大手金融HSBC、英国で量子安全金融取引ネットワークの試験運用を実施へ

ロンドンに拠点を置くHSBCが、アマゾンウェブサービス、BT、東芝と協力して、量子暗号化技術を利用した一連の試験と実験を実施することを発表した。

これにより、HSBCは新しい量子「メトロ」ネットワークのトライアルにコミットした最初の銀行となる。これは、解読不可能な暗号化を利用して量子暗号を介して取引を保護する安全な取引システムである。

東芝が通信大手BTと提携して開発した量子メトロネットワークは、機関間で無条件に安全な取引を可能にするように設計されている。HSBCは、金融取引、ビデオ通話、エッジコンピューティングなど、ネットワーク上でいくつかのユースケースを試行する予定だ。

HSBC が実験する重要な量子技術のひとつは、「量子鍵配布(QKD) 」と呼ばれるものである。これは本質的に、距離を離れた 2 つの当事者が安全な方法で相互に情報を送信できるようにする秘密のソースだ。

QKDの目的は、外部当事者によるトランザクションの閲覧、盗聴、傍受、または変更の試みが、双方の当事者によって即座に検出可能である点等にある。

現在QKDを送信できる距離には技術的な制限がある。人々が古典的なデータ(従来の非量子コンピューターで使用するための情報)を光ファイバーを通じて長距離に送信すると、データを運ぶ光子の信号強度を高めることができる。

ただし、量子データを運ぶ光子はブーストできず、量子情報の「ノイズの多い」性質により指数関数的な損失が発生する。これは、光ファイバー ネットワークが長くなるほど、量子データが伝送に耐えられる可能性が低くなることを意味する。

もっとも、BT-東芝地下鉄ネットワークで実施されているHSBCの試験では、それほど多くの滑走路は必要ないとみられている。
発表によると、テストは英国のカナリーワーフにある同行の世界本部とバークシャーのデータセンターを結ぶ62kmの光ファイバーケーブルで実施されるという。

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この記事は「HSBC trialing quantum-safe financial transaction network in the UK」を参考にしています。