South China Morning Postは20日、マカオの金融当局が暗号資産(仮想通貨)での「詐欺行為や犯罪行為」の可能性について警告を発したと報じました。


警告の内容とマカオ当局の狙い

今回のマカオの金融当局の警告は、中国マフィアのWan Kuokoi氏と関係があるとされるマカオの企業がマカオのカジノに送金するための暗号資産(仮想通貨)「Dragon Coin」のプロモーションのためにデータマイニングとデータ分析を手法とするコンサルティング会社「Cambridge Analytica」を雇っていたことが明らかになった直後のことで、当局の声明文では

「マカオの企業が最近ICOに参加したと報じられた。我々は、暗号資産(仮想通貨)は仮想のものであり、法定通貨でも金融商品でもないということを全てのマカオ市民に改めて通告する。暗号資産(仮想通貨)と関係する詐欺行為や犯罪行為などが存在することをしっかりと認識すべきである」

としています。

なお、銀行や決済企業が(直接・間接に関わらず)暗号資産(仮想通貨)の取引所と関係をもつことは当局の規制によって禁じられていますが、カジノ企業がICOを行うことを規制するルールはありません。当局は

「繰り返し言うが、許可なく暗号資産(仮想通貨)取引・国際送金・金融取引などの規制されている金融サービスを提供する全ての組織は金融システム法の関連条項に違反していることになる」

としており、デジタル資産の違法性を広く印象づける狙いがあると思われます。

コインパートナーの見解

マカオでは昨年秋に暗号資産(仮想通貨)企業との取引の禁止を銀行等の金融機関に通達するなど、決して暗号資産(仮想通貨)が肯定的に認められた地域ではありません。しかしそれでも一国二制度によって暗号資産(仮想通貨)が禁止されている中国よりは緩い規制が敷かれていました

しかし、カジノ等がマネーロンダリングなどの違法行為と関わりを持っているとの見方から、中国当局が厳しく監視していました。

その中でこのような警告が出てたことにより、マカオが中国当局に配慮してマカオの規制体制が中国本土の体制に近づいていく可能性もあります


(参考記事)

Macau issues cryptocurrency crime warning after link to former triad boss emerges

Macau Monetary Authority Issues Warning On Crypto Following Criminal Ties To ICO

Macau Warns Public Over Possible Fraud with Cryptocurrency Firm, Links to Cambridge Analytica

Triad Link Triggers Crypto Fraud Warning from Macau Regulator