タイ銀行が2022年末までに小売CBDCを試験的に導入、同国の仮想通貨市場に影響は

タイ銀行(BoT)が、CBDCプロジェクトと企業との概念実証の試験的運用に加えて、小売を目的としたCBDC開発の範囲をパイロット段階にまで拡大する意向であることが明らかになった。ここにいういわゆる「リテールCBDC」の適用可能性は、限られた規模で民間部門内において実施される予定だという。

昨日タイ銀行がCBDCに関する発表を行った同行公式サイトでは、主に以下のように説明された。

「BOTは、パイロット段階からの利点、及び関連リスクを適正に評価し、関連ポリシーを策定するとともに、将来的にCBDCの設計を改善します。」

同行が実行するパイロットは、「ファウンデーション・トラック」と「イノベーション・トラック」とのふたつに分かれている。

前者においては、CBDCは現金のような活動、すなわち商品ないしサービスの支払いなど、限定地域と10,000の小売ユーザーの規模で試験される。当該試験には、Bank of AyudhyaSiam Commercial Bank2C2Pの三社が参加しており、これは2022 年末までに開始され、2023 年半ばまで続く予定。

後者においては、CBDC の革新的なユースケース提示に焦点を当てる。民間セ​​クター及び一般市民には、8 5日から915日にかけて開催される「CBDCハッカソン」を通じて、小売CBDCのユースケースを発表する機会が設けられ、選定された参加者らは、経験豊富な金融機関等から個別具体的な指導を受けることができる。

84日、タイ金融規制当局である証券取引委員会は、7月に国内顧客の引出しを停止したシンガポールの取引所Zipmexに関する市場混乱にもかかわらず、4つのデジタル資産オペレーターに営業ライセンスを付与している。強気相場が勢いを増していたこともあり、2021 年初めにタイにおける仮想通貨量は約600%ほど急増していたという過去もあるところ、引き続き同国の動向に注目していきたい。

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この記事は「The Bank of Thailand to pilot Retail CBDC by the end of 2022」を参考にしています。