香港SFCが未認可ICOを取り扱う複数取引所に警告文 

香港の証券先物事務監察委員会(SFC)は2018年2月9日金曜日に7つの取引所に対し、取引所のプラットフォーム上で取引されているいくつかの暗号資産(仮想通貨)が「有価証券」とみなされる可能性があり取扱通貨から外すことを勧める警告文を送付したことをSFCのホームページで発表しました。

7つの取引所の名前は明らかにされることはありませんでしたが、SFCは香港区内に存在もしくは香港と関係のある取引所であり取引量で世界20位に入る取引所であると述べています。

発表によると7つの取引所は警告文に対し有価証券と見なされうる暗号資産(仮想通貨)の取引が行われていないことを確認する、もしくは有価証券とみなされうる暗号資産(仮想通貨)をプラットフォーム上から除去するなど即座の「対応措置」を行った模様です。

さらにSFCは同団体により有価証券とみなされている未認可の7つのICO開発者に対しても警告文を送付したようです。

暗号資産(仮想通貨)における有価証券は以前アメリカの証券取引委員会SECでも問題視されており、今回の警告文はそれに似た動きのようです。


仮想通貨に寛容な香港でも法規制が強まる傾向 

香港は中国国内にありながらICOを全面的に禁止する中国と比べ暗号資産(仮想通貨)に対し寛容な態度を示していきました。2017年9月5日にICOの危険性を留置する「注意勧告」は発しながら、香港政府に認可されライセンスを取得したICOに関しては取引を認めていました

暗号資産(仮想通貨)の寛容さから中国から香港に避難してくる暗号資産(仮想通貨)企業も多く存在し、BitfinexKucoinなど有名取引所が香港を拠点にしています。

今回の動きは9月5日の「注意勧告」の強化版であると述べられていますが、暗号資産(仮想通貨)勢力が拡大する中、暗号資産(仮想通貨)に対する縛りが増えていく傾向にあります。

また、SFCは香港政府と協力し香港財経事務及庫務局(FSTB)と投資家教育センター(IEC)を立ち上げ、2018年1月29日暗号資産(仮想通貨)の潜在的リスク・詐欺やハッキングの可能性を強調する暗号資産(仮想通貨)教育キャンペーンを行なったばかりでした。

さらにSFCは香港の有価証券法に違反する行為に関し厳しく対処していくことを明言しています。SFCのCEOであるAshley Alderは、「これからも(暗号資産(仮想通貨))市場に対し監視を続け必要であれば規制を行っていく。同時に暗号資産(仮想通貨)関連企業に対し詐欺や疑わしいファンディングに対し自主規制を行い法の準拠に協力してもらうよう求めていく」と述べています。


予想される影響は?コインパートナーの見解

今回の規制で有価証券系の暗号資産(仮想通貨)の価値は大きく減退することは間違いないです。よりシステムがしっかりしていて暗号資産(仮想通貨)としての用途がはっきりしているICOが残るので長期的にスキャムが減っていくことが予想されます。

ただ、この規制は「特定プロジェクトを丸ごとコピーした詐欺プロジェクト」には対応できていないため、今後はそのようなタイプのスキャムが増えていくことが予想されます。プロジェクトメンバーやVCなどの出資元を確認することの重要性が増していくと思われます。

また、取引所の名前が明らかになっていないため暗号資産(仮想通貨)全体への影響ははかることはできませんが、今回の規制は暗号資産(仮想通貨)の正当性を高める前向きな規制」であるといえるため暗号資産(仮想通貨)全体で価格を下げることはなさそうです。ただ、7つの取引所の中にBInanceなど超大手取引所が含まれていた時に「BinanceでICO禁止」などの誤報が流れ価格に大きな影響を与えることは考えられます

現に今月7日には「香港が中国政府と協力して14日に暗号資産(仮想通貨)規制を行う」との誤報が流れ価格に影響を与えたこともあり今回も注意が必要です。


参考:CoinDeskSFC