「ライトニングネットワークってなに?」
と思っている方も多いかと思います。
ライトニングネットワークは、ビットコインのスケーラビリティ問題を解決するかもしれない画期的な技術です。
この記事では、ライトニングネットワークの仕組みやメリット、デメリットなど詳しく解説しています。
ライトニングネットワークを簡単に説明すると…
ライトニングネットワークとは、マイクロペイメントを可能にした技術です。
マイクロペイメントとは少額の支払いを可能にする送金システムで、少ない手数料で送金することができます。
ライトニングネットワークの導入に必要なSegwitがビットコインに実装されたことによって、ライトニングネットワークの実現性が高まったと話題になりました。
高い手数料、スケーラビリティなどの問題を持ったビットコインの弱点を解決する可能性を秘めた技術です。
マイクロペイメントとは、少額の決済が可能になるサービスです。今まで少額の決済をするのに手数料が決済価格よりも大きいなど、現実的ではありませんでした。今後暗号資産(仮想通貨)を使って可能になる可能性があるマイクロペイメントの仕組みや将来性を解説します!
ライトニングネットワークはペイメントチャネルを応用した技術です。
なのでまず、ペイメントチャンネルについて解説します。
ペイメントチャネルとは、ブロックチェーンの外の取引で行うオフチェーンを用いて少額の決済を可能にした技術です。
例えば、AとBが3BTCずつ所持しており、合計で6BTCを二人で管理するペイメントチャンネルを開くとします。
AとBが複数回取引を行ったとします。
通常であればその取引の回数分、トランザクションを処理する必要があります。
しかしペインチャンネルを利用し、チャンネルを閉じる時の最終的な配分のみブロックチェーンに記録することで、トランザクションを減らすことができます。
ペイメントチャネルは便利に見えますが、相手ごとに別々のチャネルを作らなければならないという欠点があります。
通常のペイメントチャンネルではAさんがCさんに送るためにはA-Cのチャネルを作らなければいけません。
しかし、もしすでにA-B, B-Cのチャネルが開いていれば、Bを中継の人としてA-Cまで送金することができます。
ライトニングネットワークはこれを同時にネットワーク上で何百、何千単位の人数でやることで、中継の人を知らなくても無駄なトランザクションを減らし、より効率的に取引するシステムです。
しかしこの場合、取引の第三者であるBは不正を行い、簡単にビットコインを得ることができてしまいます。
そこでオフチェーン上での支払いをトラストレスで行うために、ライトニングネットワークではHTLCという仕組みを使っています。
この仕組みではトランザクション内にハッシュを入れていて、Cさんだけがロックを解除できるようになっています。
そのため、Bさんはロックを解除してビットコインを使うことが出来ず、Bさんを信頼しなくても送金が可能です。
ライトニングネットワークはオフチェーンであるため、少額でのマイクロペイメントが可能です。
取引の回数が減るので、マイナーに対して支払う手数料が減ります。
またトランザクションがオフチェーンで行われるので、トランザクションの承認が早くなります。
ブロックチェーンの外で取引を記録するためには第三者が必要です。
第三者がビットコインを預かって他の人に送ってもらうといった方法をとるしかなく、第三者への信頼が必要でした。
しかしライトニングネットワークでは、第三者を信頼する必要がなく、中継者の不正の心配はいりません。
ライトニングネットワークのシステム自体は分散的だが、中央集権型ビジネスモデルもできかねないです。
ライトニングネットワークが成立するためには中継の人が定期的に大きな額をネットワーク上にデポジットし続けなければなりません。
これができる個人は少なく、中継役にデポジットを多く所持した仲介者が利用される頻度が高くなります。
そのため政府や銀行など資金力がある組織が仲介者として参入し、中央集権になってしまう可能性があります。
ライトニングネットワークでは、オフチェーンのトランザクションのやりとりが常にあるため、ホットウォレット化してしまう可能性があります。
ホットウォレットとは常にネットワークにウォレットが繋がっている状態のウォレットのことです。
手軽に引き出せるというメリットはありますがこれによりハッカーから襲われる可能性が高くなります。
また、安全性の高いライトニングネットワークに対応したウォレットが開発されるのか明らかにされていません。
ライトニングネットワークまとめ
ライトニングネットワークはビットコインが実用的な決済手段となること目指す上で、非常に魅力的な技術です。
しかし同時に中央集権的になる危険性やセキュリティ面での不安があります。
これらの問題点を克服することが、今後実際にライトニングネットワークが実装されるためには重要となるでしょう。