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イギリスの中央銀行が法定デジタル通貨(CBDC)に関する報告書を発表

2018年5月22日 23:30  7月28日 12:40  【編集長】合原和也

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イングランド銀行が想定する3つのシナリオ

この調査報告書では法定デジタル通貨(CBDC)をCBDCの利用権の範囲に応じて3つのシナリオを立てて53ページに渡って検討しており、その幅は利用権が銀行やノンバンク(銀行や信用金庫と異なり、預金などを受け入れず小口金融を行う金融機関であるnon-bank financial institutions​:NBFIs)に限られたモデルや、各家庭や金融機関ではない各会社が直接的または間接的に利用できるモデルまで様々です。

まず「金融機関アクセスモデル」では利用権限は銀行とノンバンクのみがCBDCを利用でき、金融機関が取引所で直接的に中央銀行とCBDCの購入や売却などのやりとりをできます。また、このモデルでは金融機関は中央銀行が発行した通貨に裏付けされた資産を家庭や企業に提供してはいけないとされています。

次に「エコノミー・ワイドアクセスモデル」では銀行やノンバンクに加えて各家庭や企業もCBDCを利用できる状態を想定しています。このモデルでは、CBDCは経済の全分野で通貨として機能します。中央銀行と直接CBDCのやりとりをできるのは銀行とノンバンクのみに限られますが、この報告書では「家庭や企業もCBDCを預金としてやりとりするためにCBDCの取引所でCBDCを売り買いしなければならない」とされています。

そして最後のモデルでは再びCBDCの利用権は銀行とノンバンクに限られます。このモデルではナローバンク(1986年にブルッキングス研究所のロバートライタンが提案した銀行の業態の概念の1つ。預金を集めて安全な資産で運用して送金や振り込みなどの決済はするが、リスクを伴う貸付業務は行わない)として機能する金融機関が最低1つ存在し、その金融機関が各家庭や企業にCBDCに裏付けられた金融資産を提供することになっています。

そしてこの報告書の注目すべきところは、CBDCに関して何らかのより具体的な決定を下すには更なる調査が必要だとしながらも、CBDCの導入が個人の信用や通貨供給の流動性に悪影響を与えるものだと考える理由は無いとしたところです。

コインパートナーの見解

現在、各国の中央銀行は法定デジタル通貨(CBDC)の導入やCBDCが既存の銀行システムに対して持つ影響に関して研究を進めています。

先週にはノルウェーの中央銀行もCBDCの発行を評価する際に考慮すべき点について調査した報告書を発表しました。またスイスの連邦議会は、独自のデジタル通貨(いわゆる「eフラン」)を導入した時の好影響と悪影響をまとめた報告書を要求しました

現金主義の根強い日本とは異なり、世界的には発展途上国も含めて国家による暗号資産(仮想通貨)の導入の動きが出て来ています。既にICOが行われたベネズエラのペトロをはじめとして、政府が発行する暗号資産(仮想通貨)が広く流通する未来もそう遠いものではないのではないでしょうか?

参考サイト:イングランド銀行の公式サイト

参考記事:Bank of England Issues Working Paper on Central Bank Digital Currencies

参考資料:イングランド銀行総裁のスピーチ