「ソフトフォークって一体何なんだろう。。。」
暗号資産(仮想通貨)の専門用語って分かりにくいですよね。
暗号資産(仮想通貨)やビットコインについて調べているとよく目にするソフトフォークが何なのか、気になっている方は多いと思います。
そこで今回は、ソフトフォークとは何なのか、仕組みやメリット・デメリットについて解説していきます!
これを読めば、ソフトフォークについて仕組みを理解することができ、暗号資産(仮想通貨)についてさらに詳しくなれるでしょう。
目次
ソフトフォークとは、ブロックの検証規則を新しくするときに起こるフォーク(分岐)のうち、旧検証規則によって新しいブロックも認証可能なため、新検証規則に基づいて認証されたブロックが今までのブロックチェーンに繋がるようなフォークのことです。
よく言ってる意味がわからないという方、これで分かるほうがすごいです。
ソフトフォークは、それとは対になる概念であるハードフォークと比較することによって初めてその意味が分かってきます。
難しく考えずに、ゆっくりと読み進めていきましょう!
また、ソフトフォークを理解するためには、ブロックチェーン技術についての基礎知識が必要です。
こちらの記事を参考にして、暗号資産(仮想通貨)に欠かせない技術であるブロックチェーンについて学んでいきましょう!
違いは大きく分けて2つ
ソフトフォークとハードフォークの違いはセットで理解してしまいましょう!
①は簡単な説明で、②は①の違いの背景となるもう少し本質的な説明になっています。
ささっと読みたい方は①だけを読めば十分です。
ブロックチェーンの分岐は自然に起きてしまうことが時々あります。
ブロックチェーンではそういった分岐が起こってもまた一本のチェーンに収束するようにするために、一番長いチェーンを正しいチェーンとするという規則が定められています。
これによって、ソフトフォークの場合は分岐が起こってもしばらくするとまた一本に収束します。新しい検証規則で承認されてできたチェーンと古い規則で承認されてできたチェーンの二本がはじめはできてしまいますが、新しい検証規則を採用する人が多数派であれば、新しいチェーンの方が長くなっていき、古い検証規則で認証されたチェーンは間違ったチェーンとして判断され、ブロックがそれ以降続いていくことはありません。
一方、ハードフォークの場合は永久的に分岐が起こったままです。
新しい検証規則によってできたチェーンは元のチェーンとは独立しているので、新しい通貨の誕生を意味します。
①のまとめ
ブロックチェーンの分岐が永久的に起こるか起こらないかの違いはどういった違いに起因するのでしょうか。
古い検証規則が新しい規則にしたがったブロック(検証規則変更後のもの)を認証できるのがソフトフォーク、できないのがハードフォークになります。
これは新しい検証規則が古い検証規則と比べたときにどちらの方が厳しい条件になっているかという違いと同じです。
これでもまだ分かりにくいので具体例を見ていきましょう。
【パターンA】
「トランザクション(取引)1つあたりのデータの上限を今までの半分にする、という変更がなされた」今までは「1つのトランザクションのデータは2KBを上限とする」と決まっていたとしましょう。それが、新しい検証規則では、「1つのトランザクションのデータは1KBを上限とする」というものに書き換えられたとします。
この場合、新しい規則に従ったトランザクションは当然古い検証規則も満たしているので、新しい検証規則でも古い検証規則でも認証できることになります。
そのため、今までのブロックチェーンに新しい検証規則によって認証されたブロックと古い検証規則によって認証されたブロックが連なっていくことになり、分岐が起こります。
ここで大事なのは、新しい検証規則の方がより厳しい条件になっているということです。
この場合がソフトフォークです。
【パターンB】
「1つのブロックの容量の上限を今までの2倍にする、という変更がなされた」今までは「1つのブロックの容量の上限は1MBとする」と決まっていたとしましょう。それが、新しい検証規則では、「1つのブロックの上限は2MBとする」というものに書き換えられたとします。
