インドの若年層はを選ぶ傾向

インドでは昔から「金」は富と健康の象徴であり、人気のある投資対象であった。インドの家庭で保管される25,000トン以上の金は、世界でもっとも多いとも言われている。しかし、25歳〜40歳のミレニアル世代は、実物としての「金」よりも「デジタル資産」を好む傾向にある。Chainalysisによると、インドでは2億ドル(約220億円)だった仮想通貨投資が、1年間で400億ドル(4兆4,000億円)近くまで成長したという。

インドには現在1,500万人のトレーダーがいるとされている。トレーダーの数は英国は230万人、米国は2,300万人と言われるように、世界的にも多い部類に入る。

しかし、表向きにはインドは仮想通貨に関する厳格な規制を敷いている国である。2018年にインドの中央銀行は、国内での仮想通貨の禁止を命じる通達を出した。銀行に対し仮想通貨取引口座を停止するように命じ、仮想通貨の取引と保管が発覚したものには、罰金が課せられることになっている。2021年には、罰金を倍にし仮想通貨の保有、採掘、取引、発行、譲渡を犯罪化することを可能とする法案も提案されている。

このような規制がある中でも取引をする人が多いのは「金よりも簡単に手に入り、すぐに利益を上げられる」ことの魅力が大きいからとされる。ビットコインはオンライン上で簡単に買うことができ、本物かどうか確認する必要はなく、数ヶ月で大きな利益を出すこともある。一方、金は実物確認のプロセスに時間を費やし、利益を出すまでに年単位かかることもある。

また、2020年には最高裁が銀行の取引禁止を覆す決定をした。まだインド当局に受け入れられていないことを伸び代があるとして前向きに捉え、インド国内の取引も活発化しているようだ。

インド人が保有するビットコインの量は、金の保有量に比べればまだほんの一部である。規制を厳格化したい当局と、今後取引が活発化すると予想されるビットコイン市場、相容れない関係の中でどのような道をたどるのか注目していきたい。

⇩この記事を読んだあなたへのおすすめ⇩

この記事は、bitcoinist.comの「Is Bitcoin The New Gold? Indians Pour Billions Into Crypto」を参考にして作成されています。