韓国は「統一化された規制」を講じ、ICO復活へ向けて動く

今回制定される新しい政策は、韓国内全ての暗号資産(仮想通貨)取引所オペレーターに関連する「統一化された規制」となっています。この強化された政策には、マネーロンダリングや他の違法行為に対する保護策も含まれています。この変更は金融政策を監視し、金融監視委員(FSS)を監督する機関である金融サービス委員会(FSC)によって作られたものだそうです。コリアン・タイムズによると

「統一されたルールを確立することは、政府機関が広大な範囲に渡って評価しなければならないことを考慮すると、とても複雑な問題です。そして微調整によるガイドライン形成を行う初期にある同国は、綿密な国際協力を必要としています。」とある役員は言っており、
「規制当局が暗号資産(仮想通貨)に対して否定的ではないことから、マネーロンダリングをはじめとした違法行為を防ぎ、検出するためのポリシーを適用するために、FSCはルールを改定しました。​」と別の役員が発言しています。

政府機関はまた、暗号資産(仮想通貨)に関する政府のスタンスを変えるつもりはないとしており、その理由としては同国は暗号資産(仮想通貨)を「金融資産」として評価するのが困難であるとしているからです。(同機関は以前は暗号資産(仮想通貨)を「投資のための非金融商品」としていました。)

その一方で暗号資産(仮想通貨)は世界的に今も成長し続けている業界ですが、韓国政府の懸念としては規制が間違った方向に進む事で市場操作に繋がり、結果として大きなボラティリティーを引き起こすことを恐れています。そして、この懸念があるが故に暗号資産(仮想通貨)資本は安全が保障されているか疑問に感じ、大規模な投資が妨げられてしまいます。韓国の貿易大臣は公式に、以下のように述べています。

政策の大きな転換は起こりそうにないが、政府は暗号資産(仮想通貨)ベースの資産に対する方針を段階的に変えていくことが必要であると考えているようです。キャッシュレス社会実現に向けて韓国は暗号資産(仮想通貨)技術を重視する必要があるため、規制当局はノウハウを得て暗号資産(仮想通貨)取引の可能性を理解した後に、適切かつ慎重に規制する方法を見つけるべきだ。

さらに金融監督員と金融サービス委員会の動きによって、今年3月にG20諸国の金融政策決定者が暗号資産(仮想通貨)の「統一化された規制」への第一歩を踏み切るための期限を7月に設定しました。

それから数ヶ月に渡って、国会は規制当局が昨年末に禁止したICOを再び合法化する計画を積極的に進めてきました。民主党のホン・ウィリク議員によると、現在過度に厳しく投資家保護を行なっているICO禁止法案を解除し、再びICOを可能にする法案の協議を進めているようです。

今年のはじめ、金融監督員の新総裁であるユン・ソクホ氏適切な規制を施すことによって暗号資産(仮想通貨)市場が成長し、市場安定化をもたらすと報じました。NewsBTCが報じたところでは、ユン氏によるとこうした市場安定性によって暗号資産(仮想通貨)業界はブロックチェーンベースの製品やサービスを国内で開発することができるようになり、暗号資産(仮想通貨)エコシステム全体の成長を促進することになると述べています。

コインパートナーの見解

​韓国がブロックチェーン技術に着目し、キャッシュレス社会実現へ向けて動きを見せていることはこれまで頻繁にニュースに取り上げられていますが、時期を追うごとに具体的にその政策が進んでいるように見えます。特にICO復活は実現したら大きな動きが起こりそうです。

韓国は従来から貨幣決済の最小単位が小さいこともあって電子決済導入に積極的だったので、暗号資産(仮想通貨)の検討も今後他国と比べても先進的に取り組んでいくのではないでしょうか。そしてICOの検討が今回のニュースの中では特筆すべき事です。一度はその是非が疑問視されたICOも今では再び検討し直そうという姿勢が世界中で見られます。こうした情勢を受けて(ICOに対して全面的に厳しい姿勢を見せている)日本がどういった動きをするのかにも注目です。