イーサリアム考案者であるヴィタリック・ブテリン氏がAbra社CEOとの共同インタビューに登壇

ディスカッション形式でイーサリアムが取り組むべき問題やその解決方法について言及した。

イーサリアム創設者が指摘する4つの問題

イーサリアム考案者ヴィタリック・ブリテン氏によると、イーサリアムが現在抱えている主要な問題は

  1. スケーラビリティ
  2. プライバシー
  3. ユーザビリティ
  4. セキュリティ

の4つであるという。

その中でも特に、スケーラビリティを問題視しており、一秒あたりのトランザクション数を増やすには長い道のりを要すると指摘している。

現在は一秒あたり15の取引を処理しているが、将来的には10万のトランザクション処理が必要であるとブテリン氏は考えている。

そして、ブテリン氏は解決策として2つの異なるアプローチを用意しているという。

1つ目の解決策は、「シャーディング」と呼ばれるデータの階層化だ。

異なるトランザクションの情報を、無作為に選んだコンピュータグループに「断片化」することで、ブロックチェーンの処理能力が1000倍向上するとブテリン氏は説明している。

2つ目の解決策としては、ライトニングネットワークのような二階層のソリューションをイーサリアムに組み込むことである。

これにより、レイヤー間で相乗的な効果を発揮してトランザクション速度が飛躍的に上昇する可能性があるようだ。

また、ブテリン氏はその他の問題点としてプライバシー・ユーザビリティ・セキュリティを挙げた。

イーサリアムネットワークを介した取引の匿名性や使いやすさを向上するために、zk-SNARKなどを用いた高度の暗号化技術の導入を画策しているようだ。

また、セキュリティ向上のためには秘密鍵の保管方法に改善の余地を感じているという。

「秘密鍵の紛失、盗難による資産喪失を防ぐために、秘密鍵を保存する使い勝手の良い方法を探っている。しかし、実現するにはまだ数年かかりそうだ。」とブテリン氏は発言している。

今回取り上げられた4つの課題について、イーサリアムは今後も慎重に取り組んでいくことになるだろう。