暗号資産(仮想通貨)の根幹を担うブロックチェーン技術。

今日では暗号資産(仮想通貨)以外の様々な場面でブロックチェーンは使われるようになっています。

実は、自律移動で荷物を届けてくれる自動宅配ロボットにブロックチェーンが活用されています

今回は、株式会社ZMPさんに「ブロックチェーン✖︎ロボット✖︎物流」というテーマでお話を聞いて来ました。

ZMPさんのブロックチェーンを活用したサービスのみならずブロックチェーンや物流・宅配業界に対する見解など興味深いお話を紹介します!

宅配ロボットCarriRo Deli

CarriRo Deliとはどんなロボットですか??

CarriRo deliは、荷物を詰めるボックスを搭載し、自動運転で荷物を届ける宅配ロボットです。

カメラやレーザーセンサーなどを使い周囲360度を認識しながら最大時速6kmで自律走行します。運ぶ荷物の大きさや形状に応じて、3つのボックスタイプでの選択が可能、最大50kgまで運ぶことが出来ます

宅配サービスを実現するため自律移動可能なロボット、ユーザー用・店舗用アプリ、ITサービスをパッケージ化して提供、CarriRo Deliによる宅配サービスの実用化を目指す「パートナー商用プログラム」も開始しています。

自動運転技術は「開発から使う時代」へ、これからの新しい産業の創出、地域振興に活用し、世の中を便利にするフェーズへと移行しています

 

慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス内での実証実験について教えてください。

2019年1月21日から31日の期間に、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)内にてコンビニエンスストア:ローソンの商品をCarriRo Deliにて配送するという実証実験を実施しました

利用者は、スマホに専用のアプリをダウンロードし、ローソンの弁当や飲み物、スイーツなどを注文します。キャンパス内に設置された仮店舗から指定の配達地点(8箇所)に指定の時間にCarriRo Deliが運びます。注文者にはQRコードが発行され、コードをロボットのカメラにかざすことで商品が入ったロッカーが開くという仕組みになっています。

これらのサービスは、ZMPが開発したクラウドサービスROBO-HIを用いて実現しています。

 

CarriRo Deliのような自動配送ロボットでコンビニ商品をお届けし、商品の売買が発生する無人配送の実証実験は世界でも初の試みとなりました。

 

実証実験を慶應大学のSFCキャンパスで行ったのには何か特別な理由がありますか?

SFCキャンパス内で実証実験を行なったのにはいくつか理由があります。

そもそも公道では実験をすることが出来ないので私有地でなければならなかったということ。また、同じ課題認識を持っていたということがあります。

また、何よりニーズがありました。

SFCキャンパス内は立地の特性上周りに飲食店が多くなく、またキャンパス内にても食事を取れるところが多くはありませんでした。敷地内の食環境をより良くするという目的もありCarriRo Deliが用いられました。Youtubeの動画内に出てきているように時間を上手く活用するためにも自動で食事を届けてくれるロボットにはニーズがありました

 

実証実験は成功でしたかそれともあまり上手くいきませんでしたか?

端的に言って、SFCキャンパス内での実験は大成功でした。

期間や商品が限られていて限定的なものではありましたが、利用者からの評判はとても良いものでした。

「とても便利だった!」「見た目が可愛い!」「コミュニケーションが取れるのはすごい」と言ったポジティブな声が多くありました。

SFCでの実証実験を通して何か発見がありましたら教えてください。

発見としては、どのような時間の設定だとユーザーが心地よく感じるかということがありました。早く所定の位置に着きすぎても、遅れても良くないため、ユーザーがこのサービスを通しての体験に対してどのように感じるかについてはより知ることが出来ました。

今後は期間・商品を拡充して、無人配達だからこそ売れる商品などのことを実証実験を通して発見することが出来たら面白そうです。

 

ブロックチェーンの活用について教えてください。

今回の宅配ロボットの実証実験において、ブロックチェーン技術を活用しました。配達サービスにおける『注文完了』『商品積込み完了』『配送完了』『受取完了』といった各ステップについて、それらの出来事を順次ブロックチェーンに記帳していき、ダッシュボードにて可視化しています。