この場合、例えば2MBのブロックは新しい規則に従っていますが、古い検証規則を満たしません。
つまり、新しい検証規則によって認証されたブロックは今までのブロックチェーンとは全く関係のないブロックとして生成されてしまいます。このようにして、今までのブロックチェーンに連なることなく分岐が起こります。
パターンAとは異なり、新しい検証規則の方がより緩い条件になっているわけです。
この場合がハードフォークになります。
②のまとめ
ハードフォークのさらに詳しい解説はこちらの記事をご覧ください。
ソフトフォークの3つのメリット
ハードフォークでは、チェーンが分裂し新しい暗号資産(仮想通貨)が誕生するため、それに伴う混乱が少なからず発生してしまいます。
一方で、ソフトフォークは新しい検証規則による分岐は起きますが、やがて一つのチェーンに収束します。
ソフトフォークは、暗号資産(仮想通貨)の利用者の混乱が少なく、その上、性能を向上させることが可能ということです。
ソフトフォークはブロックチェーンの性能を向上させるものですが、具体的には、セキュリティや取引速度をパワーアップする場合が多いです。
ハードフォークと比べると改善の幅には限界がありますが、その分、互換性を保ったまま性能を引き上げることが可能となっています。
ソフトフォークでは、暗号資産(仮想通貨)のセキュリティや取引速度が改善されるため、ソフトフォーク後の通貨は需要が高まりやすいです。
暗号資産(仮想通貨)に少し詳しいトレーダーなら、ソフトフォークによる価格上昇を狙って投資することは基本中の基本でしょう。
ただし、現状としては、暗号資産(仮想通貨)は投機対象としての見方が強いため、ソフトフォーク後は売り圧力が強まりやすいという傾向があります。
ソフトフォークの2つのデメリット
先ほど、ソフトフォークはハードフォークよりも混乱が少ないことをメリットとしてあげましたが、ソフトフォークによる混乱も全く起こらないわけではありません。
もし、自分の所持していた暗号資産(仮想通貨)でソフトフォークが行われた際には、何がどのように変更されたのかを十分に知っておく必要があるでしょう。
暗号資産(仮想通貨)は特定の管理者が存在しない「非中央集権」的なシステムとして有名ですが、ソフトフォークは自動で行われるものではなく、あくまでも人間が実行するものです。
そのため、ソフトフォーク後に思わぬバグが発生してしまう可能性があります。
最悪の場合、暗号資産(仮想通貨)そのものが消失してしまう可能性もゼロではありますから、ソフトフォーク後にすぐ取引するのはなるべく避けるのが良いでしょう。
ビットコインでは利用者の増加に伴い、1ブロックに書き込めるトランザクション(取引)の数が少なすぎることが長い間問題になっていました。
これをスケーラビリティ問題といいますが、これを解決するためにソフトフォークを行うか、ハードフォークを行うかで揉めていた過去があります。
ソフトフォーク派はSegwitという技術を導入して、1つのトランザクションのデータのサイズを小さくすることで、1ブロックあたりのトランザクションの数を増やそうとしました。
ハードフォーク派はトランザクションのデータサイズはそのままにして、1ブロックの容量を大きくすることによって解決しようとしました。
この論争は非常に話題になりましたが、結局どのような結論に落ち着いたのでしょうか。
まず最初にハードフォーク、すなわち通貨の分裂が起こり、ビットコインキャッシュ(BCH)という新たな暗号資産(仮想通貨)が誕生しました。ビットコインでは1ブロックの容量が1MBだったものを、ビットコインキャッシュでは8MBまで引き上げられました。
そもそもハードフォーク派の人達はSegwitが実装されてしまうとASICBoostというマイニングを効率的に行える技術が使えなくなってしまうことを嫌っていました。ビットコインキャッシュではSegwitの導入はされていないので、ハードフォーク派の人達が願っていた暗号資産(仮想通貨)だと言えます。
ビットコインキャッシュの特徴や、ビットコインとの違いを知りたい方はこちら!
