記事の概要

  • Zaifを運営するテックビューロ社は新規顧客の登録停止措置の延期を発表。被害資産の補填システムが整っていないことが露わに。
  • その他にも散見される問題点をリストアップ。事件解決への道のりは長いことが予想される。
  • 今回の事件に関して金融庁が本格調査を開始。今後国内取引所への規制が厳しくなる可能性も。

 

Zaifは新規顧客登録中止措置の延期へ

仮想通貨取引所Zaifのオーナーであるテックビューロ社は、仮想通貨流出事件に伴った一時的な新規顧客登録中止措置を延期することを発表しました。

この措置はZaifから約67億円相当の仮想通貨が不正流出された2週間後の9月28日に発表されたもので、テックビューロ社は顧客への補償方法が具体的に決まったところで新規登録を再開すると記者会見において発表していました。その後、同社は日本の投資運用会社フィスコに約50億円の資金援助を申し出ています。この援助は顧客への被害補償になると期待されており、テックビューロ社は記者会見にて「基本合意に達したあと、正式な契約締結のために協議と交渉を行なっています。顧客の資産を補填しようという方針に変更は一切なく、具体的な対応を引き続き検討しているところです。内容が決まり次第、すぐにお伝えしたいと思います。」と発表していました。これにより、払い戻し方法が具体的に定まるまでは新規登録を再開するべきではないというのがZaifの考えであり、テックビューロ社は延期措置をしても既存の顧客には影響を与えないものだと考えていることが明らかになりました。​しかし、10月1日現在取引は未だに交渉段階にあるようです。そして今回新規登録中止措置を延期をしたことで運営元が被害補填の体制を未だに整えていないことが露わになってしまいました。​

また、上記に述べた補償体制が整っていないこと以外にも今回の事件に関する問題は残っています。

第一に、流出被害が確認されるまでに時間がかかったことが挙げられます。事件が起こったのは14日であったにも関わらず、Zaif側が事件を確認したのはその3日後で公式発表を行なったのはさらに3日後。対応の遅さは指摘の声がかなりあがっています。

さらには筑波大学面和成准教授らの研究によると、流出した資金が3万件を超えるアドレスに拡散されて身元がわからなくなっていることにも大きな懸念が表れています。不正アクセスの犯人は攻撃元を分からなくした状態での現金化を測っていると考えられ、仮想通貨取引におけるマネーロンダリング問題を浮き彫りにしてしまいました。

事件発生後から4週間近くが経過した現在(注.10月8日)でも、犯人の特定および顧客資産の補填という二つの大きな課題が残っているのはユーザーの不安を膨らませることになってしまっています。

金融庁も本格的な調査に乗り出す

金融庁は事件前までのZaifのセキュリティシステムに関する調査をしていることを明らかにしました。同庁は既にテックビューロ社のユーザー保護システムを調査しているようです。金融庁は3月と6月の2回にかけて業務改善命令を出すなど、Zaifのセキュリティシステムに関して事件以前から勧告をしていました。これには1月のCoincheck流出事件を受けて日本の仮想通貨取引所の安全性を強化しようという狙いがありました。それにも関わらず今年の1月から6月にかけての半年間で160種類の仮想通貨が総額約604億円に相当する盗難被害に遭っており、被害額を補填することができない取引所が多く顕在するのが問題になっています。

今回の盗難事件を受けて金融庁からの風当たりが強くなったのは間違いないでしょう。今後の国内取引所運営にさらなる規制がかかることが懸念されます