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ビットコイン、46日ぶりのショートスクイーズで7万6000ドル台へ|530億円規模の強制清算で急騰

2026年4月15日 08:56  Arai Yu

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ビットコイン急騰の背景にあった「コイルドスプリング」

ビットコイン(BTC)は4月14日(月)の米国市場時間に一時7万6094ドルまで上昇し、2月5日の急落以来となる4週ぶりの高値を記録しました。現在は7万4290ドル前後で推移しており、24時間騰落率はプラス1.50%です。今回の急騰を単なる地政学的なニュース反応と見ることはできません。

46日間にわたって積み上がっていたショートポジションが、ある価格帯への到達と同時に一斉に崩壊するという、デリバティブ市場特有の構造が価格を押し上げた相場でした。

値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート

直近24時間では、アジア時間の早朝に7万0800ドル前後の安値をつけた後、米国市場の開幕とともに買いが加速。

BTCは3〜4週間にわたって3度の挑戦を退けてきた7万3000ドルの節目を明確に突破し、日中高値の7万6094ドルまで一気に駆け上がりました。その後は7万4000〜7万4500ドル付近まで反落し、現時点でこのレンジでの推移が続いています。

特に注目すべきは、7万2500〜7万3500ドルに密集していたショートポジションです。この価格帯で複数のトレーダーが強気方向への転換を見込まず建てていたポジションが、7万3000ドル突破と同時に連鎖的な強制決済を余儀なくされました。市場が反応した主な価格帯は7万3000ドルと7万6000ドルの2本で、本日もこの2つのラインが相場の焦点になっています。

相場を動かした背景

46日間のマイナス資金調達率が引き起こしたショートスクイーズ

今回の急騰の核心は、6週間以上にわたって積み上がっていたパーペチュアル先物のショートポジションの崩壊です。Binanceのビットコインパーペチュアル先物における資金調達率は、今回の急騰前まで46日間にわたってマイナスが継続していました。これはFTXの崩壊後に記録された最長のマイナス継続期間と並ぶ水準で、市場がいかに慎重に、あるいは弱気に傾いていたかを示しています。

ショートポジションが市場に大量に積み上がった状態は「コイルドスプリング」と称されることがあります。バネが圧縮された状態と同様に、何らかのトリガーで価格が特定水準を突破した瞬間、ショートの強制清算が次の強制清算を呼ぶ連鎖が始まります。今回その引き金となったのがイランとの再協議示唆でしたが、上昇の「エンジン」となったのはあくまでデリバティブ市場の構造的な偏りでした。

CoinGlassのデータによれば、24時間の清算総額は約5億3000万ドルに達し、そのうちおよそ80%(約4億2500万ドル)がショートポジションの強制決済でした。BTC単体では3億1500万ドルのショートが清算されています。また個別では、Binanceのひとつのポジションで840万ドル超の清算が発生しており、清算の規模の大きさが確認できます。

トランプ大統領のイラン再協議示唆によるリスクオン

今回の清算を誘発したトリガーとして機能したのが、トランプ大統領によるイランとの対話再開への前向きな姿勢の表明です。4月7日に成立した2週間の停戦枠組みは4月14日時点でも依然として期限到来前であり、市場は停戦延長か再エスカレーションかを注視していました。この発言を受けてブレント原油は1.3%安の98ドル台まで下落し、S&P 500はイラン紛争後の下落分を全値戻しする展開となりました。リスク資産全般への資金還流がショートスクイーズのスタートラインを引いたとみられます。

BlackRock Q1決算と機関投資家の継続買い

同日にBlackRockが発表した第1四半期決算も、市場のポジティブなムードを支える役割を果たしました。調整後EPSは12.53ドルと市場予想12.06ドルを上回り、現物BTC ETF「IBIT」の第1四半期末AUMは約540億ドルに到達。フィンクCEOが「会社史上最強の年明け」と述べるなど、機関投資家によるBTC需要の堅牢性を改めて示す内容でした。またStrategyは4月13〜14日だけで合計1万268.6 BTC(7651.36+2617.28)を追加取得しており、直近10営業日の累計取得は1万9441 BTCに達しています。継続的な大口現物需要が価格の床を提供し続けていることが、今回の急騰を下支えした構造的な背景のひとつです。

ビットコイン(BTC)テクニカル分析

日足チャート分析

日足では、7万3000ドルのレジスタンスを明確に上抜けしたことで、上昇バイアスが短〜中期でも復活しつつあります。価格はEMA34・EMA89の上方での推移が確認されており、直近の上昇がトレンドとして機能している状況です。

一方で200日単純移動平均線は現在価格の上方に位置しており、アナリストは「SMA200を上抜けるまでは本格的な買いシグナルとは言えない」との見解を示しています。

上値のメドは7万9000ドルおよび8万0000〜8万0600ドルのオプションガンマ集積帯。下値のメドは7万0000〜7万1000ドル帯で、ここが崩れると6万8000〜6万9000ドルが次のサポートゾーンとなります。

