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NXT(ネクスト)とは、ビットコイン2.0と呼ばれる、ビットコインの後継を目指して作られた最初の暗号資産(仮想通貨)プラットフォームです。
公開鍵暗号を自分で設定した名前と結びつける「エイリアス」や、商品の販売が可能な「マーケットプレイス」といった機能を備えています。
ブロックの承認方法にPoS(Proof of Stake)を採用していることが大きな特徴で、承認作業はフォージング(鋳造)と呼ばれます。
現在では、NXTの新プラットフォームとして開発されたArdorに立場を奪われています。
2016年夏のArdor発表後から、どんどん価格を下げていましたが、2017年春ごろから暗号資産(仮想通貨)市場の急激な拡大によって価格が高騰しました。
しかし、特に上げ材料もなかったためか九月の半ばごろには人気も収束し、高騰前より高い価格で落ち着いています。
今後も特にNXT自体の上げ材料は存在しないため、このまま安定し続けるか、あるいは徐々に値下がっていくでしょう。
PoSは、コイン保有量が多いユーザーが承認者になりやすいという仕組みです。ですから、フォージングによって利益を得たい人は、大量のコインを保有しておく必要があります。
すると、既に多くのコインを持っている人たちは、フォージングで有利になるためにコインを手放さなくなってしまう可能性があります。
NXTは、こうしてコインの占有が起きることで、通貨の流動性が下がってしまうかもしれないという問題を抱えています。
PoSの詳しい説明はこちらをご覧ください!
Proof of Stakeは暗号資産(仮想通貨)取引の承認システムの1つです。ビットコインに次いで有名なあのイーサリアムもこのProof of Stakeへ移行することを発表しています。仕組みや長所・短所はもちろん、イーサリアムの移行時期も教えます!
NXTをサイドチェーン化し、その機能を全て取り込んだArdorという暗号資産(仮想通貨)プラットフォームが2016年の8月に公開されました。これは、もともとNXT2.0として開発されていた、NXTの上位互換のようなプラットフォームです。
Ardorは、NXTの機能が全て使えるだけでなく、サイドチェーンが使えることによって、スケーラビリティも著しく向上しています。
このArdorの登場によって、NXTの存在感はかなり薄れてしまいました。
コインパートナーではArdorを扱った記事もあるのでこちらもどうぞ!
NXTの後継として開発された暗号資産(仮想通貨)プラットフォームArdor。NXTの機能を受け継いだだけでなく、子チェーンの導入によって更に参入しやすくなったアルトコインプラットフォームの仕組みをわかりやすく解説します。
ArdorというNXTのほぼ上位互換のプラットフォームが出現しただけでなく、LISKのようにPoSを導入した更に優秀な暗号資産(仮想通貨)プラットフォームが続々登場しているせいで、今あえてNXTを使うメリットが薄れてきています。
ですから、ArdorはともかくNXTには将来性があまりないと思います。
通貨名:Nxt
通貨単位:NXT
承認方法:PoS
発行日時:2013年12月
発行上限:10億NXT
開発:Jelurida
ブロック生成報酬:手数料のみ
ブロック生成速度:約一分
公式ホームページ:https://nxtplatform.org/what-i...
