この記事でわかること

  • 週末のパリでのデモ運動概要
  • デモがもたらす暗号資産(仮想通貨)市場への影響
  • フランスの暗号資産(仮想通貨)事情

 

フランスで大規模デモ活動 預金の一斉移動計画で混乱続く

11月17日からフランスパリで続いているデモ活動(通称:黄色いベスト運動)に新たな展開がありそうだ。AP通信によると「この黄色いベスト運動で週末の12日(土曜日)に銀行の取り付け騒ぎを計画している」ということが判明したようだ。 このデモ運動は昨年秋に燃料税の引き上げ案を機に国民の反感を買ったところからスタートしている。

「国税徴収官の国民投票」と名付けられている今回の取り組みでは、週末土曜日に銀行などの金融機関から全て預金を引き出すことをデモ運動支援者に呼びかけている。

もし本当に多くの人が殺到し預金を全額引き出してしまえば、銀行は支払準備に不足をきたす可能性がある。そうなってしまえば銀行封鎖もありえ、政府としてはとても厄介な状況となる。

国民側としては資産の預け先がなくなることから、他の形での資産管理が予測される。


移動先は仮想通貨か ビットコイン価格値上がり可能性

取り付けが実際に起きた場合、ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)の価格が上がる可能性がある。

今回のデモ運動は、キプロス危機というキプロスで起こった金融危機時の状況に似る可能性がある。

キプロス危機とは2013年ころにキプロスで起きた金融危機のことでだ。大量の不良債権が発生したことで政府が預金カット政策を実施すると宣言したことをきっかけに、国民がみな資産を引き出そうとした。その結果取り付け混乱が起きてしまい、銀行が営業停止となった。

その際資産の逃げ先となったのが暗号資産(仮想通貨)の「ビットコイン」だった。政府に依存しないことが評価されたのだ。結果的にキプロスではビットコインATMが増加し、多くの一般人人がこのビットコインを購入することとなった。

これにより多くの資金が流入して、最終的にビットコインの価格はあがった。


この黄色いベスト運動を支持しているフランス人は国民の75%に及ぶ。もしこの資金が暗号資産(仮想通貨)市場に流れることがあれば、キプロス危機のときよりも価格の高騰が望めるかもしれない。

フランスでの仮想通貨ビットコインの普及

今回のこの機会を狙って、暗号資産(仮想通貨)支持者たちにも動きが見える。

ビットコイン支持者の一人でフランス人アーティストのPascal Boyart氏がツイートしたパズル絵が話題となっている。テーマはフランス革命をイメージした黄色いベスト運動となっていて、この中に隠されたパズルを回答できれば1000ドル相当のビットコインを償金としてプレゼントするという。

このようにしてビットコインへの関心・認知度向上への動きがみられる。

さらにロイター通信によると、フランスの6つのたばこショップで新たにビットコイン決済が可能になったようだ。フランスにはライセンスをもつたばこショップは全国で24,000店舗あり、今後さらにたばこショップでのビットコイン決済が広がれば、ビットコイン・暗号資産(仮想通貨)の知名度は上がって行くであろう。

ビットコインの実需部分での広がりも、これからフランスで拡大していくであろう。


引き出した預金が暗号資産(仮想通貨)市場に流れるかは断定できないが、実際に起きた場合には暗号資産(仮想通貨)の価格は大きく上昇するだろう。

価格が大きく上がるときはファンダメンタルズが最重要である。ここでもし暗号資産(仮想通貨)の実需が増えればこれ以上ないファンダメンタルズになるであろう。