今日、暗号資産(仮想通貨)に関して矛盾した意見が混在するにもかかわらず、多くの企業はDLT(分散型台帳技術)をインフラ改善のための手段として利用しようとしています。
例えばテクノロジーによって新しい形の社会を作り上げる二大巨頭としてMicrosoftとFacebookが挙がりますが、両社共にブロックチェーン技術をベースとした開発に投資を行なっています。その中でも今回はFacebookがブロックチェーン研究部門を立ち上げたことが大きく話題になっています。
ことの始まりは今年3月に、ケンブリッジ・アナリティカ社がFacebookユーザーデータを保持して政治的に利用している疑惑が立ったことでした。騒動後に行われた会社の運営方針に関する重役会議を受けて、Mark Zuckerberg氏は現在の状況説明と何百万人ものユーザーの安全を保証する約束を行いました。
IT系の記事を中心にまとめたニュースサイトのRecodeによると、同社は現在「アプリファミリー」グループ・中央製造サービスチーム・新プラットフォーム及びインフラ部門という三つのセクションを設置しているようです。そして同サイトは5月8日にFacebookが新しいブロックチェーン部門を作ったと報道しました。既にCoinbaseと提携をしており、責任者はDavid Marcus氏が務めています。
Marcus氏はPaypalの元社長でZong、Echovox、GTN Telecomなどの今では有名な新興企業の創始者でもあります。現在はFacebook messengerのユニット長で技術開発に実績と定評があることから抜擢されました。このニュースに関して同氏は以下のようなツイートをしており、Facebookでは決意表明も行なってます。
Time for a new challenge! After four amazing years leading Messenger, I'm going to setup a small group to explore how to best leverage Blockchain for Facebook. I will miss my fierce Messenger team, but I'm excited about the journey ahead. My full note: https://t.co/nBKAr7vyj9
— David Marcus (@davidmarcus) May 8, 2018
Messengerをリリースから素晴らしい栄誉とともに過ごしてきましたが、今が新しいことに挑戦する時だと決意しました。十数人ほどの小さなグループを立ち上げてFacebook全体でブロックチェーンを最大限に活用する方法を一から模索しています。
非常に優秀なメッセンジャーチームを率いることができてとても光栄でした。チームメンバーのコミット力は卓越しています。チームを離れるのは寂しいですが、MessengerはStan Chudnovskyの元で世界中のユーザーに素晴らしいものを提供し続けることができると確信しています。
ことの始まりがケンブリッジ・アナリティカ事件だと考えるとユーザーデータを安全に管理するための計画と言えそうですが、本当にブロックチェーン技術がユーザーの安全性に大きく貢献するかは不明瞭です。
仮にユーザーのデータをブロックチェーンで管理するとしたら、参加者全員がネットワーク上の情報を取り扱うことができるようになるのでかえって危険ではないかという心配もあります。Recodeが報道したところではFacebookは暗号化されたデータストレージにブロックチェーン技術を使うようですが詳細はまだ決まっていないようです。
とはいえFacebookは世界有数の知名度があり、その影響力は計り知れません。今後運用実験がうまくいけば暗号資産(仮想通貨)業界に対する信頼度・普及率が大きく上昇する期待がもてます。その逆も考えられますが、重要なユースケースとして今後も動向を追っていきましょう!
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著者: CoinPartner 編集部 CoinPartner