ビットコインのハッシュレートが過去最高を記録した。

価格との関係性はどのようになっているのか、時期を区切って分析すると投資に役立つ情報が見えてきた。

ビットコインのハッシュレートが再び過去最高か

ビットコインのハッシュレートが9400万テラハッシュ(TH/s)を超え、過去最高を記録した。

(画像 blockchain.info)

ハッシュレートとビットコイン価格にはどのような関係があるのだろうか?

時期ごとに相関関係を探ってみた。ハッシュレートの読み解き方を覚え、効果的な投資に活用してほしい。

ハッシュレートとは?

ハッシュレートとは、マイニング(採掘)が行われる際の採掘速度のこと。

コンピュータが1秒間に行っている計算回数で表し、現在のハッシュレートでは1秒間に9400京回の計算が行われていることになる。

ハッシュレートが上がるのは取引の検証をするマイナー(採掘者)が多く参加しているためで、不正が発見されやすくなり、セキュリティが向上する

また、世間の関心の高まりを反映していることから価格の上昇が期待される効果もある。

ハッシュレートは暗号資産(仮想通貨)においてマイニングで使われる指標の一つです。また、ハッシュレートの見方を押さえておけば、投資をする際の指標としても重要な役割を果たしてくれます。一つ上の投資を目指す方は必見です!!
 

ビットコインとハッシュレートの関係性

  2015年~2017年 ~2018年中盤 2018年後半~
ハッシュレートが上昇すると… BTC価格上昇 BTC価格下落 BTC価格上昇

実はビットコインとハッシュレートの関係性は時期によってことなる。しかしながらこれはただの偶然ではなく、何かしらのロジックがありそうだ。

ここからは時期ごとに、ハッシュレートとビットコイン価格の関係性を探っていく。

1. 2015年6月から2017年のバブルまで

(画像 TradingView QUANDL:BCAHIN/HRATE(青、右軸)とBITFLYER:BTCJPY(オレンジ、左軸)の週足チャート比較。下段は20週移動相関係数)

ビットフライヤー社がビットコインの価格データを提供し始めた2015年6月から2017年末のバブル時までの推移を示したのが上のデータだ。

この期間、価格とハッシュレートはほぼ比例していることが分かる。

下段に表したのは相関係数だ。

-1~1までの値で表され、1に近いほど比例関係が強く、-1に近いほど反比例の関係が強くなる。

絶対値が0.7以上だと強い相関関係があるとみなせる。

2016年の10月以降は相関係数が0.7に近い期間が続いており、価格が上がるとハッシュレートも上がる強い相関関係が見られた。

2. バブル崩壊から2018年中盤まで

(画像 TradingView QUANDL:BCAHIN/HRATEBITFLYER:BTCJPYの週足チャート比較)

バブルが崩壊し、ビットコイン価格が下落を続けていく最中、ハッシュレートは上昇を続けた

相関係数を見るとマイナス、つまり反比例の関係になっていたことが分かる。

一般にビットコイン価格が下がるとマイニングで得られる報酬が少なくなるため、ハッシュレートも減少するとされる。

しかし、2017年のバブル期に導入を急いだマイニングマシンの準備が間に合わず、遅れて稼働し始めたため、ビットコイン価格が下がっていく中、ハッシュレートだけが上昇を続けたと考えられる。

2018年8月にピークをつけるとハッシュレートは減少に転じる。

ビットコイン価格が低迷したことでマイニングにかかる電気代や設備費を賄えなくなったのが原因と言われる。

3. 2018年後半から現在

(画像 TradingView QUANDL:BCAHIN/HRATEBITFLYER:BTCJPYの週足チャート比較)

2018年後半以降は、ビットコイン価格が底を打つとハッシュレートとの相関は再び強まる。

期間の大半で0.7を超える強い比例関係が見られるようになった。

それまで低空飛行していたビットコイン価格が2019年4月から上昇し始め、追随するようにハッシュレートも上昇した。

これはビットコイン価格が上がるとマイニング報酬が増えるため採算がとれるようになり、再びマイナーが増えるからだと考えられる。

電気代の安いダムの多い地域にマイニング工場を移転したり、マシンの省エネ性能を上げたりしてなんとか採算をとれるよう努力を続けた。

その結果、マイニングに再び人気が集まり、ビットコインへの関心も上昇。

ビットコイン価格の再上昇へとつながったと考えられる。

結論:ハッシュレートが上がっても価格が上がるわけではない

歴史を振り返ると、ハッシュレートはビットコイン価格やマイニングマシンの需給に左右されるため、ハッシュレートが上がったからと言って必ずしもビットコイン価格が上がるわけではないことが分かった。

その他、ビットコイン以外の暗号資産(仮想通貨)に人気が集まれば、マイニングマシンの割り振りを変えてビットコインのマイニングを手控えることもある。

だが、ハッシュレートはビットコインの人気度をある程度示していると言えることから、ビットコイン価格と無関係ではない

現在はハッシュレートの上昇の勢いがビットコイン価格の上昇を上回っており、マイニング競争が過熱している様子がうかがえる。

市場の過熱はバブルを招きかねないため、注意が必要と見られる。

 

\無料アプリを使って/

暗号資産(仮想通貨)のニュースを逃さずチェック!