「ついに米SECがビットコインETFを承認されたらしい!」
これにより、ビットコインは最高値730万円を更新しました。
このニュースを受けて、ビットコインETFに興味を持ったのではないでしょうか?
そこで今回は、ビットコインETFについて概要からなぜ注目されているのか、今後の動向まで解説します。
この記事を読めば、「ビットコインETF」についての基礎知識を全て理解できるようになり、小難しいニュースの内容もすらすらと耳に入ってくるようになるでしょう。
ETF(Exchange-Traded Fund)とは上場投資信託のことを指し、その名の通り証券取引所に上場している投資信託のことを言います。
分かりやすく言うと、一般の投資家が自分の資産をプロの投資家に預けて代わりに運用をしてもらうことです。
運用して得た利益は元の投資家に分配されるという、投資信託の上場バージョンというイメージです。
ETF (上場投資信託) |
一般的な投資信託 | |
上場 | している | していない |
購入 価格 |
リアルタイムで変動 | 1日1回算出 |
購入 方法 |
証券取引所で購入 | 郵便局・銀行などの 販売会社を通じて購入 |
売却 可能期間 |
取引所の 営業時間内 |
ファンドによって 制限あり |
ETFは証券取引所に上場するための厳しい審査をクリアする必要があるため、一般的な投資信託と比べて信頼性が高いという特徴があります。
価格や購入方法、売却可能期間にも違いがあり、ETFの方が自由度が高いため流動性も良いです。
投資家の側からしてみるとETFは高い透明性と流動性の担保された投資信託と言うことができます。
ビットコインを対象としたETFのことを「ビットコインETF」と言います。
近年では、金融関係の企業がビットコインETFを米証券取引委員会(SEC)に申請する動きが活発になっています。
そのため、「ビットコインETF」に関するニュースが多く発信されるようになったのですね。
ビットコインETFが承認されると、まず暗号資産(仮想通貨)への信用が高まることが期待されます。
権威のある証券取引所で扱われるということは、ビットコインが正式に「金融商品」と認められたという証になるからです。
現在は、詐欺やハッキングなど様々な被害が報じられ、リスクが高い投機商品として考えている人も多いですが、ビットコインETFが承認されることによって、このような悪いイメージが改善されることに繋がるでしょう。
続いて、ビットコインETFの承認がもたらすインパクトとしては、市場の活性化が挙げられるでしょう。
ビットコインETFが認められビットコインへの信用が高まれば、これまで暗号資産(仮想通貨)単体への投資を懸念していた機関投資家の莫大な資金が流入してくることが予想されます。
投資家から集めた大きなお金を動かすプロの機関投資家たちは、フィデューシャリー・デューティー(個々の投資家たちの信任に応えるという義務)の観点から、安全性に問題のある暗号資産(仮想通貨)への投資は行ってきませんでした。
しかしビットコインETFが承認されれば、暗号資産(仮想通貨)取引の安全性・透明性が高まることで、ビットコインの金融商品としての魅力が高まり、ビットコインへの投資に参入してくるでしょう。
莫大な資金が市場に流入してくれば、ビットコインの価格にも影響する可能性は高いと見られます。
現在日本では、暗号資産(仮想通貨)取引による利益は雑所得として扱われており、最大で利益の45%もの税金を払わなければならない仕組みとなっています。
ところが、ビットコインがETFと見なされるようになると、証券に対する課税と同様になるため税率が約20%程度まで下がることになります。
新規参入のハードルが下がることで、市場にもプラスの影響を与えるのではないでしょうか。
ビットコインETFの問題点
まず、SECはファンドがビットコインに対する公正な価値評価ができないことを非承認の理由として挙げています。
ETFでは、ファンドが総資産額を出すために毎営業日に資産評価を行う必要があります。
しかし、現状では適切な価値設定ができるだけのビットコインの情報やその関連商品の情報が十分にないことが指摘されているのです。
さらに、SECからは暗号資産(仮想通貨)市場の流動性が低いことも問題視されています。
暗号資産(仮想通貨)は非常に新しい市場であり、株などの他の金融商品に比べてまだ取引量が少ないのが現状です。
それに対し、基本的にETFはいつでも売買できるような流動性の高さが特徴として挙げられます。
このようなETFの流動性を担保するには、ビットコインの取引量は少なすぎるというのがSECの見解のようです。
SECのもう一つの懸念点として述べられているのが、暗号資産(仮想通貨)市場は、詐欺や価格操作の影響を受ける危険性が高い、という点です。
暗号資産(仮想通貨)に対する国際的な規制や法整備はまだまだ未発達であり、詐欺の被害なども相次いで発生しています。
このような状況を受けて、ビットコイン現物ETFは未だ未承認となっていると言えるでしょう。
ビットコインETFに関する
ニュース総まとめ
それでは、これまでに起きてきたビットコインETF関連のニュースについて表でおさらいしてみましょう。
日付 | 出来事 |
