Vitalik Buterin氏が仮想通貨とブロックチェーンを語る

7月18日、イーサリアム考案者であるVitalik Buterin氏はApple Musicの人気ポッドキャストである''Conversations with Tyler''にて「世界の思想家トップ100」に選出経歴があるアメリカの経済学者、Tyler Cowen氏と対談を行いました。Buterin氏はポッドキャスト内で仮想通貨の有用性ブロックチェーンとその応用性に関する将来について語っています。同氏によると、仮想通貨「それ自体」には基本的にコストがかからず、唯一発生する出費は仮想通貨を信用しているユーザーが取引に参加する際に均一化される仮想通貨の生産プロセスであると述べています。こうした人々の「クラブ(仮想通貨界隈)」は価値の均衡を保ち、それによって仮想通貨の過密化を防止するトークン生産が一定のサイクルで確実に行われることを保証します。そして同氏は以下のように続けています。

この界隈に加わることは可能ですが、入会するには資金や資源、あるいはユニークなものと引き換えに何かしらで費用がかかってしまいます。そのため、仮想通貨はハイパーインフレを起こすほどの超高騰が起きなくなってしまっているのです。

Buterin氏は続けて仮想通貨市場で起こる経済学を記述するために自ら造り上げた用語である「cryptoeconomics(暗号経済学)」に関するコメントを行っています。同氏によれば、仮想通貨は社会の経済基準にそったルールに従っていると述べており、ブロックチェーンで発生するトランザクションは裁判官や司法機関ではなく、開発を担当するプログラマーによって設定されたプロトコルに従わなければならないと主張しています。そして「暗号経済学」の分野で機能していないプロトコルがいくつか存在し、これらは一般の社会経済学によって設定された厳密な規則に沿ったものであるとも付け加えています。

例えば、暗号経済学では「賄賂とは何か」を定義する方法がないので、「人に賄賂を出すのは違法だ」と言うような文言が通用しません。もしも誰かに賄賂を送りたいと思うのならば、プロトコルの枠組みの外で行うことができるし、それをしてもプロトコルには「賄賂をした」という跡が残リマせん。

そしてButerin氏は全ての仮想通貨ユーザーが、各通貨の属性や特徴を学ぶことによって取引がどのように機能しているのかを把握しようとしていると述べており、それに続いてCowen氏はButerin氏にブロックチェーンの概念を人々が簡単に理解することができるのかという質問をしています。するとButerin氏はブロックチェーンを「世界のコンピュータ」と比較して回答しています。これは同氏が大の漫画ファンであることから派生したものであり、以下のように述べています。

基本的に、ブロックチェーンは全体としてコンピューターとして機能すると言うのが第一の考えです。ブロックチェーンはハードドライブを持ち、そのハードドライブ上に全てのアカウントを格納します。そして、その他にもスマートコントラクトのコードや契約の記録も全てブロック上に記載されるのです。

さらに続けてButerin氏は、なぜブロックチェーンが従来の取引形態よりも好まれるべきかに関して見解を示しました。その理由としては、ひとたびブロックチェーンが大規模に導入されると、違法行為や大規模なハッキングというのがなくなることに繋がるからです。そして最後にブロックチェーンが普及するためにするべきことについて言及したうえで同氏はブロックチェーンのスケーラビリティの問題に触れて、具体例を述べて補足説明をしています。

現在イーサリアムブロックチェーンの1秒あたりの処理可能取引数は15となっています。Uber(注:海外でよく利用されている配車サービス)で利用可能な車全ての配車を頼んでも、一秒間で12取引を扱えるようになっています

コインオタクの見解

今回Buterin氏が登壇したポッドキャストの対談相手であるTyler Cowen氏は英国誌「エコノミスト」にて「過去10年でもっとも影響力のある経済学者」に選ばれるなど、世界的に見て非常に有名な人物で、経済界に与える影響力はとてつもなく大きいです。そんなCowen氏がインタビュー形式で行っていくポッドキャストにButerin氏が登場したと言うのは、当たり前ですが仮想通貨が世界的に関心を持たれている分野であることを顕著に表しています。

インタビューの内容は基本的なものが多いですが、このように業界著名人が規模の大きなメディアで情報を発信していくことは正しい認識の普及仮想通貨信頼度の向上といった点で非常に重要な活動だと考えられます。

このニュースによって市場にすぐに影響が出る可能性は低いですが、教育的側面からこういったイベントは今後も頻繁に行われるでしょう。