アルトコインの王様、イーサリアムにとっても2018年は悲劇の年となった。

単純に価格だけを見れば、1月の最高値1424ドルから、12月31日は139ドルと、”90.3%”のビットコインを超える大暴落となった。

一方で、年始には新たなイーサリアムのアップデート「コンスタンティノープル」が実施予定や、多くのカンファレンスやミートアップの開催など、コミュニティの成熟や多くの技術的進歩のあった一年となった。

今回は、激動の一年をテクニカル的な視点で振り返り、今後2019年の予想される値動きのシナリオを見ていこうと思う。

2018年の仮想通貨イーサリアム(Ethereum)テクニカル分析

イーサリアムは、2017年も含めて見ると非常にわかりやすいチャートになっている。

2017年5月から始まった、巨大な三尊を描くことができる。

2017年6月が左肩、2018年1月がトップ、2018年4月が右肩である。この巨大な三尊のネックライン(青)は非常に長期で意識されてきた。

この三尊のネックラインにて6月から7月にかけて、もみ合ったあと耐えきれずに大きな下落を起こした。

その後、今度はビットコインと同様に、ディセンディングトライアングルの中を推移した。

4月の高値と、11月の高値を結んだレジスタンスライン(赤)と、3月の安値と9月の安値を結んだサポートライン(緑)によって構成されている。

ここのディセンディングトライアングルも非常に強力に作用しており、なんどもラインにタッチするも抜けれなかった。

しかし、12月中旬になり、このディセンディングトライアングルを上横に抜け出す形となった。

現在意識されているのが、2017年7月の安値であり、バブル直前の価格である140ドルライン(黒)である。

このラインに関しては、バブル直前の価格であり、ある程度多くの市場参加者が妥当に感じるラインかもしれない。

2019年の仮想通貨イーサリアム(Ethereum)の推移を分析

イーサリアムの推移している140ドルのラインは、バブル崩壊前の価格であるため、大底としては適正な価格と考えられる。

さらに、ディセンディングトライアングルを横上に抜けているため、ここから140ドルラインを実体を伴って抜けた場合には、徐々に価格を大きく上げていく可能性がある。

その際には、まずは200ドルが直近の目標になりそうだ。


一方で、このまま140ドルを超えることなく下がってしまった場合には最悪のシナリオが予想される。

この状況から更に下がってしまう場合には、有効なサポートラインが考えにくく0ドルに限りなく近づく可能性が高い。


現在、非常に注目すべきことに、イーサリアムの出来高が過去最大級に多くなっている。この出来高が大きい状態でもみ合っているのはあまり好ましい状況とは言えないため、2019年の年始にはこの出来高を伴ったまま140ドルを抜けてくれることを期待する。