分散型取引所セラム(Serum)/SRMの今後・将来性

通貨評価

評価基準 評価(20段階)
流動性/市場要因 11点
ブロックチェーンの性能 18点
将来性 17点
開発力 16点
スキーム 18点
合計 80点

他の主要通貨との比較

  • ビットコイン(BTC):98点
  • イーサリアム(ETH):98点
  • ソラナ(SOL):86点
  • セラム(SRM):81点
  • アーべ(AAVE):81点
  • 1inch(1INCH):78点
  • アバランチ(AVAX):74点

価格予想

SRMチャート 2021/11

SRMは5月に一度高騰しましたが、その勢いも長くは続かず、7月にかけて約-80%もの下落を記録しました。しかし8月に入るとsolanaエコシステムの銘柄が相次いで高騰。SRMもその勢いに乗り、最高値である13.7ドルを突破しました。 執筆時時点(2021年11月)では、6.40ドル~8.20ドル間を推移しています。

今後、8月ごろからレンジ上限として意識されている8.2ドル付近を上回る動きがあるとすれば、最高値13.7ドルを目指して再び上昇する可能性があると考えられます。

ロードマップ

フェーズ1 ・SRMトークンのリリース
・SerumDEXのリリース
フェーズ2 ・独自市場の形成、基盤づくり
フェーズ3
(進行中)
・より多くの機能のリリース
(レンディング,AMM,デリバティブ取引など)
・より多くの流動性を確保

公式ロードマップはこちら

セラム(Serum)プロジェクトの特徴

1.プロジェクト概要

セラム(serum)は、仮想通貨取引所FTXが主導し開発を進める分散型取引所(DEX)です。

基盤には同じくFTXが開発するsolanaチェーンを採用しています。solanaは単独のチェーンでありながら秒間5万トランザクションの高速処理を実現します。 さらにsolanaにはクロスチェーン機能が盛り込まれており、ゆくゆくはイーサリアム2.0とのswap取引を可能にすることで、イーサリアムの流動性に直接アクセスする予定です。

セラムは数あるDEXの中でも珍しい「オーダーブック」をもつDEXです。指値注文を用いた、現物・デリバティブ商品の取引所として機能します。またsolanaエコシステムに準拠したBTCやステーブルコインを発行する場としても利用されます。

SerumDEXはこちら

ホワイトペーパーはこちら

2.開発理念

セラムは「より速く、より早く、より強力なDeFi」を目指して開発されています。

多くのエコシステムが直面しているスケーラビリティ問題を重く捉え、長気目線で解決するソリューションとしてsolanaチェーンを採用しています。

solanaチェーンはビジョンを実現するための核だといえるでしょう。

3.ターゲット市場・サービス需要

セラムがターゲットとしているのは、より良いレートでの取引を望む仮想通貨トレーダーたちだと考えられます。

これは多くのDEXで採用されているAMM(自動マーケットメイカー)だけでなく、あえてオーダーブックという仕組みを取り入れていることからわかります。

基本的にAMMでは指値注文ができないため、頻繁にトレードしたいユーザーにとってはあまり向いていない現状がありました。それに対して指値注文のできるオーダーブックは、よりトレーダー特化のシステムです。

これにより既存のDEX市場はもちろん、中央集権取引所(CEX)とも競合することになるでしょう。

4.開発組織/体制

セラムの開発陣はとても優秀です。

セラムは海外仮想通貨取引所であるFTXが中心となって開発されています。FTXのCEOであるサム・バンクマンフリード氏は「仮想通貨界の天才」と呼ばれるほど優秀な人物で、2019年5月に設立されたFTXをたった2年で世界ランキング第五位の取引所にまで成長させています。

セラムのアドバイザーにはバンクマンフリード氏はもちろん、同社CTOでGoogleでのエンジニア経験もあるギャリー・ワン氏、分散型レンディングプラットフォームCompound創設者のロバート・レシュナー氏など、たしかな実行力をもった人物たちが名を連ねています。

 

SRMトークンの役割

SRMトークンには次のような役割があります。

SRMトークンの役割

  • セラム内での取引手数料割引
  • バリデータになるために必要
  • コミュニティ内での投票券

SRM保有者は、セラム内の板取引で最大で50%の手数料割引を受けることができます。またセラム上の取引で支払われた手数料の一部はSRMの購入に利用され、購入されたSRMはバーン(焼却)される仕組みです。取引量が増えるほどSRMの希少性が高まりやすくなります。

バリデータになるためには、1,000万SRM保有と1MSRM保有が条件となっています。ユーザーは各バリデータに対し、SRMを用いてステーキングすることが可能です。

またSRMは今後、セラム内のガバナンストークンとして機能することも想定されています。セラムエコシステムの仕組みはほとんど変更の予定はありませんが、一部の要素変更が必要になったときにSRMを用いたガバナンス投票が行われる可能性があります。

