記事の概要

  • ドイツ消費者センターが1000人以上を対象にアンケートを実施。暗号資産(仮想通貨)に関するイメージを調査した。
  • 調査の結果20代の1/4は暗号資産(仮想通貨)投資を検討しているものの、30代を始めとする高年層は投資をリスクと捉えており、年齢層での差異が顕著となった。
  • 否定的な見解の原因としてはボラタリティーや実体性の欠如、さらには銀行との対立が考えられる。

 

ドイツ消費者センターが1000人以上を対象に仮想通貨アンケートを実施

German news outletの報道によると、ドイツ16連邦州であるザクセン州及びヘッセン州1000人以上を対象にビットコインの印象に関する合同調査を行いました。調査の結果、若者がビットコインに高い関心を持っていることが明らかになりました。18~29歳の調査対象者のうち28%が暗号資産(仮想通貨)を購入することについて「検討の余地がある」と回答しました。

この調査ではテクノロジーに精通した人に限らず幅広い分野の人々を対象に実施されており、一般的な見解を濃く反映した結果であると考えられます。回答者は全体的に暗号資産(仮想通貨)投資が「リスクである」という認識をしているようで、特に30代の回答者は過半数が暗号資産(仮想通貨)投資が危険であると考えているようです。Liskマーケティング責任者であるThomas Schouten氏は今回の調査に関して以下のように述べています。

ドイツ消費者センターが実施した調査にて、人々の暗号資産(仮想通貨)に対する興味が増してきており、若者の1/4以上は暗号資産(仮想通貨)への投資を検討していることが判明した。このポジティブな結果は将来のグローバルリーダーやイノベーターが暗号資産(仮想通貨)の潜在的な可能性を認識していることを表している。スマートフォンやインターネット、SNS中心の生活を送っている若年層が暗号資産(仮想通貨)が提供する、瞬時の分散型技術の魅力に取り憑かれても驚くべきことではないだろう。しかし、今回の調査では一般的な暗号資産(仮想通貨)に対する認識やブロックチェーンの有用性に関して依然として曖昧さが残っていることも明らかになった。高年層は暗号資産(仮想通貨)投資を依然として「危険なもの」と認識している。(中略) 私たちは暗号資産(仮想通貨)コミュニティの一環として、ブロックチェーン技術が提供する大きな潜在可能性を人々に伝えるためにより一層努力しなければならない。暗号資産(仮想通貨)はまだ氷山の一角なのだ。​

さらに、この調査結果を踏まえて今後対処するべき問題がいくつか見えてきます。

一つ目はボラタリティーが大きいことに関する問題が挙がります。普通の金融商品と比べて暗号資産(仮想通貨)は価格変動が非常に激しいことは、投資家がリスクに感じてしまう大きな要因です。しかし、これは暗号資産(仮想通貨)の大きな特徴の一つ(価格変動が大きいために利益幅が大きい)でもあり、今すぐに改善することは難しいと考えられます。

二つ目には暗号資産(仮想通貨)が実体を伴わない点が浮かび上がるでしょう。実際にモノの動きは目に見えないものの、資金の流通は確実に行われている暗号資産(仮想通貨)取引には、従来の法定通貨に慣れ親しんだ高年層に取っては想像し難いことでしょう。これに関しては、スウェーデンがe-Kronaを発達させたケースのように、国単位での徹底した教育がかかせないと考えられます。

そして、最後は銀行との対立の解消が鍵になります。暗号資産(仮想通貨)や分散型技術が普及することで自社の仕事がなくなる可能性がある銀行は、暗号資産(仮想通貨)の危険性を警鐘する動きが散見されます。最近では中央銀行が暗号資産(仮想通貨)取引所の口座を全面的に差し押さえる措置に出ているインドで顕著に見られています。

若年層の関心と高年層を中心とした懐疑的な目が明らかになった今回の調査では暗号資産(仮想通貨)の現状と改善の余地が目に見える結果となりました。