メタプラネットのSimon Gerovich CEOは4月5日、JPXが暗号資産(仮想通貨)を総資産の50%超保有する企業についてTOPIXなど指数への新規追加を当分見送る方針を示したことを受け、パブリックコメントに参加すると明らかにしました。
JPXは4月3日に算出要領の改定案を公表し、2026年10月の定期リバランスから適用する予定です。暗号資産を財務戦略の中核に据える上場企業と、指数の安定運用を重視する市場インフラの考え方の違いが鮮明になっています。
JPXが公表した改定案では、総資産の50%超を暗号資産で保有する企業を、TOPIXや関連指数の新規構成銘柄に加えない扱いとします。対象は初回としてスタンダード市場とグロース市場の銘柄で、適用は2026年10月のTOPIX定期リバランスを予定しています。すでに指数に組み入れられている銘柄は対象外です。
JPXは見直しの理由として、指数の安定性と、指数に連動する運用商品への影響を挙げました。株価が事業収益よりも暗号資産価格の変動に強く左右される企業が増えると、株式指数としての性格が変わり、連動を目指すファンドの運用にも影響が及びかねないという整理です。
この方針に対し、Gerovich氏はXへの投稿で、「JPXをはじめとする全てのステークホルダーとの建設的な対話を続け、ビットコインおよびメタプラネットが日本の金融の将来において果たし得る役割への理解促進に努めていく」と述べました。
指数採用の可否そのものを争点化するのではなく、暗号資産を保有する企業の位置付けについて市場側と対話を続ける姿勢を示した形です。
メタプラネット、株主21.6万人超とProject Nova推進を表明
メタプラネットは、ビットコインを軸にした財務戦略で知られる企業です。Gerovich氏は同じ投稿で、同社の株主数が21万6000人を超えたと明らかにし、「Project Nova」を通じてビットコインのエコシステム構築を進める考えも示しました。
この点は、同社が単に暗号資産を保有するだけの企業ではなく、日本の投資家にビットコインへのアクセス手段を提供する役割を自社の存在意義として位置付けていることを映します。
現物のビットコインを直接保有するのではなく、上場株式を通じて値動きへのエクスポージャーを取りたい投資家にとって、こうした企業は株式市場と暗号資産市場をつなぐ受け皿になってきました。
一方、JPXの立場は明確です。株式指数は市場全体の値動きを表す基盤であり、特定の資産価格への連動性が極端に高い銘柄を新たに組み入れることには慎重姿勢を取るというものです。個別企業の成長性を否定するというより、指数という公共インフラの設計をどう保つかを優先した判断といえます。
画像:shutterstock
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