ボラティリティとは?ビットコインや仮想通貨を株・FXと徹底比較!

 

ボラティリティとは

ボラティリティ(Volatility)とは,ある資産のランダムな価値変動の激しさを表す指標のことです。ボラティリティが高いと,実際の収益が期待値から外れる可能性が大きくなり,ボラティリティが小さいと収益が期待値に近くなる可能性が大きくなるため,リスクの指標の一つとしてよく用いられています。

この記事では仮想通貨のボラティリティに焦点を当てつつ書いていきます。

ボラティリティには2種類ある

ボラティリティには「ヒストリカル・ボラティリティ(HV)」と「インプライド・ボラティリティ(IV)」の2種類があります。この二つの違いについては後述しますが,どちらも価値変動の激しさを表すという意味では同じものです。一般にボラティリティというと前者のヒストリカル・ボラティリティを指すことが多いです。

ボラティリティは取引所によって違う

仮想通貨の価格は取引所によって異なるので,当然算出されるボラティリティも取引所によって違います。ビットコインの取引所ごとのボラティリティは,こちらで見ることができます。つまり,ビットコインのボラティリティと一口に言ってもその値は一つに決まるわけではなく,結構あいまいな値になっています。


株やFXと比べて仮想通貨のボラティリティは高い

日経平均株価,ドル/円,ビットコインのそれぞれの10/21における60日ヒストリカル・ボラティリティをコインオタクが独自に計算したところ,以下のような結果になりました。(ただし,データ取得間隔は1日,ビットコイン以外は取引停止期間のデータを除くため取得データ数は43となっています。)

ビットコインが圧倒的にボラティリティが高いことが一目で分かると思います。他の資産として金が挙げられますが,金のボラティリティはこのグラフには表示できないほど小さいです。

余談ですが,有名な仮想通貨メディアで年間のボラティリティ比較を行なっている記事を見かけました。これはあまり意味のあるデータとは言えません。ビットコインの歴史は浅く,データ間隔を1年とすると取れるデータの数が少なくなりすぎてしまうからです。くれぐれもこのような記事には気をつけましょう。

さて,ビットコインのボラティリティが高いのは投資をする上でどのような影響があるのでしょうか。

ボラティリティが大きい(高い)のはハイリスク?

ボラティリティが高いと予想より大きく損をする可能性が高いのは事実です。ただ,大きく利益をあげる可能性が高くなるのも事実です。短期的な仮想通貨の取引はハイリスクハイリターンになりやすいということを念頭におきましょう。

ボラティリティが高いのには良い側面もあります。株やFXでは利益をあげるために,レバレッジという制度を使って,自分のもっているお金を担保に入れてそれよりも大きなお金で取引することが多いですが,仮想通貨はボラティリティが高いので,レバレッジをかける必要が株やFXに比べて少なく,借金のリスクを負わずにトレードをすることができます!

株やFXよりもビットコインの取引を始めてみたいな〜という方はこちらの記事を是非読んでみてください!

ビットコインを始めてみようとしたけれど、何をすればいいのか分からない…そんなあなたも大丈夫!必要な手順は全て網羅しています!これを読めば自分でも取引ができるように!そして気になるリスクもしっかり解説。安心して取引を始めましょう!


主要仮想通貨のボラティリティランキング!

主要な仮想通貨でボラティリティにどのくらいの差があるのでしょうか。こちらでBTC,ETH,LTCの3通貨のボラティリティを見ることができます。

2017年10月20日の30日間ボラティリティは,

1位ライトコイン(LTC) 5.07%

2位イーサリアム(ETH) 4.01%

3位ビットコイン(BTC) 3.69%

となっており,ライトコインが最もボラティリティが高く,ビットコインのボラティリティが最も低くなっています。これは日によって大きく変動しますが,全体的な傾向としてイーサリアム(ETH)がビットコイン(BTC)よりもボラティリティが高いです。

ボラティリティはどういう計算式から分かる?

ボラティリティのざっくりとした意味は説明しましたが,ここでは少し数学的な説明に踏み込みつつボラティリティを説明していきたいと思います!参考程度のものなので興味のない方は読み飛ばしてもらって構いません。

ボラティリティの厳密な定義

ボラティリティとは、ある資産の価格が幾何ブラウン運動モデルという式に従うと仮定したときに,その式の中に出てくるある定数の名前のことです。

まず,幾何ブラウン運動モデルとは,価格をS(t),ブラウン運動と呼ばれるランダムな動きを表すものをB(t),σ,μをある定数とした時に,

という式に従うよ,というものです。実際の価格変動が完全にこれに従っているわけではないので「モデル」というわけです。

さて,ここに出てくる定数σのことをボラティリティといいます。詳しい式の意味は置いておいて,ボラティリティがランダムな要素B(t)の係数になっていることが分かりますよね?つまりボラティリティが大きければB(t)の変化の影響を大きく受けて,小さければ影響も小さくなるというわけです!

