​中国では2月5日に「春節」と呼ばれる旧正月が訪れる。旧暦の正月をメインイベントとする中国では、例年春節前後の一週間は祝日となる。

経済大国の中国が休日を迎えるこの一週間、暗号資産(仮想通貨)市場では「取引高」が年内最低値を記録する可能性もある。

中国旧正月「春節」とは

​中国では旧暦に倣って祝日を設定する風習があり、例年2月上旬前後が正月となっている。

今年の正月は2月5日に設定されており、2日~10日までの一週間は正式に休日である。そのため、この期間中は中国経済は全面的に休止状態に入っている。

春節による仮想通貨市場への影響

​中国が全面的に休止することによって、暗号資産(仮想通貨)市場が受けうる影響としては「価格」「取引高」の二つが筆頭に挙げられる。

この二項を中心に、この一週間の暗号資産(仮想通貨)市場の動きを見ていきたい。

価格への影響力は少ないか

​下の表はこの一週間のビットコインチャートだ。中国が旧正月に入る一週間前の1月26日から記載している。

​(出典:TradeinView BTCUSD

中国のでの年末帰省ラッシュが起こった29日に価格下落を起こしているが、年末休みの開始に当たる2月2日や春節の始まりである2月4日の前後では大きな価格変動を起こしていない。

今の所、中国旧正月による価格変動は少ないと言える。しかし翌日5日が春節当日であり、このタイミングで価格変動を起こす可能性も考えられる。

取引高への影響は大きくなる可能性も

​価格への影響は少ないと推測できる一方、取引高は特徴のある変動をしている。

(出典  CoinMarketCap)

前述のチャートと同じ期間の取引高を取り上げているが、最初に特筆すべきは1月29日に取引高が大きく下落していることだろう。

28日の取引高は69億ドルであったのに対し、29日には約1.5割減の59億ドルとなっている。そして29日は中国の年末帰省ラッシュのピークと一致している。

さらに、2月に入ってからも1日あたり4億ドルの取引高減少が続いているが、これは春節に向けて準備を開始している期間に重なっている。

一概に旧正月の影響を受けていないとは断言できないが、年末年始を迎えるにあたって中国資本が取引を一時中断している可能性は高そうだ。

取引高が少ないと、適正な市場価格からよりずれた価格での取引が通りやすいが故に、より上下の動きが激しくなることが考えられる。

それによって、ロスカットやストップ注文が発生しやすく、大幅変動の可能性が高くなってしまう可能性に注意したい。

今後の影響は

​今後大きな変動が起こる可能性があるのは春節本番を迎える2月5日だろう。

価格変動への影響力は大きくないかもしれないが、取引高が減少する可能性が考えられる。ここ数日の取引高がさらに減少すると、年内最低値の更新も視野に入ってくる。

一時的な影響であるだろうが、ここ数日の市場には注意したい。