Appleは次なるビットコイン購入企業になるか

先日8日、米テスラモータースがビットコインに15億ドル相当の投資を行い、このことがきっかけでBTC価格は過去最高の480万円を記録した。アナリストたちの間では、次にテスラに続いてビットコインを購入する企業の有力候補としてアップルの名が挙がっている。

RBCドミニオン証券のアナリストであるMitch Steves氏によれば、アップルは仮想通貨事業に進出することで莫大な利益を得られることから、ビットコインを購入する可能性が高いのだという。Steves氏は、アップルが現在提供している電子マネーアプリApple Walletにビットコイン決済機能を搭載することで、ビットコイン決済大手のSquareやPayPalから市場を奪い取ることができると述べた。

ビットコインウォレット事業への参入は、アップル社にとって明らかに数十億ドルを手にする機会だ。少額の開発費で年間400億ドル余りの収益増が見込めるだろう。(中略)Squareは、アプリのアクティブユーザー数が約3,000万人で、月間で16億ドルの収益を得ている。一方、Apple Walletのアプリは15億人にインストールされており、うち2億人のユーザーだけが実際に取引すると仮定しても、Squareの6.66倍ものアクティブユーザーが存在することになる。

Steves氏によれば、アップル社がこの事業に参入するためには30億〜50億ドル相当のビットコインを購入する必要がある。これは一見巨大な額に見えるが、四半期ごとに300億ドル近い営業利益をあげ、時価総額2.3兆ドルの巨大企業にとってははした金に近い。ビットコインはアップルにとっては少ない参入コストで莫大な利益が手に入る市場であり、参入の可能性は高そうだ。

しかし、これらはあくまでも予測にすぎず、懸念要素もある。2019年にFacebookが自社発行の仮想通貨であるLibraの開発を発表した際、アップル社のCEOティム・クックは「通貨は国の手にとどまるべきだと考えている。『公的でない集団が法定通貨に競合する通貨を発行する』というアイデアには満足していない」とコメントしており、仮想通貨事業に消極的なスタンスを取っている。

アップルがビットコインに食指を動かすことになるのかはまだわからない。だが、実際にビットコインを購入し、決済事業に参入すれば、ただ価格が高騰する以上に重要な変化をビットコインにもたらすだろう。それは、ビットコイン決済の浸透によって、ビットコインが単に価値を蓄積するためのデジタル・ゴールドではなく、真の意味での通貨として利用されるようになるということだ。そのような日がやって来ることに、期待が高まるばかりだ。

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この記事は、Watch Out Shortsの「Apple Will Be The Next Major Company To Add Bitcoin To Its Balance Sheet」を参考にして作成されています。