リップル社が世界22カ国を対象に「仮想通貨・CBDC等に関する調査」を実施

リップル(Ripple)社が、世界22カ国の経営幹部クラスを対象に「ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・XRPなどの仮想通貨」及び「中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)」に関する調査を行ったことを報告した。

リップル社の報告によると、前回調査の2018年と比較すると、仮想通貨への関心度が減少した一方、CBDCへの関心度は著しく増加していたという。

 リップル社が実施した調査概要

リップル(Ripple)社は、20208月から9月にかけて、世界22カ国の計854人の経営幹部クラスを対象として行った仮想通貨及びCBDCに関する調査の結果を報告した。

なお、今回行われた調査は、デジタルバンク・リテールバンク・送受金及び決済サービスに携わっている経営幹部クラスが対象となっている。

同様の調査が2018年にも実施されており、約2年経ち各国の経営者の間で「ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)XRP」などの仮想通貨に対する関心度がどのように変化したかが注目された。

 「ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、XRP」など仮想通貨に対する関心度に変化は?

(Source: Ripple’s Blockchain in Payments Report 2020 /ripple.com)

リップル社の報告によると、仮想通貨の関心度については主に以下の事項が明らかになった。

回答者のうち

・「ビットコイン(BTC)に興味がある」と答えたのは約47% (2018年実施の調査では約71%)

・「イーサリアム(ETH)に興味がある」と答えたのは約25% (2018年実施の調査では約45%)

・「XRPに興味がある」と答えたのは約19% (2018年実施の調査では約24%)

同様の調査が行われた2018年時と比較すると、いずれの通貨もその関心度は減少していた。

2017年は「仮想通貨元年」と称されるほどに仮想通貨市場全体が盛況していた時期であったため、その影響もあり2018年調査時ではビットコイン(BTC)含む全ての仮想通貨に対する関心度が高まっていた。

2020年も、コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済の不振によってビットコイン(BTC)は幅広く注目されたが、経営幹部クラスの関心対象は「中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)」へと移っていった模様。

中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)に対する関心度は著しく増加、中国政府の動向にも注目か

(Source: Ripple’s Blockchain in Payments Report 2020 /ripple.com)

上記のチャートからも読み取れるように、「CBDCに興味がある」と回答したのは全体の約45%を占めており、その関心度の高まりは一目瞭然である。

昨今、中国を筆頭に、各国政府のCBDCに対する動きは加速している。

中国の都市深センは中央銀行(PBoC)と協力して、住民に1,000万元(約1.6億円)相当の「デジタル人民元」の配布を実施するなど、その勢いは日に日に高まる。

今回リップル社が報告した調査結果を踏まえても、今後はより一層世界中でCBDCへの注目が集まっていくと考えられるだろう。

ブロックチェーンに対する関心度は着々と増加中、PoC実行中の企業も多数

また、リップル社は「ブロックチェーンに対する関心」についても調査を行っている。

回答者のうち、

・「ブロックチェーン技術をすでに利用している」と回答したのは約34%

・「ブロックチェーン技術の概念実証(PoC)を実行している」と回答したのは約21%

仮想通貨への関心度に関わらず、ブロックチェーン技術は依然として高い注目を集めていることが分かる。

仮想通貨の基盤技術たる「ブロックチェーン」の活用ケースが広がることは、より幅広い層にビットコイン(BTC)などの仮想通貨を認識させることにつながり得るため、この意味ではビットコイン市場にとっても良い兆候だとも考えられるだろう。

 リップル社「仮想通貨のボラティリティの大きさが問題視されている」「法規制も課題に」

(Source: Ripple’s Blockchain in Payments Report 2020)

今回の調査結果について、リップル(Ripple)社は以下のように報告した。

「今回の仮想通貨に関する調査内容では、“デジタル資産”として最も広く認知されているビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の『ボラティリティの大きさ』が、問題視されていることが明らかになりました。回答者の大多数は、デジタル資産の信頼性には自信をもっていますが、そのボラティリティについて懸念していることを述べています。」

「今回の調査の対象地域には、(アルゼンチンやメキシコなどの、)国内通貨が不安定な状態にある国々も含まれています。こういった地域の回答者は、国内通貨リスクをヘッジして外国為替関連の税金と資本規制を管理する方法を検討する際に、各デジタル資産のボラティリティを個別に調査した可能性が高いです。その結果、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などのボラティリティの大きさが問題視されるようになったと考えられています。」

そしてリップル社は、「回答者は依然として、ブロックチェーンテクノロジーの規制の明確性・実装コスト・セキュリティ面について懸念している」と結論付けた。

その上で、ブロックチェーン技術や仮想通貨領域の将来性について、以下のようにも主張した。

特定の国や地域では、規制面で大きな進歩が見られています。新興市場は、ブロックチェーン技術及び(仮想通貨などの)デジタル資産を使用することで大きな経済的恩恵を享受できることを認識しています。ブロックチェーン技術とデジタル通貨の台頭は、間違いなく、金融包摂と経済成長を促進することにつながるでしょう。」

今回のリップル社による調査では、2018年実施の調査と比較すると、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、XRPに対する関心度が減少した一方で、CBDC・ブロックチェーン技術の関心度は着々と増加していることが明らかになった。

だが、これらの領域が2018年からの2年間で急速に成長を遂げていることも、紛れもない事実だ。

今後も引き続き、各国政府及び中央銀行の動向に注目しつつ、仮想通貨市場の動きにも細心の注意を払っていきたい。

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この記事は、dailyhodl.comの「Ripple Survey Unveils Real-World Interest in Bitcoin, Ethereum, XRP, Stablecoins and CBDCs Among Payments Executives.」を参考にして作成されています。