今週頭にヨハネスブルクで開催されたブロックチェーンイベントにて、Civic(注.個人認証システムの構築に特化したブロックチェーンカンパニー)のCEO兼共同設立者であるVinny Lingham氏は個人認証と情報保護の観点に着目した上で、再びBTC価格は高騰すると予言しました。
“Chain Reaction”と呼ばれた同イベントはBlockchain Entrepreneurs Club South Africa (BECSA)が主催となって開催され、MoneroメンテナーのRiccardo Spagni氏やLunoの南アフリカ支社長であるMarius Reit氏などが登壇しました。
Lingham氏は主にブロックチェーンプロジェクトの現状や課題、及び暗号資産(仮想通貨)市場全体について言及しました。同氏の意見では、スケーラビリティ問題やユースケースが不足しているということが原因となって、ブロックチェーンテクノロジーはマスアダプションから程遠い状態にあると考えているようです。
ブロックチェーン技術が開発されてから10年近くが立っていますが、未だ黎明期の只中にあると言えるだろう。おそらく暗号資産(仮想通貨)がもっとも利用されているのは取引の場であり、カードゲームの延長線程度の認識しかされていないのは残念だ。
しかし、同氏は今後ユースケースがさらに増えて状況は次第によくなると考えている胸中を明かし、特に暗号資産(仮想通貨)価格に関して、投資家の興味関心が昨年の市場高騰を引き起こした流れを継いで今年はより多くのスタートアップがICOを始めるようになったと考えているようです。その意見を踏まえて市場拡大とユーザーの需要の相関関係に注目し、以下のように述べました。
昨年は投資家が暗号資産(仮想通貨)業界に対して大きな興味を抱く年となったが、サプライチェーンが不十分だった。それに対して現在はICOの供給量が買い手の量よりも多くなっており、BTCを始めとした暗号資産(仮想通貨)の価格が下落している現状もあって、買い手も資金を投入しなくなってるのだ。
さらに同氏は近いうちに暗号資産(仮想通貨)価格が高騰すると考えているところに大きな注目が集まっています。
暗号資産(仮想通貨)の価格あはもうじき上がるだろうと私は考えている。というのも歴史は繰り返すからだ。一度200万円を超えたのだから、今度は1000万円を超えて、私たちの前には新たな暗号資産(仮想通貨)バブルのサイクルが現れるだろう。
これまで3、4回のベアマーケットを目にしてきたが、こうした弱気市場の中では統合が起こり、ビットコインのような高いクオリティーの暗号資産(仮想通貨)が出来上がるようになるのである。
そして、最後に投資家の興味関心が膨らむより前の段階としてBTC価格が高価格で安定し、テクノロジーが成熟した方が長期的な視点から考えた時に市場にとってプラスであると結論付けてスピーチを終えました。
今回登場したLingham氏は実は今注目の暗号資産(仮想通貨)インフルエンサーであり、Civec CEOを務める傍で暗号資産(仮想通貨)関連のプロジェクトにも参加する人物なのです。投資家とCEOという二面性を持っているが故に市場の客観的な分析に定評があり、過去にもBTC価格の高騰予想を的中させています。「彼がいうんだから間違いない」と一概に言うことは難しいですが、全く根拠のないものでもないように考えられるでしょう。
価格の話題の他でも今回のスピーチでテーマに上がった「投資家の興味関心(需要)と市場成熟の前後関係」は今後の発展のためには重要な考えとして押さえておくべきでしょう。
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著者: CoinPartner 編集部 CoinPartner