ここ最近企業がリップルを採用するというニュースが増えていますが、また新しい会社がリップルの採用を発表しました。

The AsiaMTM Groupという中国大手企業のリップル採用で、中国での暗号資産(仮想通貨)規制に影響はあるのでしょうか?


The AsiaMTM Groupがリップル決済を採用

The AsiaMTM Groupが顧客からXRPを使った支払いの受付を開始するブログで発表しました。XRPを使った決済によって銀行に手数料を取られず4秒以内に支払いを完了できるとしています。

Rippleの公式ホームページやThe AsiaMTM Groupの公式ホームページでは発表されておらず、The AsiaMTM Groupの公式ブログで採用の事実が短く発表されただけなので詳細は不明ですが、サービスの開始日などについては後日発表があるものと思われます。

携帯電話機器から服飾まで幅広く手がけるThe AsiaMTM Group

The AsiaMTM Groupは2009年3月に上海で設立された会社で、現在では上海から深圳に本社を移して広東省や香港にも拠点を置いています。

また、Asia MTMとは「Asia Manufacturing, Trading, and Marketing」(製造、取引、マーケティング)の略で、その名の通り設立当初は中国や東南アジア地域の市場に参入しようとする企業や製品を仕入れたい企業に対してのサービスを展開していました。現在では150以上もの工場と提携して服飾やアクセサリー、ワイン、電子機器、プラスチック、金属まで幅広く扱います。また、事業の主力は携帯電話機器の部品や付属アクセサリーで、「品質・信頼・プロフェッショナリズム」の3つを売り文句にアップル、サムスン、ノキア、LGなどの名だたる企業と取引を行なっています。

予想される影響は?コインパートナーの見解

中国では昨年から暗号資産(仮想通貨)取引は厳しく制限され、先月にはさらに厳しい措置の検討が発表されています。しかし今のところ、取引所を介さない小規模なP2P取引(Peer-to-Peer:個人間での取引)は規制されておらず、今回のThe AsiaMTM Groupの支払いはそれを利用したものと思われます。

しかし中国人民銀行副総裁のPan Gongsheng氏は取引所のサーバーを利用する暗号資産(仮想通貨)取引を完全に制限することを提案するだけでなく、中国での暗号資産(仮想通貨)決済を提供するプラットフォームに制裁をかけるべきだという考えを示しており、The AsiaMTM Groupのように暗号資産(仮想通貨)を採用する企業が増えても引き続き中国では強い暗号資産(仮想通貨)規制が続くものと思われます。

また、The AsiaMTMはB2B(企業間取引)がメインの会社なので、リップルでの決済が始まればThe AsiaMTMと取引を行なっているアップルやサムスンなどがリップルを使用するようになる可能性もあります。