マイナス6%の暴落ビットコイン(BTC)、今後の動きまとめ

11,100ドル(約116.7万円)~11,300ドル(約118.7万円)のレジスタンスレベルの突破に失敗し、約6%もの下落を余儀なくされた仮想通貨ビットコイン(BTC)は、執筆現在(92314時現在)10,470ドル(約110.0万円)前後を推移している。

次なる動きに注目が集まる中、「3つの要因」が今後短期的なビットコイン(BTC)市場のカギを握ると、著名アナリストが主張した。

短期的にビットコイン(BTC)価格を左右する「3つの要因」とは?

機関投資家向け取引プラットフォームを展開するTradeBlockの研究責任者を務めるJohn Todar氏は、今後短期的なビットコイン(BTC)の値動きについて、「3つの要因」が大きなカギを握っていると報じた。

同氏は、「3つの要因」として、「米大統領選挙に関連する政治的不安定性」「米政府による金融刺激政策の動向」「DeFiトークンの利食い」が挙げた。

1.「米大統領選挙に関連する政治的不安定性」

(Source: Real Clear Politics /BBC)

まず、John Todar氏は、アメリカ大統領選挙の影響に言及した。

「過去数週間にわたって、選挙に関連して政治的な安定性は欠如している。これは、景気の動きやあらゆる政策の動向に対して及ぼす影響が非常に大きい。そのため、ここから11月初めにかけては政治方面で不安定な状況が続き、仮想通貨市場が突発的に変動する可能性が高い。」

アメリカ大統領選挙は、2020113日が予定されている。

現在一騎打ち状態の、ドナルド・トランプ(共和党)とジョー・バイデン(民主党)、両氏とも仮想通貨に関する具体的な政策等は掲げていないが、バイデン氏はテクノロジーと金融上のイノベーション支持を表明しており、仮想通貨に否定的な姿勢は示していない

一方、トランプ氏は約1年前、「私はビットコイン(BTC)とその他仮想通貨のファンではない。それを“お金”と呼ぶことは到底できず、値動きも大きく、根拠と言えば薄い空気のようなものだ。規制されていない仮想通貨資産は、麻薬取引やその他不正な活動を含む違法な行動に利用される。」と語り、自身の仮想通貨への否定的な見解を示したことは記憶に新しい。

今後、両氏がビットコイン(BTC)など仮想通貨に関する明確な意見を公表するのかどうかも含め、注意深く見守っていく必要がある。

2.「米政府による金融刺激政策の動向」

続いてJohn Todar氏は、仮想通貨市場と関係の深い「金融政策の動向」にも注目しておくべきだと主張した。

「現在のビットコイン(BTC)市場の動きは、あらゆる金融市場の変化に依存しており、以前のサイクルとは大きく異なっている。コロナウイルスの感染拡大による経済状況の悪化により、さまざまな資産クラスにわたる投資家の感情は同時に動いている。今後は、特にアメリカ政府やヨーロッパ地域での追加の金融政策に注目しておく必要があり、潜在的な景気後退にも備えておかなければならない。」

今月15日、米連邦準備制度理事会(FRB)は、「2023年まで金利を0%近辺に維持する方針」を明らかにし、以下のようにコメントしている。

「労働市場の状況が委員会の雇用情勢判断と整合的な水準に達し、インフレ率が2%まで上昇し軌道に乗るまでは、現在の金利の目標レンジである0から0.25%を維持するのが適当である。」

FRBによるゼロ金利政策が継続されれば、金利の低い債券や債務ベースの金融商品などの利付投資に資金を投資する可能性が低くなり、ビットコイン(BTC)のような非金利資産に投資する傾向が強まる。

引き続き、FRBによる金融政策の動向には、細心の注意を払っていく必要がありそうだ。 

3.「DeFiトークンの利食い」

(Source: Hsaka, TradingView「YFI・UNI」)

最後にJohn Todar氏は、「DeFi(分散型金融)トークンの暴落とビットコイン(BTC)価格の関係」について語った。

過去1週間で、これまでDeFiバブルを先導してきたYearn.financeの「YFIトークン」とUniswapの「UNIトークン」が、それぞれ約46%、約48%もの暴落を記録した。

同氏は、この点を踏まえたうえで、以下のように自身の見解を語った。

「過去1週間におけるDeFiトークンの下落は、ビットコイン(BTC)価格10,300ドル(約108.2万円)から11,100ドル(約116.7万円)にまで回復したために発生したとも考えられ、DeFiトークンの利食いによる引き戻しが、ビットコインの購入需要を押し上げていると考察できる。」

DeFiトークンからビットコイン(BTC)への利益の循環は、必ずしも市場が回復していることを意味しない。

しかし、John Todar氏は、「ビットコインなどのより信頼性が高くて安定した資産に、投資家たちが資金を移動するという傾向が強まっているのかもしれない。」と指摘し、「この傾向が強まれば強まるほど、ビットコイン(BTC)市場はこれまでの弱気相場から一転して、上昇基調へと向かう可能性がある。」と述べた。

俗に言う「DeFiバブル」期には、その時価総額を大幅に成長させたことで大きな話題となったものの、ここ最近はバブル崩壊の足音が近づきつつある。

一度はDeFiスペースへと移動した資金が主要通貨市場へと再び引き戻されれば、ビットコイン(BTC)市場は回復へと向かう可能性があるため、この点に、引き続き世界中から高い注目が集まる。

今後、短期的なビットコイン(BTC)市場強気シナリオは?

(Source: TradingView「The Daily Chart of Bitcoin」)

短期的な強気ケースは、「11,100ドル(約116.7万円)のレジスタンスライン突破に向けた再トライ」だ。

92日以降、ビットコインは11,000ドルのレジスタンス領域突破を1度だけトライしたものの依然としてこの領域を抜け出せずにいた。

近いうちに再びこのレベルを突破することこそが、短期目線での強気シナリオ実現への近道だ。

先週以降、不安定な状況が続いている仮想通貨市場。

2020年末にかけてビットコイン(BTC)価格が上昇基調にのっていけるかどうかには、さまざまなファンダメンタルズ要因が関わってきそうだ。

今後は、ビットコイン(BTC)のみならず、DeFiもふくむ仮想通貨市場全体を慎重な姿勢で見守っていくことが重要になる。

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この記事は、Cointelegraphの、「仮想通貨ビットコイン(BTC)価格は11,100ドルの壁にぶつかり、約6%下落しました再び上昇トレンドへと乗っていけますか?」を参考にしています。