こちらの文章は先日M&Aでグループ会社となったBeat Holdings Limited社CEOの松田元氏によるコラムとなっています。
今後は松田氏と議論を重ねながら仮想通貨に関する見通しについて、定期的に連載していく予定です。また、松田氏はnoteによる解説も行っているので、是非そちらもご覧ください。
仮想通貨市場が盛り上がっている背景に、絶対無視のできないDeFiの存在があります。
仮想通貨市場を牽引しているのはもちろん復活したビットコイン(BTC)ですが、ここから更に価格を持ち上げるのは、DeFi関連のトークンになります。
BTCが何故上がったのか、という点については、明確に特定された理由はなく、
『金融市場のバブルで行き場をなくしたマネーが買っている』、『金の上昇に伴い、デジタルゴールドとしてBTCが注目された』
などの推論が流布しておりますが、直接・間接的に、各国政府の政策が影響していることは間違いありません。
そして世界に影響力を有する国といえばアメリカと中国の二国です。
かねてから指摘しているように、中国政府側の政策において、BTCを始めとする仮想通貨市場にクリティカルな影響を与えるのは以下2つです。
1.DCEP(中国のデジタル人民元)
2.BSN(中国の国家ブロックチェーンプラットフォーム)
また、一見すると、アメリカで活発に取引されており、米国市場主導で牽引されているように見えるこれらDeFiトークンも、実は、このLINK(DeFi銘柄)、COSMOS(DeFi銘柄)とも、かねてからご紹介している中国政府のブロックチェーンプロトコル(BSN)にも採用されています。
もし仮に、BSN(中国政府のブロックチェーンプロトコル)がLINKやCOSMOS建てでなければDeFiアプリが中国市場で展開されない、などのルールが定められたと考えましょう。
すると、ギャンブル好きな中国人の恐ろしい買い需要が生まれ、バンドプロトコル(BAND)もLINKも更なる高値を取りにいく可能性すらあります(もしかしたら既に中華マネーが入り始めているのかもしれません)。
個人的には、先日も言及したように、DeFiの課題は、
1.ETHによる高いトランザクション手数料
2.債務担保証券(CDO)的な設計の運用先が増えること
の二点にあり、その意味ではBANDのほうがやや優勢なのかもしれません(マーケットキャップが小さいだけでは348%も上がる理由は説明できないように思います)。
いずれにせよ非常に興味深いのは、明らかにアメリカで受けの良さそうなDeFiトークン、LINKやBANDが、中国政府もしっかりとマークしており、技術フォローを欠いていないという点です。
昨今、アメリカ政府の動向で仮想通貨市場に影響を与えうるイシューは以下に整理できます。
1.Libra
2.ゴールドマン・サックスのトークン
3.DeFi
DeFiについては中国政府の意向も反映されてバク上げしていると読んでいますので、必ずしも米国イシュー100%ではありませんが、その点は前述した通りです。
米国のDeFiといえば大所コインベースも出資しているCompound(DeFi銘柄)が有名ですが、とにかくここ数日、DeFi絡みのトークンの爆進っぷりが止まりません。
10日で100%上昇しているトークンもあります。BAND(DeFi銘柄)に至っては348%上昇しています。
LINK(DeFi銘柄)については出来高が伴って価格も上げていますので、明らかに新規マネーの流入が見込めます。
また、このLINKのバク上げに伴って、ETHも上がっていますので、先日本稿でも指摘したように、
法定通貨売り→BTC買い(含み益)→BTC売り→ETH買い→アルト(DeFi)買い
の流れが確認でき、ETHも引き続き暫くは強含むことが予想されます。
ICOのときと違い、ETHの生み出したDeFiというユースケースは、仮想通貨建ての資産運用(一部投機)という明確なベネフィットがホルダーにはあります。
ですので、コロナ禍で在宅勤務が続き、法定通貨が刷られ続けてジャブジャブ市場になる限り、こうした外的要因もポジティブな影響を与えると思います。
また、BAND(DeFi銘柄)についてはETHではなくクロスチェーン技術であるCOSMOS(DeFi銘柄)をベースにしているため、取引手数料の詳細は正確に計算しておりませんが、ETHと比べGAS代(取引手数料)において優位性があるように感じます。
