イーサリアムはハードフォークでどう変わるの?価格にはどう影響するの?

このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。

そんなあなたもハードフォークに関する疑問はここで全て解決しましょう!

この記事では、イーサリアム史上最大のハードフォーク「イーサリアム2.0」についての概要や価格への影響を解説していきます!

読み終わるころには、イーサリアムへの投資判断が下せるようになるでしょう。

イーサリアムのハードフォークとは?

イーサリアムのハードフォークとは、イーサリアムの機能改善のために行われるブロックチェーンのアップデートのことです。

ブロックチェーンについて、イマイチ理解できていないな…という方はまず以下の記事をご覧ください!

そもそもハードフォークとは?

ハードフォークの特徴

  • 新旧ブロックチェーンの永続的な分岐
  • 新旧ブロックチェーンの置き換えが不可能
  • 暗号資産(仮想通貨)が2つに分裂

 ハードフォークとは、機能改善などのアップデート(承認ルールの変更)に伴うブロックチェーンの分岐のことです。

1つ目の特徴は、ハードフォーク前後のブロックチェーンが永続的に分岐することです。すなわち、アップデート前と後では全く別のブロックチェーンになってしまいます。

2つ目の特徴は、ハードフォーク前後でブロックチェーンの置き換えが不可能であることです。承認ルールが変更されるので、生成されたブロックは新しいブロックチェーンでは承認されますが、旧ブロックチェーンでは承認されません。

3つ目の特徴は、暗号資産(仮想通貨)の分裂です。有名な事例としては、ビットコインキャッシュ(BCH)やイーサリアムクラシック(ETC)などがあります。

イーサリアムの機能改善が目的

イーサリアムのハードフォークは、ETCのような例外はあるものの基本的には通貨の分裂は起こらず、運営する開発者コミュニティ全員の合意に基づいて実行されます。

主な目的は、セキュリティの強化・マイニング方法の変更、取引速度の向上(スケーラビリティ問題の解決)などが行われます。

イーサリアムのハードフォークは4段階

イーサリアムのハードフォークは、主に4段階のアップデートが予定されています。アップデートの内容はEthereum Improvement Proposals(EIP)に記されており、この中のいくつかの改善提案が各段階で実装されていきます。EIP公式ページ

2021年6月現在、4段階目のセレニティがまさに進行している最中です。

4段階のアップデート概要

1段階目のハードフォークは、Frontier(フロンティア)と呼ばれています。これは2015年7月に行われたハードフォークで、バグの修正とスマートコントラクトなどの機能テストが主な目的です。

これにより、イーサリアムのリリース準備が整い、正式に公開されました。

2段階目は、Homestead(ホームステッド)です。これは2016年3月に行われたハードフォークで、マイニング難易度の調整が主な目的です。

これにより、コンセンサスアルゴリズムPoWにおけるマイニング難易度が緩和され、マイナーの一極集中が軽減されました。

また、トランザクションの承認スピードが上昇し、スケーラビリティが向上しました。

3段階目は、Metropolis(メトロポリス)と呼ばれ、その中でもさらに2つの段階に分かれています。

1つ目はByzantium(ビザンティウム)、2つ目はConstantinople(コンスタンティノープル)です。

Byzantium(ビザンティウム)

3段階目の1つ目であるByzantium(ビザンティウム)は、コンセンサスアルゴリズムの変更準備が主な目的で、2017年10月に行われました。

これにより、PoWのデメリットであるマイナーの大量電力消費や51%攻撃が解決し、保有量に応じてマイナーが決定する仕組みになりました。

また、トランザクションにおける匿名性強化、2度目のマイニングの難易度緩和も実装されました。

Constantinople(コンスタンティノープル)

3段階目の2つ目であるConstantinople(コンスタンティノープル)は、EVMの計算速度向上やブロックのハッシュ方法の再編成などが主な目的です。

少し難しそうですが、簡単に言うと、これによりアプリなどの開発者にとってイーサリアムのプラットフォームを用いたプログラム開発が行いやすくなりました。

4段階目のハードフォークは、Serenity(セレニティ)と呼ばれています。

そしてセレニティを経て完成形となったイーサリアムのことを「イーサリアム2.0」と呼びます。このアップデートで全てのハードフォークが完了する予定です。

セレニティでは、3段階目のByzantiumで準備されたコンセンサスアルゴリズムが完全移行されます。

また一度のアップデートで実装されるわけでなく、いくつかのフェーズに分けて段階的に進められていきます。全てのアップデートが終了するのは2022年ごろになると言われています。

