この記事を読んでわかること

  • 今日のBTC価格の原因と思われるニュースの概要を知ることができる
  • ビットコインETFの決断の延期の理由及びメリットがわかる

 

米証券取引委員会はETF審議の期間を9月30日に延期

米国証券取引委員会(SEC)は現地時間8月7日にアメリカの大手アセットマネジメント会社VanEckが提出したビットコインETFの許可申請の審議を少なくとも9月30日まで延期すると発表しました。同委員会は審議の結論を下すに当たって、より長い期間の検討が「適切」であると判断したようです。SECは審議の判断材料にするとの旨から現地時間7月1日にVanEckのビットコインETFに関する情報を開示し、現在までに1300を超えるコメントが寄せられてているほどにETF実現に関する期待が大きいものであり、今回の委員会の判断はビットコイン支持者を落胆させるものになるでしょう。実際にも前日と比べてBTC価格は8%ほどの下落を見せています。

審議を延期した理由は?

まず気になるのはなぜSECが審議の延期を決断したのか、その理由はどのようなものなのでしょうか。SECは以下のような説明をしています。

証券取引法第19条(b)(2)を根拠に「提出された計画(注.今回はVanEckのETF申請)を十分に審査するのは45日あれば十分だが、場合によっては延長して90日間の審議ができる」という見解を示しており、これに従って当委員会は決断の期限を45日間延期します。そして、今回の提出案を審議するためには90日が十分な時間であると我々は考えています。​

SECがこのような慎重な姿勢を見せるほどに、暗号資産(仮想通貨)ETFは影響力を及ぼしうる事業だと当局も考えているのでしょう。

審議の延期の背景

​上記の通りSECは「十分な時間をかけるために」審議の延期を決断しましたが、具体的にはどのようなメリットや理由があるのでしょうか。決断の背景には大きく3つあるように考えています。

第1に、国民の意見が反映されやすいという点があります。SECは今回のETF承認の決断の審議にあたって、連邦官報上でその是非に関する意見を募っています。7月2日に公開されて以来、8月7日現在で1300を超えるコメントが集まっています。さらに審議が長くにつれて官報上に集められるコメントも増えてくることでしょう。そのため、SECの判断には国民の要望がより色濃く反映されるのではないかという期待があります。

第2に挙げられるのはこの延期の決定はSECがおそらくICEが暗号資産(仮想通貨)関連サービスプラットフォームBakktをローンチすることを考慮に入れている可能性があるということです。今年の暗号資産(仮想通貨)ニュースの中でも最大級とも言えるこのニュースにより暗号資産(仮想通貨)の信頼度や基盤がしっかりしてくるだろうという見込みが経てば、ETF実現はそう遠い未来の話ではなくなるかもしれません。

最後に挙げられるものとしては、委員会全体としてETF案に反対しているわけではないという点です。7月末にはWinklevoss兄弟のETF案を却下したことが大きな話題になりましたが、コミッショナーの一人であるHester Peirce氏​は当時のSECの決断について、「暗号資産(仮想通貨)業界を妨げる行為」と痛烈に批判しています。このことからも、現在委員会として一貫した姿勢は未だ取れていないのではないかと推測することができます。

コインパートナーの見解

​上記に挙げた背景を考察すると、今回のETF審議の延長は暗号資産(仮想通貨)業界にとってはメリットであると考えています。延期を決断したSECも頭ごなしにビットコインETFを否定するのではなく、国民の意見を募って客観性の取れた決断を下すことを第1に考えているのでしょう。

そんな慎重な姿勢を見せるSECとは裏腹に、ユーザーはETFのニュースに対して過敏になっていることは今日のBTC価格変動からも見て取れます。これでは9月30日にETF案が認可された場合の市場の盛り上がりは想像を超えたものになるでしょうが、反対に却下された場合のマイナスの影響が大きく出る恐れがように考えています。

そんな諸刃の剣のようなニュースであるビットコインETFも、今回は実現の可能性が0ではないため期待が持てます。そんなニュースだからこそ、目先の出来事に惑わされずに大局的に情報を判断するのが大事でしょう!

(ビットコインETFに関する記事は以下のリンクからも参照することができます!)

 目次ビットコインETF(上場投資信託)とは何だ? ビットコインETFの上場がもたらすインパクトとはビットコインETFに関する過去の経緯いつ上場するのか?ビットコインETFの今後まとめビットコインETF(上場投資信託)とは何だ? ​ そもともETF(上場投資信託)とは ETF(Exchange Traded Funds:上場投資信託​)とは、証券取引所で取引される投資信託のことを指します。普通の投資信託は、販売所で購入しなければなりません。しかしETFはその名の通り証券取引所に上場している投資信託ですので、株の銘柄の1つのように取引所で購入することができます。そしてETFの中身はインデックス型の投資信託であり、日経平均や東証株価指数(TOPIX)など、何らかの指数と同じ値動きをするように作られています。 企業は様々な厳しい条件をクリアして上場し、引き換えに高い信用力と潤沢な資金源を獲得します。投資信託も同様に、上場のためには厳しい審査をクリアする必要がありますが、一度上場すれば証券取引所を通じて巨額の資金を集めることができるようになります。そのようにして高い透明性が確保された投資信託がETFなのです。 ビットコインが証券取引所で扱われるようになる 現在、アメリカを中心にビットコインをETF化する試みがなされています。これは一言で言うと、ビットコインを証券取引所で扱えるようにしようというものです。具体的には、ビットコインを使って資金を運用する投資信託を証券取引所に上場させようという試みです。

