ベネズエラ首都圏で地下鉄ICカード乗車システムを提供する「Metro deCaracas」が、ビットコイン及び他の仮想通貨での決済・支払いをサポート開始することが明らかになった。先日、「Metro deCaracas」が公式Twitterにて報告している。
「Metro deCaracas」とは、主にベネズエラ首都圏にて活用される地下鉄ICカード乗車券。日本でいうJR東日本が提供する「Suica」と同様のサービスで、国民の経済生活と密接な関係が築かれている。
#ATENCIÓN|| Se informa a nuestros usuarios que desde este #01Marzo se inicia la venta de tarjetas Inteligentes del #CobroDePasajeAutomatizado, adquiérelas en las casetas comerciales de las estaciones#PasajeAutomatizado#PorAmorAlMetro @NicolasMaduro pic.twitter.com/WlhkqGRXWa
— Metro de Caracas (@metro_caracas) February 26, 2021
今回のビットコインへの対応について同社は、「自動料金徴収システム(=sistema de cobro de pasaje automatizado)」と呼ばれる新たな計画の一部だと報告する。
この計画では、交通システムにアクセスして使用するための「スマートカード」の決済・支払い手段が変更され、そのひとつに「ビットコイン及び他の仮想通貨」が実装される形だ。
なお、同カードの支払いに受け入れられる仮想通貨が具体的に何であるかについては明らかとされていない。また、2018年にベネズエラ政府が発行仮想通貨「ペトロ」の活用についても現時点では不明だ。
実は、ベネズエラは仮想通貨への取り組みに積極的である。
2018年には世界初となる国家発行の仮想通貨「ペトロ」を開発した。
そのプロジェクト自体は上手くいかなかったものの、“ビットコイン人気”は非常に根強く、仮想通貨の取り組みは未だ盛んである。
(Source:https://blog.chainalysis.com./reports./venezuela-cryptocurrency-markets-2020)
当時マドゥロ政権は、「国内の7つの仮想通貨取引所に運営許可」を与えた。その主な目的は「ペトロ」を世界の仮想通貨市場へ流通させることだったようだが、これらの取引所での取扱い銘柄は「ペトロ」に限定されることなく、ビットコイン(BTC)をはじめとした主要仮想通貨もふくまれていた。
結果的にベネズエラでのビットコイン人気は急激に上昇。昨年2020年には「ベネズエラが、ウクライナとロシアに次いで、世界で最も仮想通貨の普及率が高い国だ」と報告された。(ブロックチェーン分析会社Chainalysisが掲げる独自の評価基準によるもの。)
また、昨年5月に9度目のデフォルトを記録したアルゼンチンでも国内ビットコイン取引量は爆増。以前報告されたように、昨年6月末から7月にかけてのアルゼンチンでのビットコイン取引量は、「1億100万アルゼンチンペソ(=約1億4000万円相当)」に到達。激しいインフレに起因する経済危機から脱するため、ビットコインなどの仮想通貨に対する需要が高まっていた。
昨今はもっぱら「投機的資産」としても印象が強まっているビットコイン。しかし、それはベネズエラなどの“インフレ国家”に一筋の光をもたらす救世主となる大きな可能性も秘めている。今こそ、ビットコインの“真価”が問われる時代だといえるだろう。
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この記事は、www.criptonoticias.comの「Venezuela: Metro de Caracas aceptará bitcoin y otras criptomonedas.」を参考にして作成されています。
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著者: CoinPartner 編集部 kenta