今日では、ブロックチェーンを使った様々なビジネスが生まれてきています!

その中でも、今注目を集めているのがブロックチェーンをアート業界に取り入れた「スタートバーン株式会社」です!

実は、ブロックチェーンにはアート市場の課題を解決するポテンシャルがあります

今回は、どのような形でブロックチェーンがアート業界で活きるのか、スタートバーンの取り組みとはどんなものなのか、詳しくご紹介します!

アート✖︎ブロックチェーンで社会をより豊かに「スタートバーン株式会社」

スタートバーンとは

スタートバーン株式会社は、ブロックチェーンを用いてアート業界が長年抱えていた課題を解決してより一層豊かな社会を目指している企業です!

2014年に施井泰平氏によって設立されたスタートバーンは、SBIインベストメントや電通、UTEC(東京大学エッジキャピタルパートナーズ)などから累計4.7億円の調達に成功している注目のスタートアップとなっています。

現在、新時代のアート流通・評価のインフラとなる「Startrail」をイーサリアムメインネット上で運営しており、それに紐づく形でICタグで作品を管理する「Startbahn Cert.」などを展開しています。

↓スタートバーンの事業内容はこちらから↓

スタートバーンの展開している事業はこちらから

ブロックチェーンがアート市場にもたらす可能性

ブロックチェーンがアートにもたらす可能性

そもそもなぜブロックチェーンがアート市場に活用できるのか、アート市場が抱える課題を解説します!

またブロックチェーンは、そのアート市場が抱える課題を解決しうるポテンシャルがあるのか説明していきます!

アート市場の現状と課題

アート市場は二次流通の市場規模が非常に大きい

アート市場は、そもそも「プライマリーマーケット」と「セカンダリーマーケット」に分けられます。

  • プライマリーマーケット(一次流通):最初に作品がマーケットで売買される市場
  • セカンダリーマーケット(二次流通):再び売りに出された作品の売買によって成立している市場

現行のアート市場は、セカンダリーマーケットの方がプライマリーマーケットよりも圧倒的に市場規模があります

セカンダリーマーケットでは、プライマリーマーケットよりも作品の数が多いだけでなく、売買される作品単価も高いケースが多くなっています。

例:ジャクソンポロックの「Number 17A」

  • 1948年の売り出された当時:150万円
  • 2015年の取引:226億円(70年で1万倍!!!

アート作品が本物かどうか「真正性」を見極める必要性が非常にある

70年で単価が1万倍になったジャクソンポロックのような、プロダクトの単価が大きく上がるのはアート業界ならではの特徴です。

アート作品にはそのような特徴があるため、その作品が本当に本物なのか、「真正性」を見極める事が非常に大事になります!

来歴がアート作品の価値を高める

ジャクソンポロックの作品のように、アート作品は長年の歴史を経て価値が上昇します。

アート作品は、「来歴」というものによって価値が大きく変動します。

この来歴というのは、「誰々が保有していた」「どこどこの美術館で展示された」「ある批評家がコメントした」などのアート作品の歴史を表します。

もし来歴の記録がきちんと管理されていないと、アート作品に対して正当な価値付けが出来ず、またもし都合の良い来歴を捏造されると不当に価値が上がってしまいます。

真正性と来歴の証明方法が脆弱

アート市場において、「真正性」「来歴」が非常に重要な要素となる事が分かったかと思います!

上記画像のような紙媒体で、現在は作品の価値を証明するものとなっています。

こちらの作品証明書は、標準規格も無く、管理している団体があるわけでも無く、数十億・数百億する作品ですら作者やギャラリー各々が独自の方法で発行・管理をしています。

現行の作品証明は、簡単にコピーや偽造、紛失してしまうこともある、非常に脆弱な仕組みとなっているため真正性が十分に担保できていません

また、オークションハウスが作品を競売に出す際は、「来歴」の調査に数年かかる事もあり、非常にコストがかかっています。

現在流通しているアート作品の50%は贋作!?

作品の価値付けに最も重要な「真正性」「来歴」を残す仕組みが現状のアートマーケットにはありません。

現状はアート作品の価値を毀損しないように、信頼性の高い事業者や個人の方が活躍の機会や権利を得やすい市場になっています。

また、ある調査によると現在流通しているアート作品のおよそ半分の50%が贋作だと報告されています。

アート市場の現状と課題の振り返り

  • 二次流通の市場規模が一次流通よりも圧倒的に大きい
  • アート作品の「真正性」を見極める事が非常に重要
  • 作品の歴史「来歴」が価値付けに大きく影響
  • 現状の「真正性」と「来歴」の証明方法が脆弱なシステム
  • 現在流通しているアート作品の半分は贋作

ブロックチェーンとアート市場の相性は非常に良い!