 

目次近いうちにSECが暗号資産(仮想通貨)ETFの申請書に対する回答を行う予定コインパートナーの見解近いうちにSECが暗号資産(仮想通貨)ETFの申請書に対する回答を行う予定ここ数年、暗号資産(仮想通貨)ETF(上場投資信託)は以前から提唱されては却下されてを繰り返しており、実現には至っていません。しかし今回実現に至る大きなチャンスがやってきました。というのもシカゴオプション取引所(CBOE)が申請したETFライセンスの申請書に対する回答を米証券取引委員会(SEC)が8月10日に行うことが期待されているからです。昨年12月にローンチされたビットコイン先物はビットコインETFの受け入れを容易にするファクターの1つとして考えられていました。上場信託投資はBTCを個人だけでなく機関投資家が直接購入できる手段として注目されており、BTCの合法性を高めて価格上昇を起こす起爆剤となる期待があります。ETF.comのウェブサイトによると2018年、ETFはAIの会社や債券、さらには個々の国に至るまで革新的な投資機関が揃って投資を行う対象であると考えられていますが、暗号資産(仮想通貨)ETFは依然として実現していません。そしてSECのウェブサイトは来たるETFローンチに向けてdiscion sectionを立ち上げました。ここでETFに関する一般の声の閲覧や投稿方法の確認が行えます。このような新しい投資方法は注目の価値があります。コメンテーターの一人であるKyle McDougall氏はETFが取引のリスクを和らげることになるだろうが、使い方が難しくなるだろうと述べています。しかし、同氏はETFは資金力のある個々人だけでなく、ユーザー全員に対して開かれるべきだと主張しています。認可制の投資家の規制をなくすべきだ。富は知性や投資の認可を表す指標ではなく、ETFは全ての投資家に対してオープンにするべきだ。そうすることで初めてローンチを認めるべきだろう。その反面、ETFに対して懐疑的な姿勢をとっているコメンテーターもいます。これはシンセティックCDO(債務担保証券)以来最大の失敗です。これまでのようにローンチが断念されてしまう可能性も十分にあるものの、ここ一ヶ月でETFに関する議論は様々な意見を交えて加速してきています。ビットコイン投資家の一人は以下のようにツイートをしています。It's going to be really funny

 

目次Winklevoss兄弟のETF案は元から認可が降りる可能性が低かった?Greenspan氏はインドの暗号資産(仮想通貨)市場にも言及コインパートナーの見解Winklevoss兄弟のETF案は元から認可が降りる可能性が低かった?​​米証券取引委員会(以下SEC)がWinklevoss兄弟によって提出されたビットコインETF申請を認可しなかったニュースは暗号資産(仮想通貨)市場に大きなショックを与えました。というのもビットコインETF認可への期待されていることがここ最近のBTC価格の上昇の一因となっているのではないかと考えていたトレーダーが多かったからです。(しかし28日1時時点でBTC価格は90万円を再び超えており、相関性に関しては一概に強いとは言えなそうです。)そして、このニュースが報じられた以降はWinklevoss兄弟の提案するETFは今後も認可が降りる可能性が低く、代わりにアメリカの大手アセットマネジメント会社であるVanEckが提案した案に注目が集まっており、シカゴオプション取引所(以下CBOE)も支援しているほど期待の高さを見せています。Ethereum World NewsのコメンテーターでeToroのシニアマーケットアナリストであるMati Greenspan氏は以下のように述べています。 現在暗号資産(仮想通貨)市場にはFUD(注.Fear, Uncertainly, Doubtの略)​と混乱が多く飛び交っているのでこの場で事実を明確にしたいと思います。 ​この混乱が生じた理由の一つとしては今回SFCが下した暗号資産(仮想通貨)ETFに関する決断が挙げられますが、私からするとあまりにも多くの人々が曖昧にしか状況を理解していないように思います。もともとWinklevoss兄弟が出した申請書は認可される可能性が極めて低いだろうという見解がなされていました。そして実際のところは専門家たちはVanEckによって提案され、CBOEが支援しているETF案に大きな期待を寄せています。しかし、これも来年の3月までは通過する可能性が低いでしょう。そしてGreenspan氏はSEC委員会のメンバー場がらWinklevoss兄弟のETF案を却下した決断に公然と反対しているコミッショナーHester