韓国の大手暗号資産(仮想通貨)取引所であるBithumbは、6月20日に3000万ドル(約33億円)に相当する暗号資産(仮想通貨)が盗難被害に遭ったことを発表しました。韓国では6月10日にも国内取引所であるcoinrailがハッキング被害に遭い、ニュースが出てから三時間でBTC/USD価格が5%減少しました。より一層のコールドウォレット管理が推進される他、暗号資産(仮想通貨)全体への悪影響が懸念されます。
日本時間6月20日22時現在、どのコインが盗まれたのかは明らかになっていませんが、オンラインハッキングやスキャムを調査するセキュリティグループのSentinel ProtocolはXRPが今回の攻撃によって盗まれたのではないかと報道しています。
ハッキング被害を受けてBithumbは以下のような声明をTwitterで発表しています。
[Notice for the temporary suspension of the deposits]
— Bithumb (@BithumbOfficial) June 20, 2018
Due to the increasing safety issues, we are changing our wallet system.
Please do not deposit until we notify.
*All deposits are not deposited into your wallet until all changes are completed.
[一時的な預金中断についてのお知らせ]
我々は約3000万ドルに相当する数種類の暗号資産(仮想通貨)が盗難被害に遭ったことを確認しました。盗まれた通貨に関してはBithumbが補填する予定です。さらに、全ての資産はコールドウォレットに移行しています。
*All deposit and withdrawal service will be stopped to make sure the security. We will keep notice you of the restart of the service. We apologize for your inconvenience and thanks for your understanding.
— Bithumb (@BithumbOfficial) June 20, 2018
Bithumbは現在緊急でお客様に当面の間入出金をしないようにお願いしています。
今のところハッキングが起こった正確な時間は明らかになっていませんが、Bithumbは自社が管理する膨大な額のイーサリアムトークンをオフラインウォレットに移行しているとの報道がありました。この決定はオンラインウォレットへの不正アクセスを受けて行われたものです。プラットフォームは6月16日にBithumbのセキュリティプロトコルをアップグレードするためのサーバーチェックを行った時には数時間しかかからなかったと発表しましたが、当初の予定よりも大分時間がかかっていたということで、この事件と何か関連があるのではないかと考えられています。Twitterで報じているように、Bithumbでは現在ユーザーに対する預入金を禁止しており、さらなる被害の拡大を防ぐために全ての通貨をオフラインで管理することにしました。そして被害に遭ったユーザーには全額保証するとの発表もしています。Bithumbは一日あたりの取引高が400万ドルにも及ぶ世界最大規模の取引所であるため、業界全体への悪影響も懸念されます。
今回のBithumbの事件以外にも、最近韓国では暗号資産(仮想通貨)取引所がハッキング被害に遭っています。今月10日にはCoinrailが数時間で1000ドルに相当するビットコインを盗まれました。盗難被害があった時間帯と暗号資産(仮想通貨)の価格が暴落した時間が一致していたことから、一部の専門家はハッキングのニュースが価格下落に繋がっていると主張しています。しかし、大部分の専門家の合意しているところでは、Cboe Bitcoinの先物取引終了や市場での価格操作の疑いがあるとの米国政府の調査が価格下落の主な原因であるとされています。つまり、ハッキングニュースは価格下落への影響が低いというのが大方の意見です。
そして今回のBiuhumbの件でも同様のことが言えています。Bithumbがニュースを発表してからおよそ12時間が経過しますが、BTC価格はチャート分析にもあるようにほとんど変動せず、盗難されたとされるXRPも24時間変動で-0.76%とほとんど影響を受けていません。このニュースからハッキングによる悪影響は、暗号資産(仮想通貨)価格ではなく取引所自体への信頼度低下が主になっているのではないかと考えられます。
(ハッキング後の価格変動はCoinPartnerのチャート分析を参考にしています。)
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著者: CoinPartner 編集部 CoinPartner