2017/3 | ・ウィンクルボス兄弟がビットコインETFの上場を申請するも、 SECにより否決 ・SolidX Bitcoin Trustの上場申請が否決 |
2017/4 | ・SECがウィンクルボス兄弟の申請について 再審査を行うことを発表 |
2017/7 | ・LedgerXが米商品先物取引委員会(CFTC)に 暗号資産の先物業者として認可 |
2018/1 | ・SECがビットコインの安全性などへの懸念を書簡で表明 |
2018/7 | ・VanEck・SolidX・CBOEの3社が ビットコインETFを申請 ・SECがウィンクルボス兄弟による ビットコインETFの再申請を拒否 |
2018/9 | ・VanEck版のビットコインETF承認可否判断を12月まで延期 |
2018/12 | ・SECがVanEck版の申請を 翌年2月まで延期(二度目) |
2019/1 | ・ビットワイズ社がビットコインETFを申請 ・CBOE(VanEck版)が申請を取り下げ |
2019/2 | ・VanEck・SolidX・CBOEがビットコインETFを再申請 |
2019/3 | ・SECがビットワイズ・VanEck版の申請の可否判断を5月に延期 |
2019/5 | ・SECがビットワイズ・VanEck版の申請の可否判断を8月に再延期 ・Wilshire Phoenix社がビットコインETFを申請 |
2019/8 | ・SECがビットワイズ・VanEck版の申請の可否判断を 10月に延期 |
2019/9 | ・VanEck版ビットコインETFの申請が取り下げ |
2019/10 | ・SECがビットワイズの申請を非承認 |
2019/11 | ・SECがビットワイズのビットコインETF申請の再審査を発表 |
2019/12 | ・Wilshire Phoenix社の申請に関する可否判断を翌年2月に延期 |
2020/9 | ・世界初のビットコインETFがバミューダ証券取引所で承認 ブラジルのファンド企業Hashdexと米ナスダックが提携し発行。 |
2021/2 | ・2カ国目カナダでビットコインETFがカナダ規制当局から承認 カナダの資産運用会社「パーパス・インベストメント」 |
2021/10 | ・3カ国目アメリカでビットコインETFが米証券取引委員会(SEC)から承認 米大手ETFのプロシェアーズ社のBTC先物ETFがニューヨーク証券取引所Arcaに上場 |
これまでの経緯を見てみると、2019年以前のビットコインETF申請はことごとく非承認とされてきました。
しかし2020年9月にバミューダで世界初のビットコインETFが承認され、2021年にはカナダ・アメリカでもビットコインETFが承認しました。
2020年9月、ブラジルのファンド企業であるHashdexと米ナスダックが提携し発行するビットコインETFが、バミューダ証券取引所に上場することが決まりました。
バミューダ証券取引所は小さな取引所ではありますが、ビットコインが世界に認められるための大きな一歩だと言えます。
BTC価格への影響はあまり見られませんが、正式に取り扱いが始まれば、少しずつ市場に資金が流れ込んでくるでしょう。
2021年2月、北米初となるカナダの投資運用会社「パーパス・インベストメント」のビットコインETFがトロント証券取引所に上場しました。
これにより、カナダは世界で2番目のビットコインETF承認国となりました。
また同年4月中旬にはビットコインだけでなく、イーサリアムのETFも承認されています。
2021年10月、ついにビットコインETFがアメリカで承認され、ビットコインは半年ぶりに最高値730万円を超えました。
これは米大手の資産運用会社プロシェアーズのビットコイン先物ETFが、ニューヨーク証券取引所Arcaに上場し取引が開始したことによるものです。
アメリカでは、2017年からビットコイン上場の申請を行っており、ついに2021年10月に米証券取引委員会(SEC)からの承認を得ました。
今後、米国SECによるビットコイン現物ETFの承認、ビットコインETF承認国の増えた場合、さらなる高騰が期待されています。
ETFとは証券取引所に上場している投資信託のことを指します
一般的な投資信託と比べて厳しい審査を通らなければいけないことから、信頼性が高いとされています。
主に3つの理由があります
これらのことから機関投資家の莫大な資金が流入することが予想され、ビットコインの価格に好影響を与える可能性が高いとされているからです。
2021年10月時点で、バミューダ・カナダ・アメリカの3カ国です
2021年10月、米資産運用会社のビットコイン先物ETFがSECに承認されたことで、BTCの価格に好影響を与えました。
今回はビットコインETFについて解説してきました。
2021年10月のアメリカによるビットコインETF承認で、ビットコインは最高値を更新しました。
今後、ビットコイン現物ETFの承認や承認国が増加すれば、さらにビットコインへの信頼度や期待値が高まり、さらなる価格上昇が期待できます。
長期目線での投資を検討されている方は、今のうちにセキュリティの強い取引所でビットコインを保有しておくのが良いかもしれませんね。
ビットコインの買い時は今!