万5000ドル(割れると3月調整安値からの高値切り上げ構造が崩壊)、上方向が7万8000ドルで、この2つの間でのプライスアクションが方向感を決める展開となりそうです。
デリバティブ動向
OI・清算動向
FOMC後24時間で暗号資産全体の清算額は約5億2810万ドルに達しました。ロング清算が約3億7470万ドル(71%)を占め、ロング偏重の清算が価格を押し下げた形です。BTC単体ではロング7500万ドル、ショート1700万ドルの清算が発生しています。ロング/ショート比率はBTCが0.96とほぼ均衡していますが、ETH・SOLではロング偏重が続いており、下落時のカスケード清算リスクが残っています。
注目清算ライン

上方向の7万8000ドル付近にショート清算が集中しており、突破時にスクイーズによる上昇加速の可能性があります。下方向の7万3500〜7万4000ドルにはロング清算が密集しており、7万5000ドル割れで連鎖清算リスクが高まります。
ETF動向
4月28日に約8968万ドル、29日に約1億3777万ドルの純流出となり、9日連続の流入ストリーク(累計21億ドル超)が途切れました。ただし4月月間では約24.4億ドルの純流入で2025年10月以来の最大月間フローを記録しており、月末の流出はFOMC前の戦術的調整との見方が優勢です。本日以降、流入が再開するかが5月の方向性を占うカギとなります。
本日のデイトレ注目材料
本日の最大の注目はISM製造業PMI(4月)で、日本時間23:00に発表されます。FOMC・GDP・PCE後に出る最初のアクティビティ指標であり、製造業が弱含めばスタグフレーション懸念を強め、予想を上回れば安心感につながります。昨夜発表されたAlphabet・Amazon・Meta・MicrosoftのQ1決算への米国株の反応も地合いを左右する要因です。
上方向の焦点は7万8000ドル、下方向は7万4500〜7万5000ドル。過去のデータではFOMC後48時間以内に安値を形成するパターンが10回中9回確認されており、本日がその最終日にあたります。
まとめ
GDP予想下振れとコアPCE加速の同時発生により、FRBの利下げ期待がさらに後退し、BTCの上値は7万8000ドルの壁に阻まれる構図が続いています。
一方、FOMC後48時間の底形成パターンが本日最終日を迎えること、4月月間のETF流入が24億ドル超と堅調だったこともあり、短期的な反発の余地は残されています。ISM製造業PMIとETFフローの動向を確認しながら、7万5000ドル維持と7万8000ドルトライの攻防を注視する展開です。
