資産運用会社VanEckは、ヨーロッパ向けのソラナ(Solana)上場投資証券(ETN)にステーキング報酬を導入し、投資家に新たなパッシブ収入の機会を提供する。

オランダのユーロネクスト・アムステルダム証券取引所に上場するこの7400万ドル(約110億円)規模の製品は、毎日ソラナの報酬を再投資する形式に切り替わる。

ソラナの報酬がETNの資産価値を増加

VanEckの「Solana ETN」は、投資家が受け取るステーキング報酬を毎日再投資し、その報酬はETNの純資産価値(NAV)に反映される。

各シェアに対応するソラナの量が増加するため、投資家の利益は増幅される形となる。

なお、VanEckはステーキング報酬に対して25%の手数料を課すことを発表している。

同様の仕組みは4月にも導入されており、VanEckはイーサリアム(Ethereum)ETNでもステーキング報酬の提供を開始している。

一方、米国では証券取引委員会(SEC)が仮想通貨ETFでのステーキング報酬の提供をまだ承認していない。

米国でのソラナETFはステーキング報酬を除外

VanEckは、2024年6月に米国向けソラナETFの申請を行ったが、同製品にはステーキング報酬が含まれないことを明示した。

米国では「VanEck Solana Trust」がソラナを単に保有する形となり、報酬を得る運用は行われない。この方針は、今年米国で承認された現物イーサリアムETFと同様の形式である。

現物イーサリアムETFの普及は限定的で、7月のローンチ以降、9つの製品で合計14万ドル(約2,090万円)の資金流出が確認されている。

特にグレースケールの現物イーサリアムETFは10億ドル(約1,490億円)近い資金流出に直面している。

ソラナが仮想通貨市場で注目を集める

CoinSharesのデータによると、2024年のデジタル資産の資金流入では、ビットコインとイーサリアムに次いでソラナが注目を集めている。

ソラナ関連製品には5,800万ドル(約86億円)が流入し、ライトコイン(約61億900万円)やXRP(約38億7,400万円)を上回る結果を示している。

VanEckの米国市場参入においては、Cboe BZX取引所への申請が先行し、続いて21Sharesが同取引所向けに類似の申請を行った。

また、グレースケールは先週、複数資産を対象とするファンドをETFへ転換する計画をニューヨーク証券取引所(NYSE)に提出しており、その中にはソラナも含まれている。

トランプ政権が仮想通貨市場に与える影響

VanEckのデジタル資産研究責任者マシュー・シーゲル氏は、「EUの規制は米国と比べて柔軟性が高く、流動性要件がVanEckの管理を容易にする」と述べた。

一方、米国市場では2024年11月の大統領選挙の結果が重要な要素となっている。

ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は「トランプ政権が仮想通貨に好意的であれば、VanEckと21Sharesの申請が来年3月までに承認される可能性もある」と指摘。

彼の見解では、トランプ氏の勝利は市場にとって「予測市場と同じくらい重要な要素」となるだろう。

このように、VanEckのヨーロッパ市場での成功が、米国市場での展開にどのような影響を与えるかが今後の注目点となる。

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