ブロックチェーンの特徴を簡単におさらい

  • 信頼性を担保できる
  • 情報の改ざんは実質不可能
  • 透明性が高い
  • トランザクションを追える

ブロックチェーンは、上記のような特徴があります。

それぞれの特徴をアートの課題と照らし合わせて考えてみると、信頼性を担保でき情報の改ざんが実質不可能である点は、アート作品の真贋を証明するのに活用できます。

またトランザクションを記録しつつ追う事ができるのは、来歴を詳細に記録しておける事に置き換えることも可能です!

ブロックチェーンの特徴は、アート産業と相性が良いんです!

アート市場でスタートバーンが提供する3つのバリュー

アート市場とブロックチェーンの相性が良いという事が分かったかと思います!

実際にスタートバーンがアート市場でどのようなバリューを発揮しているかをご紹介します!

「Startrail」が恒久的にアート市場の発展を支える

スタートバーンは、ブロックチェーンを用いた「Startrail」というネットワークを提供しています。

このStartrailは、アート作品の証明や来歴の管理などアート業界が抱える課題を解決する新しいアートインフラであり、イーサリアム上で運営されています。

Startrailでは、デジタル証明書を発行、作品の所有権証明、来歴の記録など、既存のアート市場が抱える課題を解決する事ができるようになっています!

Startrailは、あくまでインフラであり、なるべく公共的で中立なネットワークになるように設計・開発が進められています。

このStartrailを通して、スタートバーンは主に3つのバリューを提供します!

「Startrail」を通してスタートバーンが提供する3つのバリュー

  • アート作品の真正性を担保
  • 来歴情報の記録
  • 二次流通の管理

作品の真正性を担保

Startrailのブロックチェーン上で、アート作品の証明書をトークンとして発行する事が出来ます!

従来のアート作品を証明するのには紙の証明書を用いてましたが、Startrailのブロックチェーンネットワーク上の証明書にアップデートする事で、改ざん・偽造する事がほぼ不可能になり、アート作品の真正性を担保する事が出来るようになります!

従来の紙の証明書は、それぞれ規格も異なりコストもかかっていましたが、Startrail上での管理に統一すれば、アート作品の真正性の担保に加えて、証明コストもかなり削減する事が出来ます!

来歴情報の記録

Startrailのブロックチェーン上で管理されるアート作品の証明書には、「いつ・どこで・どんな風に展示やオークションにかけられたか」というトランザクションを記録する事で、来歴の確認も出来ます!

Startrailでは、トレーサビリティの高い来歴情報を提供する事が可能になります!

実際にあるアート作品がいつ、どのような形でアート市場を流通したかを記録・可視化する事で、作品の価値を担保する事が出来ます!

二次流通の管理

Startrailでは、スマートコントラクトを用いる事でそれぞれのアート作品にルールを決めて二次流通を管理する事が出来ます!

「還元金」「著作権」「流通管理」に関するルール設定を作品ごとにする事で、二次流通によって発生する収益を作者に還元する事や作者自身が作品の著作権を管理する事ができるようになります!

現状、アーティストは一次流通である最初の取引でしか利益を得る事が出来ていませんが、説明した通り一次流通よりも二次流通の方が圧倒的に市場規模は大きいです。

Startrailを使い、還元金のルールを設定することで、作家にとって追加の収益源を生むことができます!

 

「Startbahn Cert.」:ICタグで実物のアート作品を管理する

アート作品の取引は、現状オフラインで行われる事の方が多く、スタートバーンはリアルアートを管理するために「Startbahn Cert.」というサービスも展開しています!

Startbahn Cert.は、下記画像のようなICタグを使って実物のアート作品をブロックチェーン上で管理するための証明書を発行・管理できるサービスです!

ICタグには、「シールタイプ」と「カードタイプ」の2種類があり、作品の情報が紐づいています。

ICタグをスマートフォン等で読み込む事で、アート作品の所有者は、ブロックチェーン証明書の情報を閲覧する事が出来ます!

3ヶ月で約5000枚ほど発行されたこのCert.は、Startrailのネットワークに紐づいて実物のアートをICタグによって管理・保有する事が出来るようになります!

