ニューヨーク州の司法長官は、テザーの発行体と暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフィネックスが7億ドル(784億円)の暗号資産(仮想通貨)テザーを不正したとして、提訴している

テザーに問題が起きると暗号資産(仮想通貨)市場は非常に敏感に反応し、なかでもビットコインには大きな下落が起きる傾向がある。

今回の事件の内容と共に、テザーとビットコインの関連性について言及していく。

テザーの提訴問題によりビットコイン価格は急落

ニューヨーク州の司法長官は、テザーの発行体と暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフィネックスが7億ドル(784億円)の暗号資産(仮想通貨)テザーを不正したとして、提訴している

これを受けて暗号資産(仮想通貨)市場は急落しており、ビットコインに関しては18時点で前日比約-5%程度の価格下落を起こしている。

今回起きたテザー問題の概要

NY司法長官によると、この事件の発端は暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフィネックスの損害によるものだそうだ。

ビットフィネックスに怪しい影が立ったのは2018年の10月頃からで、同時期に顧客からの引き出しリクエストに問題が生じていた。

調査を進めていくと、ビットフィネックスは8億5000万ドル(953億円)ほどの損失もしくは窃盗があると推測された。

7億ドルのテザーはその損失・盗難の補填に使われたと考えられている。

ビットコインと暗号資産(仮想通貨)テザーの関係性

(今朝のビットコイン価格急落。TradingViewの{BTCUSD}チャート   15分足)

そもそもテザーの価値は、発行体が保有するUSドルの分だけ暗号資産(仮想通貨)テザーを発行することによって保たれている。

このような仕組みの通貨はステーブルコインといわれ、価格を保つことができるのがウリである。

しかし暗号資産(仮想通貨)テザーをめぐっては、この価値の裏付け金による問題が絶えない。

今回の問題点は「裏付け金を不正利用していた」ことになるが、これまでも「テザー社がそもそも発行枚数と同じ量のUSドルを保有していない」などの騒動もあった。


もしこの問題が真実だとすれば、無価値のテザーと他の暗号資産(仮想通貨)が大量に交換されていた可能性も否定できない。

可能性としては以下の流れが考えられる。

  • ビットコイン価格が急落
  • BTC急落時に合わせてテザーを大量発行(裏付けとなるUSドルは保有していない)
  • テザーとビットコインの交換を行う

この取引が実際に行われているかはわからないが、可能性としては今のところ否定できない。

もしこれが本当だとすれば、ビットコイン価格に与えるダメージは計り知れないであろう。

テザーはこれまで裏付けされているUSドルを公開していないが、市場に安心をもたらすにはその開示は義務といっても過言ではないであろう。

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