最終アップデートセレニティ「イーサリアム2.0」とは

イーサリアム2.0とは、セレニティが実装され完成形となったイーサリアムのことです。

イーサリアム2.0リリースまでの今後の流れは以下の通りです↓

フェーズ 主な内容
フェーズ0
(完了)
イーサリアム2.0のブロックチェーン
「ビーコンチェーン」が起動
フェーズ1
(進行中)
シャーディングの実装
フェーズ2 イーサリアム2.0へ完全移行
PoW→PoSへ

以前までは、フェーズ2のリリースは2022年〜2023年ごろになると言われていました。ですがイーサリアム考案者のヴィタリック・ブテリン氏は、各フェーズを並行して開発を進めていくことで、予定よりも早くリリースできる可能性を示唆しています。

イーサリアム2.0では主に次の三点が大幅に改善されます↓

イーサリアム2.0で改善される
3つのポイント

  1. スケーラビリティが大幅に改善される
  2. セキュリティが大幅に改善される
  3. より持続可能なネットワークになる

1.スケーラビリティが大幅に改善される

イーサリアムの大きな課題として知られていた「スケーラビリティ問題」ですが、ついに改善されます。

イーサリアム2.0では、メインチェーンとは別のチェーンが64個生成されます。

これをシャードチェーンと呼びます。

現在のイーサリアム(PoW)のブロック生成時間が約15秒なのに対して、シャードチェーンのブロック生成時間は約6秒になると言われています。

そんなシャードチェーンが64個実装される予定ですから、単純計算で処理性能は128倍になります!

2.セキュリティが大幅に強化される

イーサリアム2.0では承認アルゴリズムが、PoW(仕事量による証明)からPoS(資産保有による証明)に変更されます。これによりネットワークのセキュリティが強化されます。

既存のPoWでは資本力をもつマイナーに権力が偏ってしまう問題がありました。マイナーに権力が偏ると、意図的に不正なブロックをつなげることができてしまうため、権力の分散化は、ネットワークのセキュリティ強度に直結します。

PoSでは、バリデータ(マイナー)になるための条件は32ETHをぴったり保有することだけです。32ETH以上保有しても、ネットワークに与える影響力が強くなるわけではないので、バリデータの分散化が進むでしょう!

3.より持続可能なネットワークとなる

従来のPoWは大量の電力を消費してしまうため、地球環境にかける負荷がとても大きく、長期的にネットワークを維持させる仕組みとしては不向きでした。

イーサリアム2.0により承認アルゴリズムがPoSに変更されることで、長期的にネットワークを持続させる未来が明るくなります!

ハードフォークがETH価格に与える影響

機能改善への期待感から価格が上昇

イーサリアムのハードフォークは機能改善が目的ですので、その期待感から価格が上昇することは大いにありえます。

ですがイーサリアム2.0への移行計画は今に始まったことではなく、イーサリアム誕生当初から計画されていたものです。そのため期待感はすでに市場(価格)に織り込まれているものだと考えられます。

アップデート直前になり急騰するというパターンではなく、じわじわと価格の最低ラインを更新していく形になるだろうというのがコインパートナーの見解です。

デフレになり価格が上昇しやすくなる

イーサリアム2.0では、市場に流通させるETHの量を減少させる仕組みがいくつも用意されています。

これによりインフレ率が非常に低くなると言われています!

供給量を減らす主な仕組み

  • Eth1と比べて新規発行量が減る
  • ほとんどのガス代がバーンされる
  • ステーキングシステムの導入

特にバーンについては、ネットワークの利用拡大とともに焼却量が増えていくので、DeFiやDApps分野の活躍によってはデフレになる可能性も考えられます!

