ビットコイン(BTC)は2026年5月21日 8:00 JST時点で7万7000ドル台前半で推移し、24時間では約0.9%の小幅な上昇となっています。
5月20日のNY時間にはトランプ米大統領が「米イラン交渉は最終段階にある」と発言したことを受けて、原油急落と米長期金利低下を伴うリスクオン的な動きが広がりました。この一連の流れがBTCの戻りを後押しした主軸として、市場で意識されています。
値動きの振り返り

BTC/USDT 30分足チャート
直近24時間の値動きを振り返ると、5月20日に前日急落の余韻が残るなかで7万6000ドル台後半でスタートしました。日中はじり高で推移し、7万7000ドル台へ復帰すると、NY午前にはトランプ大統領の「米イラン交渉は最終段階」発言を受けてリスクオンが強まり、7万7000ドル台後半まで上値を伸ばす場面が見られました。
24時間高値は7万8000ドル付近、安値は7万6300〜7万6500ドル付近で、直近の意識された価格帯は7万6000〜7万8000ドルのレンジに収まっています。
相場を動かした背景
トランプ「米イラン交渉は最終段階」発言で原油急落と金利低下
主役となったのは、5月20日NY午前のトランプ大統領による「米イラン交渉は最終段階にある」との発言です。発言を受けてWTI原油先物は5.66%下落して98.26ドル、ブレント原油も5.63%下落して105.02ドルで引け、いずれも約1カ月ぶりの大幅安となりました。
同時に米長期金利も大きく低下し、米10年債利回りは10bp低下して4.57%、30年債は5.11%まで下げています。原油急落によるインフレ圧力後退と、長期金利低下によるリスク資産への追い風という二つの効果が同時に発生し、株式・債券・暗号資産にまたがるリスクオン的なフローが広がりました。
BTCはこの流れに乗り、7万6000ドル台後半から7万7000ドル台後半まで戻すきっかけとなっています。中東情勢のリスクプレミアム剥落と、利下げ余地の再評価が、BTCの戻りを支えた直接的な背景といえます。
ビットコイン(BTC)テクニカル分析
日足チャート分析

日足は5月18日の急落で7万6270ドル付近まで下押した後、7万6000〜7万8000ドルのレンジで底固めの動きとなっています。MA50(SMA)が7万5199ドル付近、MA200(SMA)が8万1852ドル付近に位置し、現在価格はMA50の上・MA200の下というレンジ的な構造です。中長期の方向感はまだ定まっておらず、上値メドは8万1500ドル付近のMA200、下値メドは4月安値圏に近い7万4200〜7万4500ドル付近となります。
4時間足チャート分析

4時間足は5月18日の下ヒゲ7万6270ドルを起点とした底固めが続いており、7万7000ドル台での揉み合いが目立ちます。戻り高値の7万8000ドル台を超えきれていないため、押し目買いと戻り売りが拮抗する構造です。中期の上値メドは7万8000ドル、その上は7万9500〜8万ドル、下値メドは7万6300ドル、その下は7万5000ドル台前半となります。
1時間足チャート分析

1時間足はトランプ発言を契機に7万7000ドル台後半までいったん上昇した後、FOMC議事録のタカ派色を受けて7万7000ドル台前半でレンジを形成しています。MA50付近で揉み合う展開で、短期トレンドはニュートラル寄りです。短期トレーダーが本日特に見るべきラインは、上抜けで戻り継続の合図となる7万7500ドル、下抜けで7万5000ドル台前半が視野に入る7万6300ドルの二つです。
デリバティブ動向
OI・清算動向
BTC先物のOIは約561億ドルで推移しています。5月18日のフラッシュクラッシュで24時間6.57億ドル超の清算が発生し、うち約89%がロング清算だったことから、過熱したレバレッジロングは一巡しました。直近24時間の清算額は3858万ドル相当へ大幅に縮小しており、ポジション整理が進んで市場が落ち着きつつあることが示唆されます。レバレッジが落ち着いた分、短期的に大規模な連鎖清算が発生するリスクは後退していますが、薄いOIの中ではヘッドラインに反応した荒い値動きが起きやすい点には注意が必要です。
注目清算ライン

上方向は7万9000〜8万ドル付近にショート清算の密集帯があるとみられ、ここを上抜けるとショートカバーで上昇が加速する可能性があります。下方向は7万5000〜7万6000ドルがロング清算ゾーンとなっており、7万6300ドルを明確に割り込むとロング投げが連鎖して7万5000ドル台前半までの下げ余地が意識されやすい構造です。
ETF動向
米現物BTC ETFは流出基調が続いています。直近で確認できる単日の数字は5月18日の6.49億ドル流出で、IBIT単独で4.48億ドルの償還が発生し、これは2026年で2番目に大きい単日流出となりました。週次でも5月11〜15日に約10億ドルの純流出となり、6週連続の純流入が途切れた格好です。機関投資家からの実需が弱まったタイミングと、BTCが7万6000ドル台まで押されたタイミングが重なっており、戻りの上限を作る構造的な要因として意識されています。
本日のデイトレ注目材料
本日は米経済指標と米イラン情勢の続報が短期の主役です。21:30に米新規失業保険申請件数、22:45に米S&P Global PMI速報値、23:00に米中古住宅販売件数が発表されます。指標が強ければドル高・金利上昇でBTCの上値を抑えやすく、弱ければリスクオンが続いてBTCを支える可能性があります。米イラン交渉については関連ヘッドラインがBTCを動かす可能性が高く、警戒が必要です。
上方向の焦点は7万7500ドル奪回で、抜ければ7万8000ドル、その先はMA200付近の8万ドル前後が視野に入ります。下方向の焦点は7万6300ドル割れで、抜ければ7万5000ドル台前半、さらに7万4500ドル付近が次のターゲットです。短期トレーダーが本日特に見るべきラインは7万7500ドルと7万6300ドルの二つに集約されます。
まとめ
本日のBTC相場は、トランプ大統領の「米イラン交渉は最終段階」発言で生まれた地政学リスク後退の流れと、FOMC議事録が再認識させた高金利長期化観測のせめぎ合いが続く構図です。7万7500ドル奪回でレンジ上抜けの試し、7万6300ドル割れでレンジ下抜けの試しという明確な分岐点が設定されているため、米経済指標とイラン関連ヘッドラインを追いながら短期の方向感を見極めたい1日となります。
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