マーケットキャップ(時価総額)もLINKの10%以下ですので、ここから更に上がっていっても不思議ではありません。
取引所で人気のDeFiトークンは、如何にも投資熱の高いアメリカ人受けしそうな設計になっています。
ゴールドマン・サックスのステーブルトークン発行についてもタイミング良くローンチの噂が出てきました。
全体の流れを整理すると、少なくとも以下のことが推察できると思います。
1.目先の暗号通貨(資産)ユースケースは、DeFiになる
2.DeFiトークンについては、米国で活発に取引されている
3.DeFiトークンの技術領域は、既に中国政府がBSN(中国のブロックチェーンプロトコル)でカバーしている
4.DeFiトークンへの中華マネー流入は不明だが、期待できるとすると価格は上昇する
5.ゴールドマン・サックスはじめ金融機関も、ステーブルコインの発行を検討しており、ゴールドマン・サックスを代表する伝統的金融機関の出資先はコインベースである
コインベースという米国の大所は、4年以上前から、日本進出においては三菱UFJグループと連携することを発表しています。
つまり、コインベースの今後の動きが日本の伝統的金融機関における仮想通貨(資産)領域へのベースマナーとなることは間違いなく、そのコインベースには、JPモルガンをはじめとする強烈な金融機関が業務資本含めて支援しています。
そして、聡明な本稿の読者は覚えていらっしゃると思いますが、ゴールドマン・サックスが独自トークンを発行する際に、永年のライバル“JPモルガンとの連携も視野に入れ”と発言していました。
このことから、ゴールドマン・サックス≒JPモルガン≒コインベース≒DeFiという構図が成り立ち、今後、米国の金融機関はこぞってDeFiを取り扱うでしょうし、類するトークンの発行に関わってくることでしょう。
こうなると、本当に数年前やたら騒がれたSTOは何だったんだろうという思いしかありませんが、ともあれ、仮想通貨市場が盛り上がることは、ビート社にとっても極めてポジティブです。
金融機関までをも巻き込むブロックチェーンの明確なユースケースがDeFiだったのは意外でした。
しかし、そのDeFiトークンはアメリカを代表するコインベースで高い取引量を誇り、DeFiのプロトコルはLINK、BANDいずれも中国政府にフォローされています。
米中の争いは過激化しているように見えますが、どうもこうした動きを見ると、次の経済インフラをある程度視野に入れて、大人たちが本格的な準備に入っているようにしか思えません。
DCEP(中国のデジタル人民元)がローンチされるころには、中国国内でDeFiを使いたければBSN(中国のブロックチェーンプロトコル)を経由せよ、というデファクト・スタンダードができているような気もします。
米中が実は水面下で、戦略的に握っているところがあるのか、あるいは純粋に両国がDeFiに魅せられているのか、事の真相は不明ですが、ともあれ暫くはDeFiトークンの値動きに世界中の投資家が惹きつけられるのは間違いなさそうです。
その意味では、ETHやLINK、BANDなどの投資妙味はまだまだあり、今は超絶買いチャンスなのもしれません。
我々と致しましても、コインパートナーで最先端の情報を発信しつつ、コインラーニングでしっかりと学び、“コインオタクオリジナルウォレット”で大切なDeFiトークンを保管できるよう、万全の体制で事業を進めてまいりたいと思います。今週もビートの動きに是非ご注目下さいませ。
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松田氏について
Beat holdings limited(9399)CEO。早稲田大学商学部卒。実業家としての経験を活かし、複数の上場企業における投資銀行/バリューアップ業務を豊富に経験。2016年衆議院予算委員会における中央公聴会にて、最年少公述人として日銀の金融政策に関する意見を述べる。
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著者: CoinPartner 編集部 CoinPartner