結局ビットコインにSegwitは導入されなかったのか….と思いきや、ハードフォークから数日後にロックイン(導入決定)され、その後アクティベート(導入)されました。
これにより、ビットコインのブロック容量は約1.7MBまで拡大しました。
その後、ビットコインのフォークは一度も行われていません。
Segwitについて詳しく知りたい方はこちら!
ビットコインを語る上で外せないsegwit。技術的な話でよくわからない、色々な専門用語が出てきてよくわからない、そんなことを思っているあなた!コインパートナーがsegwitを砕いてわかりやすく説明します!知っておくべき用語の1つなので必見!!
ビットコインの分裂騒動の詳細はこちら!
今までにどのようなソフトフォークが実際に起こったことがあるのでしょうか。
ソフトフォークによって実装された技術について見ていきましょう。
ビットコインには2014年4月1日にP2SH(Pay to Script Hash)というものがソフトフォークによって導入されました。
P2SHというのは、ビットコインを"受け取りたい人"があらかじめ専用のアドレスを生成し、それを自らが指定した"送る人"に渡して取引をするシステムのことです。
これによってセキュリティを強化しています。
P2SHを理解するには、マルチシグというシステムについてまず知っておきましょう。
Segwitは、取引データを圧縮することで、一つのブロックに記録できるデータを増やす仕組みのことです。
あくまでも、一つにブロックに含むデータの量を調整しているため、ブロックのサイズが拡大しているわけではありません。
ビットコインにSegwitが導入されたことはすでに述べましたが、モナコインやライトコインなどの他の暗号資産(仮想通貨)でもソフトフォークによってSegwitが導入されています。
そのため、ビットコイン以外の暗号資産(仮想通貨)にも将来性が高いものが数多く存在します。
こちらの記事では、数ある暗号資産(仮想通貨)の中から特におすすめのものをピックアップして紹介しています。
現在ビットコインでは、シュノア署名とタップルートというシステムの導入が検討されています。
シュノア署名:単独の受信者の場合、全てのトランザクションの署名を一つにまとめることが可能で、署名データサイズを削減できる技術。特許の失効を受け、ビットコイン導入検討が提案されている。
タップルート:ブロックチェーン上における全トランザクションの見え方を均一にし、区別できないようにしてプライバシーを強化する技術。2018年1月にビットコインコア開発者Greg Maxwell氏が提唱した。
引用:CoinPost
どちらもビットコインを利用する上でのプライバシーを強化する内容となっています。
ただし、このアップデートはまだ多くの専門家たちによって問題がないかを審査されている状態であるため、必ずしも実装されると断言することはできません。
最新の関連ニュースにアンテナを立てておく必要があります。
シュノア署名の詳しい解説はこちら!
ソフトフォークが起こるというニュースが出た際にどのような価格変動が起こるのか、というのは気になるところでしょう。
基本的にソフトフォークは新しい技術の導入を意味するので、その通貨への期待が高まり、価格が上昇することが多いです。
たとえば、Segwitを導入することが決定した2017年4月にはモナコインが高騰しています。
ただ、先ほど紹介したビットコインのソフトフォーク・ハードフォーク問題のように不安定な状態になると価格は当然下落します。
それでも、ビットコインもSegwitの導入が決定されたあとは高騰しました。
暗号資産(仮想通貨)を手に入れるには取引所を利用するのが一番でしょう。
国内取引所なら【Coincheck】がおすすめです。
Coincheckは国内最多の11種類の通貨に対応しています。
今後ソフトフォークが起こる予定のビットコインやネムも購入することが可能です。
Coincheckなら、ソフトフォーク前の通貨にすぐさま投資して、利益を狙うことができるでしょう。
Coincheckの特徴を網羅して紹介している記事はこちら!
ソフトフォークは新しい技術の導入に伴うブロックチェーンの分岐のことです。
ソフトフォークが決定されると利便性の向上、バグの改善などの期待の高まりによって価格が高騰しやすくなります。
ソフトフォーク後に致命的な欠陥が見つかって大暴落するという可能性は否定しきれませんが、基本的には「ソフトフォークによる新技術の導入が決定されたらその通貨の買い時」と考えてよいでしょう。
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