2018年初めから続いていた市場の低迷は、現在、暗号資産(仮想通貨)市場始まって以来の長い「冬」を迎えている。

しかし実は、これまでビットコインが経験してきた3度の下落の中では今回が最も下落率が小さいのだ。

現在の下落トレンドは過去最長だが下落率は最低 過去の下落トレンドと比較

米大手ビジネスメディアCNBCのRan Neunerは、あと一ヶ月で2018年に始まったこの下落トレンドが過去最長となることをツイートした。

下落トレンドの正確な長さを定量的に求めることは困難だが、このツイートでは下落傾向の強さ・長さにスポットが当てられている。

(2018/2019年の下落トレンド 出典:TradingView)

最高値である19,700ドルを付けた2017年12月17日を下落の開始日と捉えると、402日が経過していることになる。

また、その最高値から直近の底値である3,100ドルまで、実に約84%の下落が生じているのだ。

過去最高値から次の底値までを「下落トレンド維持期間」とカウントすると、2014/2015年にまたがる下落トレンドは410日続いている。

(2014/2015年の下落トレンド 出典:TradingView)

2013年11月30日時点で約1,180ドルと過去最高値を記録した。しかし、2015年1月14日に価格が急落して最安値の155ドルを記録した。この落差は実に87%の下落だ。

そして最後にビットコイン史上初の長期下落トレンドを見てみよう。

(2011年の下落トレンド 出典:99Bitcoins)

2011年6月9日から2011年11月18日までの162日間にわたる最初の下落トレンドだ。

年始わずか0.3ドルだったビットコインは、ダークウェブでの需要が後押しして6月中旬には29.58ドルの高値を記録する。

しかしそこから価格は下落し続けることになる。2011年11月18日に2.14ドルの底値を付けるまでのわずか5ヶ月半の間に、ビットコインは93%近く下落した。

このような過去の下落トレンドに比べると、今回の下落トレンドは長期でこそあれ下落幅はまだマシな方だと言える。