香港では、仮想通貨の犯罪被害が過去最大レベルにまで達しており、今年の6月までで合計500件の犯罪が報告された。中には、一人で1,600万ドル(約17.6億円)の被害を受けた事例もある。被害総額は2,750万ドル(約30.2億円)で、1件あたりの平均被害額は5万5千ドル(約610万円)と、大きな被害額が平均を押し上げてはいるものの、決して小さい金額ではない。
香港での被害総額は、2020年と比べると倍増している。しかし、世界的には仮想通貨関連の犯罪は減少傾向にあるようだ。ブロックチェーン分析会社のCipherTrace社が行った調査では、全世界で2021年4月までの4ヶ月間の総被害額は4億3,200ドル(約475億円)であった。1年に換算すると12億9,600万ドル(1,426億円)であり、2020年は総被害額19億ドル(2,090億円)、2019年は総被害額45億ドル(4,950億円)であることから、大幅に減少していることになる。
香港警察は、香港で仮想通貨関連の犯罪が増えていることについて次のように語った。
香港での犯罪の増加は、仮想通貨投資の人気が高まり、ロックダウンで人々がオンラインを使う機会が増えたことが原因と考えています。マネーロンダリング、投資詐欺や詐欺、対面取引の3つがよく報告される犯罪です。
香港では、対面での強盗行為が多く報告されている。現金を仮想通貨に替えると謳って呼び出し複数人で強奪、対面でビットコインを送金したあとに販売者に渡したばかりのビットコインを強奪、など力ずくで奪い取る行為が横行している。
最近は、DeFi関連の犯罪も増えているようだ。CipherTrace社のCEOであるDave Jevans氏は、DeFiは怪しいプロジェクトやセキュリティ不十分のスマートコントラクトによる危険性を孕んでいると述べている。
個人や機関投資家からDeFiに多くの資金が注ぎ込まれており、悪質な業者は誇大広告を利用して人々を詐欺に引き込もうとしています。また、ハッカーは十分なセキュリティ監査を行わずに立ち上げたプロジェクトを探し出し、スマートコントラクトに組み込まれた抜け穴を利用し、資金を抜き出そうとするでしょう。
仮想通貨の犯罪は減少傾向であるものの、完全になくなるまではまだ多大な時間を要するだろう。警察による取り締まり強化もさることながら、ユーザー側も正しいリテラシーを身につけていくことが重要である。
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この記事は、bitcoinist.comの「Hong Kong Police Sound The Alarm As Crypto Crime Doubles in 2021」を参考にして作成されています。
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著者: CoinPartner 編集部 CoinPartner