参考:ホワイトペーパー

競合比較

1.既存産業との比較

セラムが競合するであろう既存サービスはやはり中央集権の仮想通貨取引所(CEX)でしょう。オーダーブックがあることでよりCEXに近いユーザー体験を実現すると考えられます。

ユーザーが仮想通貨取引所を選ぶポイントはいくつかあげられますが、取扱商品の内容/数・手数料の安さの二点が特に重要です。
現状のデータを見てみます↓

取り扱い商品 手数料
(オーダーブック)
セラム 現物約70銘柄のみ
(SPLトークン)
Maker:-0.03%
Taker:0.22%
(SRM保有量に応じてさらにお得に)
Binance 数百種類を超える現物/デリバティブ商品 Maker:0.1%
Taker:0.1%
(BNB保有量に応じてさらにお得に)

セラムの手数料体系は非常にお得に設計されています。特にMaker手数料が通常の状態から-0.03%であるという点は、ユーザーがセラムを利用する大きなインセンティブとして機能する可能性があります。

一方で、現状セラムで取引できるのは約70種類の現物銘柄のみです。さらにこれらを取引するためにはsolana独自の規格であるSPLトークンに変換する必要があります。

いくら手数料が安くても、取引を始めるまでにそれなりの労力が必要となるため、現状ではCEXユーザーがセラムに移動することは考えにくいです。

ですがこれはあくまで現状の話であり、今後の開発次第ではCEXユーザーの一部を獲得できる可能性があります。

クロスチェーンによるイーサリアムとの統合

セラムはsolanaのクロスチェーン機能によって、イーサリアムエコシステムと直接取引できるDEXを目指しています。実際に統合が完了すれば、高速処理かつ低コストが魅力のsolanaチェーンにイーサリアムの流動性が流れ込むことも想像に難くありません。

膨大な流動性によってCEXよりも最適な取引レートを提示できるようになれば、CEXからserumへ移動するユーザーも少なからず出てくるでしょう。

またイーサリアムと統合することで分散型のデリバティブ商品(合成資産)を作ることが容易になります。セラム開発団体のFTXがユニークなデリバティブ商品によってサービスを拡大させた経験があることを踏まえると、セラムでも同様の戦略をとる可能性は考えられます。

2.競合プロジェクトとの比較

ETHエコシステムとの比較

Serumはsolanaのクロスチェーン機能でイーサリアムエコシステムの流動性に直接アクセスするため、イーサリアム上のDEXと真っ向から競合することになるでしょう。

差別化のためには、いかにしてイーサリアムからより多くの流動性を吸収できる仕組みを作れるかが重要です。

solanaはその足掛かりとしてまず、Raydium(solanaベースのDEX)とSushiswap(イーサベースのDEX)の統合を計画しています。統合が完了され、実際にSushiswapからRaydiumへの流動性が移動することが確認できれば、今後のクロスチェーン実装にも期待がもてます。

またSerumおよびsolanaの基盤作りやクロスチェーン技術については、まだ開発段階であるという点に注意ですが、高い開発力をもつFTXが主導していることから、実現可能性はとても高いものと見てとれます。

BSCエコシステムとの比較

現状ではSerumとBSCエコシステム上のDEXは競合しにくいと考えられます。

理由はそれぞれの利用目的の違いです。

Serumは仮想通貨トレードでの利益を目的としたユーザーをターゲットとしています。それに対してパンケーキスワップをはじめとするBSC上のDEXは、ファーミングによる高い金利収入を目的としたユーザーが多い傾向にあります。

このようにターゲットとするユーザーが異なるため、現時点では競合する可能性は低いといえるでしょう。

SRMの投機的需要について

価格が上がるタイミング

SRMの価格が一時的に高騰するタイミングとしては、Serumの流動性増加につながるポジティブニュースが出たときが考えられます。

SushiswapとRaydiumが統合するというニュースが出た2021年2月23日には、実際にSRMおよびSOLの価格が大きく上昇しました。 このとき、BTCやETHといった主要銘柄はまったく異なる値動きをしていたことから、上記のニュースが一時的な高騰を引き起こした可能性は十分考えられます。

価格が下がるタイミング

逆に価格が下がるタイミングとしては、Serumおよびsolanaの開発に関するネガティブニュースが出たときに注意です。

またFTXにとってのネガティブニュースにより、solana系の銘柄がどういった値動きをするのかにも注目したほうが良いでしょう。

分散型取引所セラム(Serum)/SRMトークン まとめ

以上が、分散型取引所セラム(Serum)とSRMトークンについての解説でした。

FTXのバンクマン氏が想像するユニークなアイデアと、それを実現するFTXチームの高い開発力は他にはない強みだと言えるでしょう。 セラムを筆頭とするsolanaエコシステムの動向には今後も目が離せません。

 

(ここに記載された見解は著者のものであり、必ずしもコインパートナーの見解を反映するものではありません。すべての投資にはリスクが伴うため、意思決定の際には独自に調査を実施する必要があります。)