4時間足チャート分析

4時間足では、7万2500〜7万3500ドルのショート集積ゾーンを突破した後、アルゴリズム買いとモメンタムフローが重なり7万6094ドルまで一気に押し上げた値動きが読み取れます。

現在はその急騰後の消化局面として7万4000〜7万4500ドルでのレンジ形成が続いています。7万3000ドルが今後サポートとして機能するかどうかが、次の上昇波の起点として機能できるかを判断する鍵になります。

戻り売りより押し目での需要が優勢な状況は続いているとみられますが、7万6000ドルの壁を再び試すには新たな好材料が必要な局面です。

1時間足チャート分析

1時間足では、7万6094ドルの高値をつけた後に7万4000〜7万4500ドルまで反落し、現在はこのレンジで推移しています。短期トレーダーが本日見るべきラインは、下方の7万3000ドルと上方の7万6000ドルの2本です。

7万3000ドルを割り込んだ場合は売り加速のリスクがあり、7万0000〜7万1000ドル帯へのテストが視野に入ります。逆に7万6000ドルを週足で明確に突破した場合は、次の目標として7万9000ドルが意識される可能性があります。

デリバティブ動向

OI・清算動向

今回の急騰局面では、価格上昇とともにOIも増加する動きが確認されており、新規ロングポジションが参入していることを示唆しています。24時間の清算総額は約5億3000万ドルで、そのうち約8割がショートポジションの強制決済でした。

特に清算が集中した12時間では3億7900万ドルが吹き飛び、そのほとんどがショートでした。このショート清算の連鎖が価格上昇を現物需要だけでは到達し得なかった水準まで押し上げた主因です。

短期トレード上の注意点として、今回の清算で偏ったショートポジションは相当程度解消されたとみられます。資金調達率が46日ぶりにプラス転換している可能性があり、ロング偏重の状態に変わっていれば7万4000〜7万6000ドル帯での上値の重さが増すリスクがあります。

注目清算ライン

上方向では8万0000〜8万0600ドル帯にオプションポジションとガンマ集積が確認されており、この水準付近ではマーケットメーカーのヘッジ行動が価格の振れを増幅させる可能性があります。

下方向では7万3000ドルが直近ブレイクアウトの起点として注目される清算ラインとなっており、ここを割れると逆方向(ロングの強制清算)が発動しやすくなる点を警戒すべきです。

ETF動向

4月13日(月)の米現物BTC ETFへのネット流入は3353 BTC(約2億4000〜2億4500万ドル相当)が確認されています。BlackRockのIBITは直近1週間だけで6億1200万ドルの流入を記録し、Q1全体のネット流入は84億ドルに達したと推計されています。

3月に4ヶ月連続の流出を反転させた流れは4月以降も継続しており、機関投資家の継続的な現物買いが7万1000〜7万3000ドル近辺の価格を下支えしていたとみられます。

今回の急騰局面でも停戦に関連した強気材料が確認された翌日に大量流入が記録されるパターンが繰り返されており、ETFフローはBTCの次の日の値動きとおよそ73%の正相関を持つとの分析もあります。

本日のデイトレ注目材料

本日4月15日(水)の経済指標については、当初4月16日(木)に予定されていた米国の3月小売売上高(Advance Retail Sales)が4月21日(火)に延期されたことが公式に確認されています。4月15日に市場を動かし得る高インパクトな米経済指標の発表は現時点では確認できていません。

それよりも本日の市場で最大の注目点は、依然として流動的なイラン情勢です。4月7日に成立した2週間の停戦枠組みは来週(4月21日前後)に期限を迎えます。本日4月15〜17日にかけては停戦第1週の終盤に当たり、市場はホルムズ海峡の封鎖解除や追加の協議进展を待ちながら動く状況が続くとみられます。

停戦延長への期待が後退する発言や事態悪化の報道が出た場合、リスクオフの巻き戻しが急速に進む可能性があります。逆に協議が前進する材料が出れば、7万6000ドルの突破を試す動きが再び強まるとみられます。

短期トレーダーが本日意識すべき価格帯は明確です。上方のカギは7万6000〜7万6094ドルの突破で、ここを週足終値で上回れば7万9000ドルおよび8万0000〜8万0600ドルのガンマ集積帯が次の焦点となります。

下方のカギは7万3000ドルで、ショートスクイーズの起点となったこの水準を割り込んだ場合は7万0000〜7万1000ドルへの下押しを警戒する必要があります。資金調達率がプラスに転じているかどうかの確認も、本日の方向感を見極める上で重要な判断材料となります。

まとめ

ビットコインは46日間という異例の長さで積み上がったショートポジションが一気に解消され、7万3000ドルの壁を突破して4週ぶりの高値7万6094ドルを記録しました。

イラン情勢やBlackRock決算という好材料がトリガーとなりましたが、その価格上昇を増幅させたのはデリバティブ市場の構造的な偏りでした。清算という「エンジン」が一巡した今、本日の相場は7万3000ドルのサポート維持と7万6000ドルの突破という2つのラインを軸に展開します。

イランをめぐるヘッドラインには引き続き注意が必要で、停戦の行方次第で相場の方向性が大きく変わる可能性があります。

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