「APRとAPYって何か違いはあるの?!」

PancakeSwapなどの分散型取引所(DEX)イールドファーミング流動性マイニングステーキングを始めると、誰もが目にする「APR」と「APY」。

これらの違いを理解せずに仮想通貨の複利運用を始めてしまうと、思ってもみない損失を被ることになってしまいます。

そこで今回は、「APR」と「APY」の違いについて、計算方法や注意点と共に、一通り解説していきます!

APRとAPYの違い

「APR」と「APY」は仮想通貨の誕生以前より存在していた経済用語で、これら2つの違いを一言で表すと、複利を考慮して計算されているか否かという点です。

また、これらは単利計算か複利計算かという点でも表すことができます。

まずは、前提知識として、単利計算と複利計算の違いを見ていきましょう。

単利計算(APR)vs 複利計算(APY)

  • 単利計算(APR):利益が確定した際に、原資(元本)だけをそのまま運用すること
  • 複利計算(APY):投資によって得た利息を、原資(元本)に追加して運用すること

それでは、APRとAPYの具体的な違いを見ていきましょう。

「APR」とは

APRはの正式名称はAnnual Percentage Rate(年換算利回り)で、複利を含まない状態での年間収益率(%)を意味します。

APRでは、預け入れたトークンを1年後に回収した際の、単純な収益率を表しています。また、日利の計算方法は非常に単純で、APRを365で割ることにより表すことができます。

例えば、あなたが100万円分のLPトークンを、APR10%で分散型取引所(DEX)に預け入れた場合あなたが1年後に受け取る利息は10万円となります。ちなみに、1日の収益は10万/365で約274円となります。

APRが使用されている分散型取引所には主に、PancakeSwapRaydiumSushiSwapなどがあります。

「APY」とは

APYの正式名称は、Annual Percentage Yield(年換算利率)で、複利運用を考慮して計算された年間収益率(%)です。

APYはAPRに比べ、高い数値が表示されますが、一日単位での複利運用を前提とした数字になるので注意が必要です

つまり、実際に表示されているAPYの収益率を達成させるためには、複利運用を繰り返すことが前提となっています。

APYが使用されている分散型取引所には主に、CompoundCurve.fiなどがあります。

APRとAPYを決定する要因

APRとAPYの数値は主に、流動性プール内に蓄積されている通貨の総数(Liquidity)、または価格変動率(Volatality)によって決定されます。

通貨の総数が多く、通貨の価格変動率が少ない流動性プールのAPRとAPYは、信頼性があるとみなされ、低く設定されます。

APRとAPYの比較表 

以下が「APR」と「APY」の違いが一眼でわかる比較表になります。

APR APY
正式名称 Annual Percentage Rate(年換算利回り) Annual Percentage Yield(年換算利率)
計算方法 単利計算 複利計算
再投資時の投資額 元本のみ 元本+配当
理論上の収益率 年間を通してほぼ一定 半年以降に大幅増
数値の表記 低い 高い
取引所の例 PancakeSwap、Raydium Compound、DODO、Curve

 

APRとAPYの注意点3つ!

APRやAPYには、軽く1000%を超えていたりと、とても魅力的な数字ばかりが並べられています。

実際には、それほどの利益が見込めない状態が大半を占めます。

今回はその理由を3つほど紹介したいと思います。

APRとAPYの注意点3つ

  • APY表記は長期投資向け
  • 通貨の価値が下がる危険性がある
  • ガス代が考慮されていない

APY表記は長期投資向け

複利を考慮して計算されたAPYにおいて、表記されている通りの運用収益が出始めるのは、半年を超えたあたりからになります。

グラフで見ると、APRによってもたらされる利益が直線的に上昇しているのに対し、APYは半年を超えた辺りから方曲線を描き、ものすごいスピードで上昇していることがわかります。

このように、APY表記通りの運用成績を残したい場合、資金を1年間、根気強く拘束し続けなくてはなりません。

通貨の価値が下がる危険性

分散型取引所の流動性プール内に存在する、1000%などの高いAPR/APYを誇る通貨ペア達は、流動性も低く、価格変動率も大きなマイナートークンのペアが大半を占めています。

それらのトークンは、通貨の価値が落ちてしまう可能性が非常に高く、長い期間資産を預け続けても、結局は通貨の価値自体が落ちてしまい、利益が全く出ないということも珍しくはありません。

似たような高金利の例には、ギリシャの10年債の利回りが、一時45%を超えていたことがよく挙げられます。

ガス代が考慮されていない

分散型取引所で取引を行う際には、ガス代(Gas Fee)という手数料を毎回支払わなければいけません。

上記で述べたとおり、APY通りの運用成績を出すには、毎日複利運用をする必要があります。

つまり、少額の投資では、取引回数が積み重なった際に、ガス代ばかりがかかってしまい、むしろ損益を被ることになるかもしれません。

APRとAPYの計算が楽にできるツールを紹介!

Convert APR to APY.

こちらのサイトを利用することで、APRから、複利運用で取引を行う場合の収益率(APY)を導き出すことが可能です。

まとめ

以上がAPR(年換算利回り)とAPY(年換算利率)の違いや注意点になります。

実際に、パンケーキスワップなどの取引所には、つい手を出してしまいそうな、魅力的なAPRがズラリと並んでいます。

これらの違いを理解した上で、より賢く仮想通貨での資産運用を行うよう心がけてください。