スタートバーンの今後の取り組みと目指す世界観

スタートバーンの直近と今後の取り組み

現在のスタートバーンの注力しているポイントは、ICタグのStartbahn Cert.によってリアルなアート作品の管理や信用担保に対するソリューションを伸ばしていく事です!

また、今後はデジタルの作品が増えてくるため、漫画などのいわゆるデジタルコンテンツ全般もStartrailで管理が可能な対象になってくるようです。

ただ、デジタルなデータはその特性上、複製する事が容易で希少性の担保をする事が難しいです。その為、ブロックチェーンを使って誰がデジタルコンテンツの権利を保有しているかという事を明らかにするのは、リアルアートよりも需要が大きくなると見ているようです。

それを踏まえて、現状リアル作品の所有権を管理している「Startrail」は、その延長線上としてデジタルアートの著作権や版権まで管理できるように設計開発を進められています。

スタートバーンが描く世界観

美術館に展示されるような伝統的なアート作品のみならず、いずれは様々なコンテンツ全般をStartrailで管理できるようになるかと思います。

現代ではアートとして認められている浮世絵も、昔はアート作品として捉われておらず、時代が経ってからアートとして認められるようになってきました。

将来アートとして認められるようになるコンテンツ、例えばVR上でのデジタルアート作品などが、Startrail上でちゃんと管理する事で、価値が担保されるような世界をスタートバーンはイメージしています。

Startrailの今後

イーサリアムのメインネット上で運営されているStartrailは、現在はスタートバーン1社によって運営されていますが、ゆくゆくはスタートバーンから切り離しての運営を考えているようです。

アート作品に関する情報を記録・管理するための信頼できるシステムとして、Startrailが利用されるためには、とにかく中立性や公共性が非常に重要になってきます。

ゆくゆくは、Startrailをコンソーシアム型の運営で進めていくようです!

スタートバーンが提携している企業とそれによって出来る事

スタートバーンは、市場規模拡大のためにもシナジーのある企業と提携を結んでいます。

その中でも興味深い提携先とそれによって可能になる事をご紹介します!

スタートバーンの共同事業について公式サイトで詳細を見る

【✖︎Maecenas】アート作品を分割所有できる

2019年10月にパートナーシップを結んだMaecenas(マエセナス)は、アジアを中心にアート作品の分割所有権をブロックチェーン上で取引するサービスを展開しています。

MaecenasとStartrailが接続される事で、Maecenasで発行される分割所有権トークンが、Startrail上の情報と紐づき、アート投資家に対して新たな形で信頼性を提供することが出来ます

【✖︎ワコム】デジタルアートを所有する

2019年11月に提携を結んだ株式会社ワコムは、ペンタブレット製品を行っており、全世界150ヵ国以上の国と地域で多くの方から愛用されています。

ペンタブレットによって作成されるデジタルアートコンテンツは、データの複製が容易である為、真正性と唯一性を担保して、アート市場にて二次流通させることは難しいです。

そこで、Startrailと連携しブロックチェーン上で証明書を発行することで、流通や著作権管理をする事が可能になります。

これによって、クリエイターが自身の作品に関する権利を明らかにして、二次流通市場で発生した還元金を収益源とすることが可能になります!

また、作品自体に正式な作者が作成したものだという証拠が残る為、コレクターは「デジタルアートを所有する」ような感覚を味わう事も出来ます!

スタートバーンのその他の提携・パートナー一覧

その他の提携・パートナーに関しては以下の通りです!

こちらも全てではなく、今後も順次提携が公開される予定です!

タイトル

  • SBIアートオークション株式会社
  • 株式会社電通
  • 株式会社丹青社
  • 株式会社TAGBOAT
  • SMADONA株式会社
  • 株式会社ワコム
  • 美術出版社
  • 東方文化支援財団
  • 株式会社電通国際情報サービス
  • 今後も順次公開!!!

 

アート✖︎ブロックチェーン まとめ

ブロックチェーンをアート業界に取り入れたスタートバーンについて紹介してきました!

CoinPartner編集部としても、ブロックチェーンとアートの親和性の高さを感じ、改めてブロックチェーンに可能性を感じました

最近では数多くのブロックチェーンビジネスがある中、ここまでブロックチェーンを上手く既存業界に融合させる事が出来ている企業はほとんどいないです!

アート業界に携わる全ての人が必要とする技術を提供し、より豊かな社会の実現を目指す「スタートバーン」はこれからも大注目です!

会社名 スタートバーン株式会社 (Startbahn,Inc.)
設立 2014年3月26日
代表 施井泰平
資本金 4.76億円
所在地 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟255
HP https://startbahn.jp/