NXTで行える機能は、公開鍵を自分の設定した名前に結びつけるエイリアス機能、商品の売買を可能にするマーケットプレイス機能、データ管理のできるクラウド機能、ユーザー間のチャット機能、投票機能、独自通貨の発行などがあります。
発表当時はこれらの機能が注目を集め、かなりの人気がありました。
NXTの承認方法はPoS(Proof of Stake)といって、保有NXT数が多ければ多いほどブロック承認者に選ばれやすくなるというシステムです。
現在、NXTは発行量が上限に達しているため、承認報酬は送金手数料のみです。
このシステムでは、PoWに存在していた51%攻撃への脆弱性を克服しているのが特徴です。
51%攻撃というのは、PoWにおいて全マイナーの計算能力の過半数を所有している人物や集団が出現した場合、彼らによって、ブロックチェーンが改ざんされてしまう脅威のことを指します。
PoSにおいては、仮に全NXTの過半数を所有する人物が現れたとしても、仮にその人物がブロックチェーンを改ざんした場合、通貨の信用と価値が下がり、一番NXTを所有しているその人物が一番大損してしまうため、改ざんするインセンティブが小さくなっています。
また、NXTでは720ブロック以前のブロックに干渉できなくすることで、さらに51%攻撃に対して強くなっています。
仕組みの項で紹介したように、NXTには多数の便利な機能が備わっており、プラットフォームとしてかなり成熟しています。
このプラットフォームとしての完成度の高さのおかげでNXTは大いに注目を集め、人気になりました。
現在では、それらの機能はArdorでも利用可能です。
これがPoWを導入している通貨と大きく異なっている点です。PoWのマイニングは、高性能な専用の機器がないと参入できないほど苛烈な競争が行われており、素人の参入はほぼ不可能です。
ですが、PoSを採用したNXTなら、高度なマシンがなくても、NXTを保有しているだけでフォージングに参入が可能です。
ですから、投資目的に購入したついでにフォージングが狙えるわけです。
フォージングは、NXTの大量保有者に有利なシステムです。ですから、問題点の項で指摘したように、NXTの大量保有者がずっと溜め込んでおくせいで、流動性が低下してしまう可能性が高いというデメリットがあります。
また、そのせいで新規参入者によるフォージングが、ビットコインなどのマイニングほどではないにしろ、難しくなっています。
現在NXTは発行上限に達しており、フォージングによる承認報酬は送金手数料のみになっています。ですから、PoS報酬による収入が安定しないというデメリットが存在します。これは、フォージング新規参入のインセンティブの低下に繋がると考えられます
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イギリス大手取引所のHitBTCでは、なんと全NXT取引の半分以上が行われています。
ここでは他にも、IPOという、未上場のICOコインへの先物取引(株式で言うところのIPOみたいなものですね)が行われています。
そちらにも興味のある方はぜひ登録してみてください。
日本語には対応していないので注意してください。
米大手取引所Poloniexでは、NXT全取引の25%ほどが行われています。
ここではNXTの他に多くの暗号資産(仮想通貨)を取り扱っており、基軸通貨にBTC、USDTのほかETH、Moneroが使えます。
非常にハイエンドな取引所なので、ぜひ使ってみてください!
米大手取引所Bittrexでは、NXT全取引の約15%が行われています。
Bittrexでは約200種類の暗号資産(仮想通貨)を取り扱っています。
取引できるコインの種類がこの規模の取引所の中では一番多いので、「いろんなアルトコインが買いたい!」という方にはおすすめです。
NXTの公式ウォレットです。PCにインストールするタイプのデスクトップウォレットで、プラットフォームの機能をこのウォレットアプリを通じて利用できます。残念ながら日本語には対応していません。
Jaxxは、多くの通貨に対応したウォレットで、その50種類を超える対応通貨の一つにNXTも含まれています。
こちらも残念ながら日本語には対応していません。
また、以前Jaxxはウォレットの脆弱性を突かれ、ユーザーが不正送金の被害にあったことがあるので、利用する際には注意が必要です。
この記事では様々な暗号資産(仮想通貨)を管理できるウォレットJaxxを紹介します!リスクを考えて複数暗号資産(仮想通貨)を保有している人も多いと思いますが、色々暗号資産(仮想通貨)を持っていると、どこで何を管理しているか把握が難しい…そんな時に役立ちます!
NXTと競合しそうな通貨だと、LISKがDPoSという、PoSを進化させたシステムを導入しているほか、イーサリアムものちの大型アップデートで承認方法をPoSに変えると発表しています。LISKもイーサリアムも、スマートコントラクトによってプラットフォームとしての更なる発展が今後見込まれており、特にLISKはサイドチェーンによってスケーラビリティの問題も改善しているため、NXTやArdorの競合としてはかなりの脅威なのではないかと思います。
残念ながら、現在NXTを取り扱っている取引所は国内にありません。ですから、NXTを購入する際には国外の取引所を利用してください。
PoS承認によるブロックチェーンを利用したプラットフォームとして人気を博するも、現在では上位互換のArdorが発表・実装されてしまい、存在感が薄くなってしまったNXT。
機能などはArdorに引き継がれて、そちらで開発が進んでいるため、今後の将来性はあまり感じられません。