配達の行動を強力な暗号化を行いブロックチェーンに記録していくことで、記録内容の改変は実質不可能となります。

配達が適切な状態で行われたかどうかを示すことで、配達サービスの信頼性・透明性向上に繋がります。

 

なぜブロックチェーンを配達宅配ロボットによるサービスに組み込もうと思ったのか

ブロックチェーンに注目した背景を教えてください。

ZMPがブロックチェーンをまず知ったのは、多くの人と同じようにビットコインという暗号資産(仮想通貨)の誕生によるニュースでした。

モノをお客様の元へ届けるには、多くのオペレーションと人手が必要です。注文を管理するヒト、在庫を操作するヒト、配達を担当するヒトなど、多くのヒトが作業に関わるため、どのオペレーションにおいても、ミスが起こりえます。

ブロックチェーンが持つ「透明性の高さ」「改ざんへの強さ」「強力な暗号化」といった特性は、多くの人が一つの荷物に関わっていく物流業界とマッチするのではないかと思いました。

ブロックチェーンを使うことにより、強力な暗号化とデータの改変が不可となり、また改変されていないかどうかの監査が可能となります。これらにより、信頼性の高い配達サービスが可能となると考えます。

普通の配送システムで充分と言う方もいるかとは思いますが、ブロックチェーンを使うことによる安全性・透明性・信頼性を担保できるということを求める企業もいます

そのようなニーズに応えることを目指し、宅配ロボットのサービス実証実験にブロックチェーンを組み込みました。

 

現在の物流・配達業界が抱える課題はなんですか?

現在の物流・配達業界自体が抱える課題は大きく分けて3つあります。

まずは、人手不足

少子高齢化もあり、働き手が少なくなっていく昨今、Amazonなどのインターネットショッピングもあり、配達業界は慢性的な人手不足となっています。

人手不足というデメリットも見方を変えると、あるニーズが見えて来ます。それは「配達を代わりに行ってくれるロボット」です。配達業界の課題から来るニーズはCarriRo Deliで満たし、課題解決にも繋がりそうです。

 

2つ目に、法整備

現状の日本では、人間がいなくて自動で動いていくロボットは公道や歩道を走ることを禁じられています。

CarriRo Deliのような完全自律運転ロボットは公道で実験をすることができません。現状では私有地のみでの実験となっており、ラストワンマイルの問題などを解決するために今後世間で普及するためにはまず法律の整備が必要となっています。

 

そして最後に、社会的受容性の問題です。

法整備と少し似通っている部分がありますが、CarriRo Deliのようなロボットが人々に受け入れてもらえるか、拒絶されないかというのが課題として挙げられています。

この問題を解決するためにこそ、CarriRo Deliは目と声で周りとコミュニケーションを取れるような機能がついています

人々に受け入られるかどうかは、ロボットの機能の方で解決することが可能のように思われます。

 

おわりに

ブロックチェーンを自動配達ロボットのサービスに組み込んでいる株式会社ZMPに話を色々と聞かせていただきました。

CoinPartner編集部として、ブロックチェーンという技術のポテンシャルの高さに改めて気づかされました。また、CarriRo Deliのような宅配ロボットは非常に便利なので是非利用したいと強く思いました。

今回のZMPさんの取り組みを聞き、ますますブロックチェーンを活用した様々な製品やサービスが誕生することに期待するようになりました。

株式会社ZMPの概要

「Robot of Everythingヒトとモノの移動を自由にし、楽しく便利なライフスタイルを創造する」 というミッションのもと、①RoboCar®&センサーイノベーションは人の移動を担うRoboCar®シリーズとRoboVision®他各種センサー、②CarriRo®クリエーションはモノの移動を担う物流支援ロボットCarriRo®、無人フォークリフトCarriRo® Forkおよび宅配ロボットCarriRo®Deli、③IZAC®レボリューションは、自律移動技術でお客様の事業へ革新をもたらすサービス、④RoboTest®ソリューションは、走行テスト・データ取得および解析サービスを提供いたします。

2020年の人とモノの移動の無人運転化レベル4の実現に向け実証実験を重ねています。宅配ロボットCarriRo® Deli、移動のパートナーRobocar® Walkは、量産化へ向けた事業パートナーの募集を開始しております。ZMPはこれからも世の中に感動を与える製品やサービスを提供してまいります。

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