ガスのバーンシステム導入は2021年7月

ガスのバーン(焼却)システムは、2021年7月に予定されている「ロンドン」というハードフォークにて実装されます。

無事実装されれば、これまでマイナー報酬であったガスが全てバーン(焼却)され始めます。マイナー報酬になると大きな売り圧として機能してしまう側面がありましたが、これがなくなることでETHの価格は上昇しやすくなると考えられるでしょう。

一時的に下落するおそれのあるポイント

価格にポジティブな要因がある一方で、短期的には下落するおそれのあるポイントもあります。

一時的に下落するおそれのあるポイント

  • マイナーが流出するとき
  • ステーキング中のコインが引き出せるようになったとき

PoWからPoSへの変更により、通貨の保有量に応じてマイナーが選出されるため、高性能コンピューターを用いてマイニング報酬を得ていたマイナーのインセンティブが失われます。これによってマイナーが他の暗号資産(仮想通貨)に移ることが考えられるため、一時的に売り圧力が増加する可能性があります。

またイーサリアム2.0では新しくステーキングシステムが導入されます。

このステーキングは今からでも利用することができるのですが、アップデートがある程度進むまでは、預けたETHをしばらく引き出すことができません。

Eth2 ステーキング

(引用:CryptoQuant)

2021年6月現在、すでに570万枚ほどのETHがEth2にステーキングされており、これは供給量全体の約5%にあたります。引き出しが可能になるのは2022年ごろのようなので、ステーキング量はさらに増加する見込みです。

ステーキングしているETHを引き出せるようになったタイミングで、売りが加速する可能性は十分に考えられるでしょう。

引き出しが可能になった際の価格には要注意です。

イーサリアム2.0の具体的な3つの仕組み

イーサリアム2.0では、次の3つの技術の実装が大きな目玉と言われています↓

  • PoS(プルーフオブステーク)
  • Sharding(シャーディング)
  • EIP1559*1

*1:厳密には別のハードフォークにて実装されます。

ここからはこの3つの技術の概要を解説していきます。

1.PoS(プルーフオブステーク)

〜これだけ抑えれば大丈夫!〜
PoS(プルーフオブステーク)とは

  • 新しい承認アルゴリズムのこと
  • 32ETHあれば誰でもマイナーになれる
  • 権力の集中化を防ぐ&環境にやさしい

PoS(プルーフオブステーク)とは、イーサリアム上の取引を処理するための新しい承認アルゴリズムです。

これまではビットコインと同じPoW(プルーフオブワーク)が採用されていましたが、PoWは膨大な電力を必要としてしまうため、環境への負荷が大きすぎることや、より大きな資本力をもつマイナーの力が大きくなりやすい問題などを抱えていました。

そこで考案されたのがPoSです。

PoSでは、一定量のイーサリアム(ETH)を保有しているユーザーの中からランダムでバリデータ(マイナー)を選出します。

といっても、ETHの枚数が多いほど力が増す仕組みではありません。バリデータになるには、32ETHをぴったり保有していることが条件です。32ETH以上保有することによるインセンティブは用意されていないため、より大きな資本力をもつユーザーに力が集中しにくい設計になっています。

PoSを導入することで、権力の集中化を防ぐだけでなく、地球環境にかける負荷も大幅に軽減されるため、長期的にネットワークを持続できる未来が明るくなります。

ステーキングは今からでも始めることができる

イーサリアム2.0自体はまだ完成していませんが、ステーキングに関しては今からでも始めることができます。

イーサリアム2.0のチェーンである「ビーコンチェーン」自体はすでに起動しているため、あとは32ETHさえあればステーキングが可能です。

イーサリアム2.0ローンチパッドへ

 

ただし直接Eth2にノードを立てる場合、多少プログラミングの知識が必要になるので、非エンジニアの方は少し苦労するしれません。 専門知識なしで実践したい場合は、取引所サービスを介してステーキングするのが良いでしょう。

すでにバイナンス(Binance)やコインベース(Coinbase)などでは、イーサリアム2.0のステーキング代行サービスが提供されています。

一度Eth2にステーキングすると、シャードチェーンが実装されるまで預けた資金を引き出すことができませんので注意してください。

 

2.Sharding(シャーディング)