このボラティリティの値の求め方の違いによってヒストリカル・ボラティリティ(HV)とインプライド・ボラティリティ(IV)の2種類が出てくるわけです。それぞれについて見ていきましょう。

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)は標準偏差のこと

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)とは,過去の価格データから求めた(正確には,推定した)ボラティリティのことです。

過去の価格データを等間隔にn+1個取っていった時にそのi番目の価格をSi(i=0のときが一番古いデータ)とすると,ヒストリカル・ボラティリティ(HV)をσとして,

と求めることができます。式の意味をざっくりと説明すると,ある一定期間経った時に価格が何倍になっているか,というデータをたくさん取っていったときに,その比率のブレやすさがσになっています。ボラティリティのもともとの定義と近いのがわかるかと思います。


こういった数式に踏み込んだ説明からわかることは,データを取る間隔やデータをとる個数nによってボラティリティの値は変わってしまうということです。ボラティリティの値は取引所によって違うことはすでに述べましたが,計算のしかたによっても異なってくるということです。ボラティリティが低くなるように計算したりすることも可能ですので,どういう計算から得られたボラティリティなのか注意しておきましょう。

インプライド・ボラティリティ(IV)はどういうもの?

インプライド・ボラティリティ(IV)とは,オプション取引というもので用いられる,将来どのくらい価格変動が激しくなるかを表した値です。数式は難しいのでここでは省略します。アメリカでは仮想通貨のオプション取引も始まったりしているので少しオプション取引について説明します。

オプション取引というのは,ある期間が過ぎたときにある価格で商品を買えるという権利を取引するものです。例えば,1BTCを1年後に80万円で買える権利を1万円で購入したとします。仮に1BTCが1年後に100万円になったとすると,100-(80+1)=19万円の得になります。逆に,ビットコインが下落して1BTCが40万円になってしまった時は,1万円で買った権利を放棄することができます。

この例から分かるように,オプション取引において価格の下落は権利の価格の分の損にしかなりません。そこでオプション取引では,ボラティリティが高いほど取引所が損する可能性が高くなってしまうので権利の価格は高くなります。よって,インプライド・ボラティリティ(IV)はオプション取引において重要な要素になっているわけです。

Excelを使って計算してみよう!

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)はさほど難しい計算ではないのでExcelを使って計算することができます。「ビットコインの2013年4月28日から2017年10月21日までのデータを1日おきで取った場合」を例にして説明します。

CoinGeckoからデータを取ってくる

まずこちらを開きます。チャートの下にある”Exported As”というところを押して”CSV”を選択するとExcelが起動します。すると,2013年4月28日から今日までのデータが1日ごとに表示されているはずです。

比率を出して,その自然対数を取る

Eの列の上から3番目(E3)に「=B3/B2」と打ち込んでください。そうするとB3の値をB2で割った値がでます。そして,E3を選択したとき右下に出てくる四角を押したまま下へずーっと引っ張っていくと,毎日の価格比が自動で計算されていきます。

次に,F3を選択したら数式パレットの中にあるLNというという関数を選択し,()の中にE3と入力します。先ほどと同様に,F3をクリックした時に出てくる右下の四角を押したまま下へずーっと引っ張っていくと,さっき求めた比率の自然対数というものが求まります。

標準偏差を求める

Fの列にあるデータの標準偏差を求めればそれがヒストリカル・ボラティリティ(HV)になります。

Fの列の一番下のデータが何行目にあるのか確認してください。2017年10月21日に行なったので1637となっています。

F1638のところを選択して,数式パレットの中にあるSTDEV.Sを選択して,()の中にF3:F1637と打ちます。(1637のところは行う日によって当然違いますので,自分でFの列の一番下のデータの行番号を入力してください。)

これで,ヒストリカル・ボラティリティ(HV)が求まりました!今回は0.043203961というだいぶ小さな値が出ましたが,これはデータを取る間隔が1日ごとで小さいからです。くれぐれも複数の商品のボラティリティを比較するときに求め方が違ったりすることのないように気をつけてください。

必要に応じて不要なデータを消せば,好きな期間,好きな間隔でのボラティリティを計算することができます!

ボラティリティについての気になるQ&A

ボラティリティインデックスって何?

 ボラティリティインデックスとは,オプション取引において,投資家たちが今後の値動きがどのくらい激しくなると予想しているかを表す値のことです。リーマンショックの際に話題になった恐怖指数もこれと同じです。

ボラティリティスマイルって何?

 ボラティリティスマイルとは,オプション取引において,権利行使価格を横軸に,インプライド・ボラティリティを縦軸に取ったときに描かれる,下に凸な笑った時の口のような曲線のことを指します。

ボラティリティが大きい(高い)って英語でどう言えばいいの?

 ボラティリティが含まれる簡単な英語表現をいくつか紹介しておきます。
Bitcoin has a high volatility.(ビットコインのボラティリティは高い。)
Risk is defined as volatility.(リスクはボラティリティとして定義されている。)
What is the difference between historical volatility and implied volatility?(ヒストリカル・ボラティリティとインプライド・ボラティリティは何が違うの?)

ボラティリティまとめ

ボラティリティは価格変動の激しさを表す指標で,2種類あるうちのヒストリカル・ボラティリティの方は自分でも計算することができるというのがわかったと思います。また,その求め方は場合によって様々ですから,求め方の違うボラティリティの比較など,無意味な比較をしないように,騙されないようにしましょう。


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