〜これだけ抑えれば大丈夫!〜
Sharding(シャーディング)とは

  • メインチェーンとは別にたくさんチェーンを作り、処理を分散させる技術
  • スケーラビリティを大幅に改善する
  • 新たにできたたくさんのチェーンを「シャード」と呼ぶ

Sharding(シャーディング)とは、メインチェーンの負担を分散させることで、トランザクションの処理性能を飛躍的に高める技術です。

まずシャーディングでは、64個のシャードと呼ばれるブロックチェーンを新たに構築します。次にバリデータたちを、各シャードチェーンにそれぞれグループ分けし配置していきます。グループ分けされたノードたちは、自分の担当するシャードチェーンのトランザクションのみを検証していきます。

イーサリアム シャーディング

(引用元:What you can do for Ethereum 2.0 a.k.a. sharding  画像は一部変更を加えています)

例えば500のノードがあるネットワークに、10,000個の取引が流れてきたとします。このとき従来の仕組みだと、500のノードすべてが10,000個の取引をすべて検証しなければなりません。実際に承認できるのは一人だけなのにです。

ではシャーディングの例を見てみましょう。 まず500のノードを100ずつ、計5つのグループに分けます。そしてグループごとにそれぞれ取引を2,000個ずつ検証してもらいます。このとき各グループは順番にではなく、同時に検証を行っています。

このようにノードの検証リソースを分割して効率よく活用することで、ネットワーク全体のスケーラビリティを大幅に改善するのが、シャーディングの大まかな仕組みです。

シャーディング シャッフル

(引用元:https://blog.ethereum.org/2020/03/27/sharding-consensus/ 画像は一部変更を加えています)

またシャーディングには、一つのシャードにて複数のバリデータが共謀してしまうリスクもありました。

ですがこれは、一定の周期でネットワーク上のバリデータをすべてシャッフルすることで、複数のバリデータが共謀できないよう対策されています。

3.EIP1559

〜これだけ抑えれば大丈夫!〜
EIP1559とは

  • 新しい手数料モデルのこと
  • ガス代が一律になり、ほとんどのガス代はバーン(焼却)される
  • 発行済み枚数が減ることで、ETHの希少性UPにつながる

EIP1559とはイーサリアムの新しい手数料モデルのことです。

こちらはフェーズ0~2の中に直接盛り込まれているアップグレードではなく、2021年7月予定の「ロンドン」という別のハードフォークにて実装される仕組みです。

まずここでいう「手数料」とは「ガス代」のことです。

まずは従来の手数料モデルの問題点を見ていきましょう。

従来のガス代はユーザーが自由度高く設定できる「オークション形式」が採用されていました。しかしこれだと市場が混雑したときに高騰しやすくなり、低いガスが設定されている取引は、処理に時間がかかってしまう問題がありました。これは全てのガス代はマイナーの報酬となるため、マイナーは高いガスが乗せられている取引を優先して処理する傾向があるからです。

そんな問題を解決するのがEIP1559です。

EIP1559の重要ポイント

  • ベースフィー(基本手数料)システムの導入
  • 支払われたベースフィーのバーン(焼却)

基本的にユーザーが支払うガスは、あらかじめ決められたベースフィー(基本手数料)のみになります。各取引に乗せられるガスにムラがなくなることで、一つのブロックによりたくさんの取引を詰め込めるようになります。

追加料金としてプレミアムを支払えば優先して処理されるようになりますが、これには上限が設定されます。

さらに支払われたベースフィーは全てバーン(焼却)されます。バーンされると市場に存在するETHが減少するため、需要と供給の関係から、ETHの価格は上がりやすくなると考えられています。

イーサリアムのハードフォークまとめ

この記事では待望のハードフォーク「イーサリアム2.0」について主に解説しました。

コインパートナーとしては、イーサリアム2.0の将来性は非常に高いものだと考えています。一時的に下落するポイントは考えられるものの、ETHの価値を向上させる仕組みが揃えられているため、長期目線での投資対象としてとても魅力的です!

もちろんまだリリースされていませんので、アップデートの進捗に何か不備があれば、市場にネガティブな印象を与えてしまうこともあるかもしれません。

この記事が投資判断の一助となれていれば幸いです。